品番 B-17 / 会社 作り方 会社案内
会社案内の作り方|テンプレート・パンフレット・動画と、会社を作った直後の素材の権利

この記事を読んでほしい人
会社を作ったばかりで、取引先やお客さまに渡す会社案内を用意したい人に向けた記事です。テンプレートで自作するか、パンフレットや動画まで広げるか、まだ決めていない段階でも読めます。写真や音楽をどこまで使ってよいのか不安な人にも向いています。
- P-01 会社名
- P-03 本店の所在地
- P-07 ロゴ
- P-11 ホームページ
01会社案内は登記にも定款にも出てこない――決まりと好みの境目
会社を作る手順の中に、会社案内を作ることは入っていません。会社案内の作り方に、法律で決まった型はないということです。株式会社の設立の登記で載せる事項は会社法第911条第3項に並んでいて、目的・商号・本店の所在場所・資本金の額などが挙がっていますが、パンフレットや紹介資料は含まれていません。会社案内は、登記が済んだあとに、取引先や応募者へ会社を説明するために用意する、任意の部品です。

第一項の登記においては、次に掲げる事項を登記しなければならない。
会社法 第911条第3項(e-Gov 法令検索、2026年10月23日確認)
任意だから自由かというと、そうでもありません。会社案内に載せる会社名・所在地・設立年月日などは、登記された事実と食い違わないようにする必要があります。写真や文章、音楽を使うなら、権利の決まりを守る必要もあります。内容の見栄えや構成は好みで決められても、土台になる事実と権利は、決まりごとの側にあります。

この記事は、会社案内の作り方を、テンプレート・パワーポイント・PDF・パンフレット・動画の順に見て、最後に素材の権利をまとめます。会社を作る直前や直後は、名刺やホームページと同時に決めることが多いので、ほかの部品との関係にも触れます。会社を作るときに決めた商号やロゴが、そのまま会社案内の顔になるからです。
02載せる項目の土台:会社概要を登記の事実で固める
どの形の会社案内でも、中心になるのは会社概要です。会社名、本店の所在地、設立の年月日、資本金、代表者名、事業内容、連絡先といった、会社の基本の情報をまとめた欄のことです。わかりやすい会社案内とは、ここを見ればまず何者かがわかる、という作りになっているものです。

会社概要を書くとき、頭の中の記憶や、仮に決めていた名前を写すと、後で食い違いが見つかります。登記が済んでいるなら、登記事項証明書の記載を基準にしてください。国税庁の法人番号公表サイトでは、商号または名称、本店または主たる事務所の所在地、法人番号の三つの情報(基本三情報)が公開されていて、会社案内の表記と見比べる材料になります。
| 項目 | 何を見て書くか | つまずきやすい点 |
|---|---|---|
| 会社名 | 登記された商号 | 「株式会社」の位置、半角・全角 |
| 所在地 | 登記された本店の所在場所 | ビル名や階数の省略 |
| 設立年月日 | 設立の登記をした日 | 定款の作成日や開業日とは別 |
| 資本金 | 登記された資本金の額 | 予定額のまま載せない |
| 法人番号 | 国税庁の法人番号公表サイト | 桁数の写し間違い |
会社を作る人がよく取り違えるのが、設立の日です。設立の日は会社が成立する日、つまり設立の登記をした日のことで、定款を作った日や、実際に営業を始めた日とは別です。会社案内の「設立」の欄にどの日を書くのかは、登記事項証明書の記載で確かめてください。
会社案内の作り方としては、会社概要のほかに、代表のあいさつ、事業内容の説明、強みや実績、沿革、アクセスなどを足していくのが一般的な構成です。ただし、最初から全部を埋めようとせず、設立直後で実績が少ないなら、会社概要と事業内容、連絡先の三つを丁寧に作るほうが、読む側にとっては伝わりやすくなります。
03会社案内テンプレートの使い方:無料でも「許諾の範囲」を読む
「会社案内 テンプレート 無料」と調べると、文書作成ソフトの標準のひな形から、デザインサービスのテンプレートまで、たくさん見つかります。会社案内の作り方として、いちばん手軽なのがテンプレートに会社の情報を差し込む方法です。文字量や写真の位置があらかじめ決まっているので、必要な項目の漏れを防げますし、作る時間も短くなります。

一方で、無料で入手できることと、会社の営業に自由に使えることは別の話です。テンプレートの配布元は、利用してよい目的・範囲・加工の可否・再配布の可否などを、利用規約で決めています。著作権法の第63条も、利用の許諾を得た人は、その許諾に係る利用方法および条件の範囲内で利用できると定めています。範囲を超えた使い方は、許諾を得ていない使い方になります。
前項の許諾を得た者は、その許諾に係る利用方法及び条件の範囲内において、その許諾に係る著作物を利用することができる。
- 会社の営業のための印刷物やPDFに使ってよいか(商用利用)
- 文字・色・レイアウトを変えてよいか(加工)
- 完成した会社案内を取引先に配ってよいか(配布)
- テンプレートに含まれる写真やイラストは別の条件がないか(素材の条件)
- 利用規約が変わったとき、すでに作ったものはどうなるか
テンプレートは、使っている会社が多いほど似た見た目になりやすい点にも気をつけてください。会社案内は、会社を知ってもらう入り口です。会社を作るとき、商号やロゴに時間をかけたなら、会社案内にも自社らしさを残したいところです。同じ型の会社案内が並んでしまうと、違いが伝わりにくくなります。色と書体、写真の選び方、言葉の組み立てで、自社らしさを足してください。
パンフレットの形で作るときの面の割り振りや、載せる項目の優先順位は、次の記事でまとめています。
04パンフレットにするなら:折り方と面の順番を先に決める
「会社 パンフレット 作成」で調べる人が悩むのは、紙の形をどうするかです。パンフレットの作り方は、紙の形から決めると進めやすくなります。一枚の紙を折る三つ折りのリーフレットと、複数枚の紙を綴じた冊子とでは、作る手間も費用も変わります。会社を作る直後で設立から日が浅く、内容がまだ少ないなら、折りたたんで持ち運べる三つ折りが、渡しやすく更新もしやすい形です。

三つ折りには、巻き込むように折る巻三つ折りなど、折り方の種類があります。折り方によって、広げたときに表紙がどの位置に来るか、どの面が開いてすぐ目に入るかが変わります。内容を面に割りつける前に、折り方を決めて、紙に折った見本を作っておくと失敗が減ります。解説サイトでは、たとえば巻三つ折りは広げると表紙は右端、裏表紙は真ん中にくる、といった面の順番が表で整理されています。

面に割りつけるときは、最初に目に入る表紙で会社名とひと言の説明を伝え、開いた中面で事業内容と強みを見せ、最後の面に会社概要と連絡先を置く、という流れが基本です。ただし、これは目的が「初対面の人に会社を知ってもらう」場合の例です。採用向けや取引先向けなら、載せる順番も変わります。
デザインは、おしゃれに見せたいという気持ちから、写真や飾りを増やしすぎることがあります。読む人が知りたいのは、何を頼めるのか、どこへ連絡すればよいのかです。余白と文字の大きさを確保し、会社概要の欄は小さくしすぎないようにしてください。
印刷を頼む場合は、ふち(裁ち落とし)の余白や、データの形式、色の指定が印刷会社ごとに決まっています。作り始める前に、入稿の条件を確認しておくと、あとから作り直す手間を避けられます。
05パワーポイントとPDFで作る:配る形式と、フォントの条件
「会社 案内 作り方 パワーポイント」という調べ方は、専門のデザインソフトを持っていない会社が多いことを表しています。スライド作成ソフトで一枚ずつ作り、PDFで書き出す方法は、手軽で更新もしやすい作り方です。紙で刷る場合も、メールで送る場合も、同じファイルから用意できます。

PDFにしたときに起きやすいのが、見た目の崩れと、ファイルの重さです。パソコンに入っていない書体を使うと、別の端末で開いたときに文字が置き換わります。書き出し時にフォントの情報を含める設定にするか、あらかじめ確実に表示される書体を使ってください。写真が大きいままだと、メールで送れないほど重くなります。
フォントの条件も確かめる点です。書体は、印刷物や会社のロゴに使ってよいのか、PDFへの埋め込みは許されるのかといった使い方が、配布元の利用許諾(ライセンス)で決められています。たとえばGoogle Fontsのよくある質問では、商用利用ができ、ロゴや印刷物にも使えるとしたうえで、利用と再配布の条件はそれぞれのライセンスに書かれていると案内しています。
Usage and redistribution conditions are specified in the license.
Google Fonts よくある質問(Google、2026年10月23日確認)
ここで紹介したのは一つの例です。購入したフォントや、会社のパソコンに最初から入っているフォントは、別の条件が付いていることがあります。使う予定の書体ごとに、配布元のページで利用許諾を読んでください。会社のロゴと会社案内で同じ書体を使うなら、なおさら最初に確認しておくのが安全です。
サンプルを見て作り方を学ぶ人も多いと思います。PDFのサンプルを集めて比べるのは、構成の勉強になります。他社のPDFを参考にするのはよいのですが、構成や言い回しをそのまま写すのは避けてください。自社の言葉で書いたほうが、読む人にも伝わります。
06写真・イラスト・文章:使ってよいのは「許諾の範囲」と「引用の範囲」
会社案内は、写真や文章でできています。その写真や文章は、多くの場合、誰かの著作物です。著作権法第10条は著作物の例として、言語の著作物、音楽の著作物、美術の著作物、写真の著作物などを挙げています。会社の写真だから自由に使える、という決まりはありません。

文化庁の案内では、著作権は著作物を創作した時点で自動的に発生し、取得のために登録などの手続は必要ないとされています。インターネット上に出ている写真やイラストに「著作権フリー」と書かれていなくても、権利は発生しているものと考えて、使う前に条件を確かめてください。
公表された著作物は、引用して利用することができる。
引用は、他人の著作物を使える数少ない方法のひとつです。ただし、条文は続けて、その引用が公正な慣行に合致し、報道・批評・研究その他の引用の目的上、正当な範囲内で行われることを求めています。会社案内の飾りとして他人の写真を載せたり、他社の文章を長く写したりすることは、引用で説明できる範囲を超えやすい使い方です。
もうひとつ、よくある誤解が私的使用です。著作権法第30条は、個人的に、または家庭内その他これに準ずる限られた範囲内で使うための複製を認めています。会社の営業のために配る会社案内は、この「限られた範囲」の使い方ではありません。自分が買った写真集や、保存した画像を、会社案内の素材として流用することは、私的使用では説明できません。
- 自分で撮った写真
- 自分(会社)が著作者。写っている人や建物の同意は別に確かめる
- カメラマンに依頼した写真
- 契約で利用できる範囲を文書にしておく
- 素材サイトの写真・イラスト
- サイトの利用規約で、商用利用・加工・表示の条件を読む
- 他社や個人の写真
- 許諾を得るか、使わない。引用の要件は厳しい

外部の人に制作を頼んだ場合の契約は、権利の持ち方に直結します。契約の書き方は個別の事情で変わるので、迷うときは弁護士や、文化庁の契約マニュアルなど公式の案内を確認してください。
07紹介動画とBGM:会社の宣伝に使う音楽は、手続きの有無を確かめる
会社案内を動画にして、ホームページやSNSで流す会社も増えています。「会社案内 動画」という使い方は、パンフレットの内容を声と映像で補うイメージです。動画は、一度作れば何度でも見てもらえる一方、音楽・映像・ナレーションなど、権利を確かめる素材が増えます。

いちばん誤解が多いのは、BGMです。市販の曲を入れたい、人気の曲を使いたい、と考える人は多いのですが、曲には作詞・作曲をした人の権利があり、録音には録音した人たちの権利があります。動画投稿サービスでは、サービス側が音楽の管理団体と契約している場合があり、その範囲なら手続きなしで投稿できるとされています。ただし、その範囲は、会社の宣伝にあたる使い方にもそのまま当てはまるとは限りません。
日本音楽著作権協会(JASRAC)の案内では、動画の投稿者は一定の範囲内であれば、管理楽曲を含む動画を手続きなくアップロードできるとされています。ここでいう一定の範囲には条件があり、企業や商品、サービスの宣伝になる使い方は別の確認が必要になる場合があります。自分の使い方がどちらにあたるかは、管理団体の最新の案内で確かめてください。
- 曲の権利を持つ団体や人に、会社の宣伝に使えるか問い合わせる
- 素材サイトのBGMは、商用利用と動画投稿の条件を読む
- ナレーションや出演者は、書面で同意を得ておく
- 社内の人が写る場合も、公開の範囲を伝えて同意を得る
動画の作り方は、台本の作り方、撮影、編集、公開の確認までをひとつの記事にまとめています。会社を作った直後に、スマートフォンで撮る一分程度の動画から始める作り方を紹介しています。
会社紹介動画の作り方|設立したばかりの会社が撮る1分の動画
08まとめ:刷る前に、事実・権利・表現の三つを点検する
ここまでの内容をまとめます。会社を作る人が会社案内を用意するときの作り方は、道具(テンプレート・パワーポイント)や形(パンフレット・PDF・動画)を選ぶ前に、載せる事実を登記で固めるところから始まります。次に、写真・音楽・フォントの権利を確かめる。最後に、書いた表現が事実と合っているかを点検する。この三つを済ませてから刷るか、公開します。

三つ目の表現の点検には、景品表示法の考え方が役に立ちます。消費者庁は、景品表示法が、消費者に誤認される不当な表示を禁止していると案内しています。「業界で一番」「必ず成果が出る」といった言い方は、根拠が示せないと誤認につながります。会社案内は取引先や応募者が読むものですが、ホームページに載せれば、一般のお客さまにも届きます。
景品表示法では、消費者に誤認される不当な表示を禁止しています。
— 表示規制の概要(消費者庁、2026年10月23日確認)
| 点検すること | 確かめる先 | 迷ったとき |
|---|---|---|
| 会社名・所在地・設立年月日 | 登記事項証明書・法人番号公表サイト | 法務局の案内 |
| 写真・イラスト・文章 | 素材の利用規約・著作権法 | 弁護士・文化庁の案内 |
| 音楽・フォント | 配布元の利用許諾・管理団体の案内 | 管理団体への問い合わせ |
| 言い切りの表現 | 根拠の資料・消費者庁の案内 | 所管の窓口 |
会社案内は一度作って終わりではなく、会社の住所や役員が変わったときに直す必要があります。更新しやすい形(元データを残す、更新日を入れる)で作っておくと、設立から数年たっても使い続けられます。この記事の内容は、2026年10月23日時点の条文と公式の案内にもとづいています。法律や規約は変わるので、実際に使うときは最新の内容を確認してください。
この図面を閉じる前に
会社案内は、会社を作ったあとに最初に「渡せる形」になる部品です。この記事の作り方を順にたどれば、設立から間もない時期でも、無理のない一冊が仕上がります。道具や見た目を選ぶ前に、事実と権利を確かめておくと、後から作り直す手間がぐっと減ります。まずは会社概要と連絡先の二つだけでも、登記の表記に合わせて作ってみてください。
この図面は、会社づくりの役に立ちましたか?
ありがとうございます。記録しました。
