図番 B-17-54 / 会社案内
会社案内の作り方|三つ折りパンフレットに載せる項目と面の割り振り

この記事を読んでほしい人
会社を作ったばかりで、取引先や金融機関に「どんな会社ですか」と聞かれたときに手渡せる紙がまだない人へ。これから会社を作る予定で、名刺やホームページと一緒に案内物の作り方も見通しておきたい人にも読んでもらえる内容です。
- 会社名
- 本店所在地
- ロゴ
- 経営理念
- 名刺・封筒
01会社案内は「会社を一枚で説明する」ための部品
会社案内とは、会社の名前・事業・連絡先・考え方を、相手が持ち帰れる形にまとめた印刷物やデータのことです。名刺が「あいさつの道具」だとすれば、会社案内は「説明の道具」にあたります。会社を作ると、取引先との初回の打ち合わせ、金融機関での面談、展示会や交流会など、自社を短い時間で説明する場面が一気に増えます。そのたびに同じ話を口頭で繰り返すより、一枚の紙に整理しておくほうが、伝え漏れも記憶違いも減らせます。

この工房の部品表では、会社案内は設立の登記に載る部品ではなく、会社ができてから整える外装の部品に分類しています。法律で「作らなければならない」と決められているものではありません。それでも作り方を一度考えておく価値があるのは、会社名・ロゴ・経営理念・連絡先といった、ほかの部品を一枚の上で組み合わせる作業だからです。ここで矛盾が見つかれば、名刺やホームページを刷る前に直せます。
会社案内には、代表のあいさつ、事業内容、沿革、会社概要、理念などを載せる方法があります。PRONIアイミツも会社概要を主要な要素として紹介していますが、すべてを同じ分量で載せる必要はありません。この記事では、設立直後の会社が情報を絞ってまとめる一例として、A4用紙の三つ折りを使います。冊子や一枚ものなど、用途に合う別の作り方も選べます。
会社を作る準備で決めた会社名や事業の目的は、案内の原稿を考える材料になります。ただし、登記用の文章と読者向けの説明は役割が違います。設立前から下書きする場合は、未確定の住所や日付を区別しておき、配布前に正式な内容へ更新します。会社を作る作業と案内物の作り方を、情報の確認という点でつなげておきましょう。
メモ 紙版とデータ版は使う場面に合わせる
同じ原稿からPDFも作れますが、三つ折りの印刷用データは画面では読み順が分かりにくい場合があります。公開するPDFはページ順や文字の大きさ、素材の電子配布条件も確かめます。
02法律で決まっていること・好みで決めることを先に分ける
一般的な会社紹介のパンフレットに、会社法が一律に定める様式はありません。紙の大きさ、折り方、文章量などは用途に合わせて選べます。一方、正式な会社名は商号と呼ばれ、会社法6条が会社の種類を示す文字を商号に含めることなどを定めています。会社の名前そのもののルールと、案内のデザイン上の工夫を分けて考えましょう。

法律・規則で決まっていること
- 正式な商号には会社の種類を示す文字を用いる(会社法6条)
- 他の種類の会社と誤認させる文字を商号に使わない
- 消費者向けの表示では景品表示法などを確認
- 写真や文章の著作権・利用条件を確認
好みや戦略で決めること
- 紙の大きさ・折り方・ページ数
- 用途に応じた色・書体・写真
- 代表あいさつの長さと語り口
- 許可を得て紹介する事例の選び方
会社概要欄で正式名称を示すなら、前後どちらに「株式会社」などが付くかも含め、登記と照合すると確実です。ただし、6条を理由に、パンフレットのすべてのロゴや見出しで略称を使えないとまでは言えません。ブランド名を大きく載せるときも、運営する会社の正式名称を別に示し、誰の案内か分かる作り方にします。
掲載する事業や勧誘の内容によって、別の法令上の表示義務が関わる場合もあります。一般的な会社紹介の作り方が、そのまま商品広告や申込みを受け付ける案内の条件を満たすとは限りません。まず何のために配る紙かを決め、それに必要な表示を確認したうえで、表現を整えます。
03会社概要は最新の登記と実際の業務を照合する
会社概要では、会社名、設立年月日、本店所在地、代表者、資本金などの事実を正確に示します。登記は確認資料になりますが、問い合わせ先や事業の説明まで一字ずつ登記と同じにするものではありません。本店と営業拠点が違う場合もあるため、何を示す欄かを分けることが大切です。

照らし合わせる元になるのが、登記事項証明書(法務局が発行する、登記された内容の証明書)です。法務局のホームページでは、登記事項証明書の交付請求書の様式が公開されていて、窓口や郵送、オンラインで請求できます。会社を作ったら一通取り寄せて、会社案内の原稿と横に並べて確かめる、という作り方をおすすめします。
| 会社概要の項目 | 登記と照らす点 | よくあるずれ |
|---|---|---|
| 会社名 | 商号の文字・種類の文字の位置 | 前株・後株の取り違え |
| 設立年月日 | 会社成立の年月日 | 定款を作った日や開業日と混同 |
| 本店所在地 | 登記された所在地と現状 | 営業所や郵送先との混同 |
| 代表者 | 役職名と氏名の字 | 旧字体・異体字の置き換え |
| 資本金 | 資本金の額 | 増資後に古い金額のまま |
とくに混同しやすいのが設立年月日です。会社は設立の登記をした日に成立するので、会社案内に書く「設立」は登記上の日付にそろえるのが基本です。お店を開けた日や、事業を始めた日を記念日として書きたいときは、「創業」「開業」のように言葉を分けておくと誤解を防げます。設立日の決め方そのものは別の専門サイトの担当なので、ここでは「書く日付は登記に合わせる」とだけ覚えておいてください。
事業内容は定款の目的の文章をそのまま写す必要はありません。読み手に分かる言葉で、現在提供している商品やサービスを具体的に説明します。目的に書かれているだけで、すでに提供できるように見せないことも大切です。準備中のサービスはその旨を示し、許認可が必要な事業なら取得状況を確認します。会社案内の作り方では、登記との整合と、実際の業務の正確さを両方点検します。
04連絡先と法人番号――問い合わせが迷子にならない作り方
連絡先は、相手の用件が会社に届くかを基準に選びます。小さな会社なら代表窓口を中心にすると分かりやすいですが、一組に限定する決まりはありません。営業と採用で窓口を分けるなら、各窓口の用途を明記してください。会社を作る直後に仮の電話やメールを使っていた場合は、配布する版に残っていないか確かめます。

法人番号は、国税庁が法人等に指定する13桁の番号です。公表サイトでは名称、所在地、法人番号の基本3情報を検索できます。会社案内に載せれば相手が同名の法人と区別する手掛かりになりますが、番号があることが支払能力やサービス品質の保証になるわけではありません。一般的な会社紹介への掲載は任意なので、確認できた番号を載せるか、掲載しない構成にするかを選べます。
- 1問い合わせ先を選ぶ
実際に受け付ける電話・メール・フォームを決め、用途も書く。 - 2名刺やWebと照合する
窓口の用途が同じなら表記をそろえ、古い連絡先を消す。 - 3法人番号を載せるなら照合する
国税庁の公表情報と名称・所在地を含めて確かめる。 - 4住所の役割を明記する
本店、営業所、来訪先、郵送先が違う場合は区別する。
自宅を本店にしている場合、配布する住所の範囲は用途や必要な表示義務も踏まえて判断します。来訪できない本店へ誘導しないよう、訪問先や予約方法を別に案内する作り方もあります。一般的な会社紹介で住所をどう載せるかという判断と、登記や商品広告などで求められる表示は混同しないようにしましょう。
05巻三つ折りの展開図で、6面の位置を確かめる
ここでは、外面を横長に広げたときに右端が表紙になる、巻三つ折りを例にします。巻三つ折りは一つの面を内側に折り込む形です。折る方向を交互にするZ折りとは面の位置が違います。会社案内の作り方を印刷会社に伝えるときは、単に「三つ折り」と言わず、折り方と表紙の位置を確認しましょう。


図は情報を置く位置の例で、印刷に使う寸法図ではありません。巻三つ折りでは折り込む面を狭くするなどの調整が必要になるため、実際の寸法は依頼する印刷会社のテンプレートに合わせます。表紙をめくると内面の一部と折り込み面が見え、さらに開くと中の3面が広がります。紙に面名を書いて実際に折ると、読み順を確かめられます。
会社を作る直後で実績が少ないなら、沿革を無理に長くせず、何を依頼できるか、どのように進むかに面を使えます。会社概要と連絡先は裏表紙にまとめると探しやすくなりますが、それも一案です。採用向けと営業向けでは読み手が知りたいことが違うので、配布先に合わせて原稿を選びます。
文字量は一律の字数や読む時間で決めず、実寸で印刷して確かめましょう。見出しと短い段落から始め、細かい説明はホームページなどへ分ける作り方にできます。文字を小さくして全部詰め込む前に、相手が最初に知りたいことが残っているかを読み直します。表紙、開きかけ、全開の状態でそれぞれ確認してください。

06言い過ぎない表現――「業界No.1」「必ず」を書く前に
一般消費者に向けて商品やサービスを紹介する会社案内では、景品表示法の表示規制が関わります。消費者庁は、品質や価格などを実際より著しく優良・有利に見せる表示を禁止すると説明しています。企業間の取引に使う資料をすべて同じ法的扱いとすることはできませんが、相手に事実と異なる印象を与えない確認は、どの用途でも必要です。

景品表示法では、消費者に誤認される不当な表示を禁止しています。
消費者庁「表示規制の概要」(2026年10月11日確認)
数字や順位は、表示の内容を裏付ける資料があるかを確かめます。「地域No.1」「満足度98%」といった表現は、調査名を小さく添えるだけでは十分とは限りません。調査対象や方法が適切か、結果と表示が対応しているかも確認します。会社の作り方の準備と並行して集めた個人の実績を、設立後の会社の実績として混同させないことも大切です。
Q. お客様の声を載せたいときは?
掲載内容と媒体について了解を得ます。一部だけ切り取って違う意味にしたり、個別の体験を全員への保証のように見せたりしないよう確認します。
Q. 「最短」「最安」と書いてもよい?
比べた条件や範囲、時点と、表示全体の印象を確認します。比較対象を書けば必ず適法になるものではありません。
どこからが違反にあたるかは、表示の中身や業種によって変わるため、ここで一律の線は引けません。心配な表現があるときは、消費者庁の案内を確認するか、弁護士などの専門家に相談して判断材料を集めてください。
07写真・イラスト・ロゴの権利を確かめてから刷る
会社案内のデザインでは、写真やイラストをたくさん使います。ここで見落とされやすいのが権利の確認です。文化庁は、作品を創作した人には、その作品を他人が利用することを許諾したり禁止したりする権利があると説明しています。インターネットで見つけた画像を、許可なく会社案内に載せる作り方は避けてください。

- 自分で撮影した写真
- 写っている人の肖像や、作品・施設などの権利や撮影条件も確認する。
- 素材サイトの画像
- 商用の印刷物とPDF配布の両方を許すか、加工や表示条件を確かめる。
- 外部へ依頼した作品
- 納品と権利の移転を混同せず、使える媒体・用途を契約で確かめる。
- 会社のロゴ
- 素材の利用条件に加え、商標をJ-PlatPatなどで確認する。
ロゴの作り方の記事で述べたように、形が気に入ったことと、使う権利を確保できたことは別です。J-PlatPatで商標を検索しても、結果がないだけで安全とは断定できません。また、許諾済みの素材、保護期間が満了した作品、法令上利用できる場合などもあるため、すべての素材で作者へ個別に連絡するとは限りません。利用できる根拠と条件を記録する作り方にしましょう。
印刷物は配布先の紙を後から一斉に差し替えることが難しいため、素材を選ぶ段階から権利を確かめます。印刷前には、選んだ写真やロゴが許諾を確認した版と同じかを再点検してください。使った素材のURL、契約、確認日を原稿と一緒に保存しておくと、増刷やPDF公開の相談もしやすくなります。
08まとめ:会社案内の作り方を部品表で振り返る
会社案内は、会社名、事業、連絡先を読み手へ伝えるために組み合わせる部品です。ロゴや理念の文章が完成していなくても、必要な情報から小さく始められます。会社を作る準備で決めた内容を案内に並べると、正式な情報と仮の情報が混ざっていないかを点検できます。設立後の変更にも対応できるよう、更新担当と原稿の保存場所も決めておきましょう。


- 会社概要の事実を最新の登記や社内資料と照合する
- 用途別の連絡先を整理し、名刺・Webとの違いを確認する
- 折り方と面の位置を決め、紙で試し折りする
- 数字や順位と裏付け資料が対応しているか確かめる
- 写真・イラスト・ロゴの利用条件を再確認する
会社案内の作り方に正解の形はありません。ただ、正確であるべき欄と自由に見せてよい欄を分けて考えれば、はじめてでも迷う場面はぐっと減ります。創業の支援情報をまとめた中小企業基盤整備機構の J-Net21 なども参考にしながら、まずは少ない部数で刷って、使いながら直していく作り方がおすすめです。
これから会社を作る人は、設立の準備と並行して、会社案内の裏表紙に載せる項目だけでもメモしておくと、登記が終わったその日から作り方の手順に入れます。すでに会社を作った人は、手元の名刺と見比べながら、ずれている部品がないかを今のうちに点検しておきましょう。
この図面を閉じる前に
まずは、会社案内を渡す相手と、持ち帰ってほしい情報を一つずつ書いてみてください。会社を作る際に決めた基本情報を整理し、紙に面名を書いて折ってみると、原稿の作り方が具体的になります。配布前に事実・読み順・権利を確認し、用途に合う案内へ整えていきましょう。
この図面は、会社づくりの役に立ちましたか?
ありがとうございます。記録しました。
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