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会社の作り方工房図番 KTK ・ はじめての会社の組み立て説明書

品番 C-22 / 会社 作り方 建設

建設会社の作り方|建設業許可が要る工事と、一人親方や法人化で会社を作る設立の順番

建設会社の作り方|建設業許可が要る工事と、一人親方や法人化で会社を作る設立の順番

この記事を読んでほしい人

職人や現場の仕事から独立して、自分の会社を持ちたいと考えはじめた人に向けた記事です。資格がいるのか、一人親方のままではだめなのか、法人にする条件はあるのか。そうした疑問を、順番に確かめられるようにしました。

この記事で作るもの建設会社の作り方の全体像と、許可・設立・人の要件を確かめる順番のメモ
使う部品

  • 工事の範囲
  • 許可の区分
  • 人の要件
  • 個人と法人
  • 許可のあと

01建設会社の作り方は、「建設業」の意味を条文で確かめるところから

建設会社の作り方を考えるとき、最初に決めておきたいのは「建設会社」という言葉の意味です。看板に「建設」と付けた会社を作ることと、建設業の許可を持つことは別の話だからです。会社を作る設立の手続きは、株式会社でも合同会社でも、目的に建設の工事を書いておけば進められます。許可が絡むのは、工事を請け負って営業する段階です。

建設業は工事を請け負う営業。会社の種類ではなく仕事の中身
建設業は工事を請け負う営業

建設業法は、建設業を「元請、下請その他いかなる名義をもつてするかを問わず、建設工事の完成を請け負う営業」と定めています。ここで注目したいのは「請け負う」という言葉です。自分の土地に自分で家を建てて使う場合や、人に雇われて給料をもらって働く場合は、請負の営業とは性質が違います。反対に、元請か下請かは関係がありません。下請として仕事をもらっていても、完成を請け負う形なら建設業にあたります。

この法律において「建設業」とは、元請、下請その他いかなる名義をもつてするかを問わず、建設工事の完成を請け負う営業をいう。

— 建設業法 第2条第2項(e-Gov 法令検索、2026年10月23日確認)

工事の種類は、土木一式や建築一式、大工、電気、管工事など、法律の別表にいくつもの区分で並んでいます。許可はこの業種ごとに与えられます。会社を作る前に、自分がこれから請け負う工事がどの区分に近いのかを書き出しておくと、あとの確認がずっと楽になります。本記事の内容は2026年10月時点の条文と国土交通省の案内にもとづきます。

建設会社を作る前に確認する工事と金額と営業所の三つの項目
図01 建設会社を作る前の3つの確認

02許可が要る工事と要らない工事――「軽微な建設工事」の線引き

建設工事を請け負う営業には、原則として許可が要ります。ただし例外があり、法律が「軽微な建設工事」と呼ぶ小さな工事だけを請け負う営業なら、許可は要りません。国土交通省の案内も、軽微な建設工事のみを請け負って営業する場合は必ずしも許可を受けなくてもよいとしています。ここが、建設会社の作り方で最初の大きな分かれ道です。許可を取る作り方を選ぶのか、許可の要らない範囲で始める作り方を選ぶのかで、その後の準備がまるで変わります。

軽微な工事だけなら許可は不要。金額と面積の基準を読む
軽微な工事だけなら許可は不要

軽微な工事の中身は、政令で決まっています。建築一式工事以外の工事は、一件の請負代金が500万円に満たない工事です。建築一式工事は、1,500万円に満たない工事、または延べ面積が150平方メートルに満たない木造住宅の工事が該当します。いずれも「満たない」という書き方なので、ちょうどの金額は含まれません。

軽微な建設工事の金額と面積の基準を比べた表
図02 軽微な工事の基準を読む

金額の数え方にも決まりがあります。同じ建設業を営む人が工事を二つ以上の契約に分けて請け負うときは、各契約の請負代金を合計した額で判断します。注文者が材料を提供するときは、その市場価格を請負代金に加えた額が基準になります。金額を小さく見せるために契約を分けたり、材料を支給にしたりしても、正当な理由がなければ基準は下がりません。

工事の内容と金額の細かな扱いは、次の記事で整理しています。見積もりの前に、一度目を通しておくと安心です。

建設会社の作り方|建設業許可が要る工事・要らない工事

03建設会社設立に必要な資格は?――「人」の要件には名前がある

「建設会社設立に必要な資格」という検索語をよく見かけますが、会社を作る設立そのものに特別な資格は要りません。株式会社でも合同会社でも、誰でも作れます。資格や経験の話が出てくるのは、許可を受けるときの要件です。許可の要件には名前がついているので、まずはその名前だけ覚えてしまいましょう。

許可には人の条件がついてくる。経営の体制と営業所の技術者
許可には人の条件がついてくる

建設業法第7条は、許可の基準として、経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を持つ者がいること、営業所ごとに専任の営業所技術者を置くこと、請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれが明らかでないこと、そして請負契約を履行するに足りる財産的基礎または金銭的信用を有しないことが明らかでないことを挙げています。営業所技術者とは、工事の契約と履行に関する技術上の管理を担当する人のことです。

営業所ごとに、営業所技術者(建設工事の請負契約の締結及び履行の業務に関する技術上の管理をつかさどる者であつて、次のいずれかに該当する者をいう。第十一条第四項及び第二十六条の五において同じ。)を専任の者として置く者であること。

営業所技術者になれる人の条件には、学歴と実務経験の組み合わせや、一定年数の実務経験などが条文に並びます。さらに、国土交通省は、許可の要件として社会保険への加入などの確認も案内しています。許可を見据えた会社の作り方では、誰がどの役割を担えるのか、今の経歴で足りるのかを、一覧表にして書き出してみましょう。

法律・規則で決まっていること

  • 許可には経営の体制と営業所技術者が要る(建設業法 第7条)
  • 欠格要件に当たると許可を受けられない(同法 第8条)
  • 軽微な工事だけなら許可は要らない(同法 第3条)

好みや戦略で決めること

  • 会社の名前や本店の雰囲気
  • 株式会社にするか合同会社にするか
  • 最初に請け負う工事の種類の順番
  • 設立と許可申請のどちらを先に動かすか

個々の要件の細かな条件は、所管の手引きが最新です。別の記事で要件の名前を一つずつ分けて整理しています。

建設業許可の入口|大臣許可・知事許可と主な要件の名前

04営業所をどこに置くか――大臣許可と知事許可は現場ではなく営業所で決まる

許可の窓口は、営業所をいくつの都道府県に置くかで分かれます。二以上の都道府県に営業所を置くなら国土交通大臣の許可、一つの都道府県にだけ置くなら、その営業所の所在地の都道府県知事の許可です。工事をする現場がどこにあるかではなく、営業所の置き方で決まる点が肝心です。東京に営業所を置く会社が、神奈川の現場で工事をしても、知事の許可で足ります。

許可の窓口は営業所の置き方で決まる。一つの都道府県か二つ以上か
許可の窓口は営業所の置き方で決まる

許可には「一般」と「特定」の区分もあります。発注者から直接請け負った一件の工事について、下請に出す代金の総額が政令の金額(建築工事業は8,000万円、その他は5,000万円)以上になる場合は特定建設業の許可が要ります。小さな会社が最初に取るのは、多くの場合、特定ではなく一般の許可です。ただし、元請として大きな工事を下請に出す計画があるなら、設立の段階で考えておく必要があります。

許可の有効期間は五年で、更新を受けないと期間の経過で効力を失います。この五年ごとの更新は、会社を作る設立の準備と同じくらい、最初から予定に入れておきたい手続きです。営業所の数や場所を増やす計画があるなら、窓口が変わる場合があるため、事前に相談してください。

申請の書類づくりは行政書士の業務にあたり、当サイトが代わりに行うものではありません。所管の窓口に、営業所の予定地と請け負う工事の内容を伝えて、必要な手引きを案内してもらうのが近道です。

05建設業の一人親方は、会社を作らずに許可を取れるのか

「一人親方」は現場でよく使われる言葉ですが、建設業法の条文には出てきません。念のため法律の全文で確かめましたが、その語は見当たりませんでした。つまり、法律の区分では「個人で建設工事を請け負う人」にあたるかどうかが判断の軸になります。従業員を雇っていない個人でも、請負契約を結んで工事の完成を請け負うなら、条文の言う建設業です。

一人親方は法律上の区分ではない。個人でも許可の対象になる
一人親方は法律上の区分ではない

個人の作り方、つまり会社にしない始め方もあります。個人のままで、許可が要らない範囲に収まる工事だけを請け負うなら、会社を作らなくても営業はできます。収まらない工事を受けるなら、個人でも許可の対象です。許可の基準の条文には、法人の場合と並んで「個人である場合においてはその者」と書かれており、個人の事業主も許可を受ける前提で作られています。つまり、許可を取るために会社を作る設立が必須というわけではありません。

会社にするか個人のままにするかは、許可の有無とは別の話として考えます。法人の作り方を選ぶ理由は、許可以外のところにあることが多いのです。取引先が法人との契約を求める、社会保険や信用の見え方を整えたい、従業員を雇う予定がある、といった事情で選ぶものです。税金や保険の面の比較は別の専門サイトの担当なので、ここでは触れません。

一人親方の働き方には、発注者との契約の形による違いもあります。請負なのか雇用に近いのかは、契約書の内容と実態で判断されます。契約書を交わす前に、工事の範囲と金額、材料の扱いを書面で確かめておきましょう。

06建設業を法人化する条件――個人の許可は、そのまま法人に引き継がれない

個人で建設業の許可を持つ人が会社を作る設立の手続きをしても、許可が自動的に新しい会社のものになるわけではありません。法人格が違えば、許可を受けた主体も別になるからです。許可の空白を避けるために使える制度として、建設業法には承継の仕組みがあります。

個人から法人へ許可をつなぐ。事前の認可という手続き
個人から法人へ許可をつなぐ

条文によると、建設業者が許可に係る建設業の全部を譲渡する場合に、譲渡する側と譲り受ける側があらかじめ国土交通大臣または都道府県知事の認可を受けておけば、譲受人は譲渡の日に建設業者としての地位を引き継ぎます。国土交通省の許可事務ガイドラインは、個人事業主が法人に成り代わる(法人成り)場合の添付書類として、その個人と法人との譲渡契約書を挙げています。

個人事業主が法人に成り代わる(法人成り)場合は、当該個人事業主と法人成り後の法人との譲渡契約書を添付すること。

— 国土交通省「建設業許可事務ガイドライン」(令和7年2月1日適用、2026年10月23日確認)

ここで押さえたいのは、認可は「あらかじめ」受けるものだという点です。会社を作ったあとで許可の切り替えを考えると、間に合わない場合があります。また、一部の業種だけを承継する扱いになるのかなど、細部は個別の事情で変わるため、断定はできません。会社を作る設立の日取りを決める前に、所管の窓口へ予定を伝えてください。

ネットには「法人化の条件」を年数や売上で示す記事もありますが、出所の確かな基準を原文で確かめていないため、ここでは書きません。個人から法人への切り替えは、許可・社会保険・取引先との契約を同時に動かす作業です。順番を間違えると、無許可の期間が生まれるおそれがあります。

07建設業の独立と数字――年収・失敗・未経験・助成金の話の読み方

建設業の独立を調べると、「年収」「失敗」「未経験」「助成金」といった言葉が並びます。年収の金額や失敗の割合は、この記事では書きません。公的な統計の原文を確かめていない数字を載せると、読む人の判断を誤らせるからです。かわりに、数字や体験談をどう読むかを示します。

数字は前提を確かめてから読む。出所と条件を見る
数字は前提を確かめてから読む

年収の話では、個人事業の売上なのか、経費を引いた手取りなのか、法人の役員報酬なのかで意味が変わります。工事の種類や元請か下請か、職人を何人抱えているかでも違います。条件が違う数字を並べた記事は、そのまま自分に当てはめられません。自分の見積もりで確かめられる数字を作ることが、独立の準備になります。数字を鵜呑みにせず自分の作り方を組み立てるのが、現場の人には向いています。

失敗の原因として語られることが多いのは、資金繰り、取引先の偏り、許可が必要な工事を受けてしまったことなどです。許可の線引きは、条文と国土交通省の案内で確かめられます。未経験で始める場合は、営業所技術者などの要件を満たす人を確保できるかが現実の壁になります。助成金や補助金は別の専門サイトの担当で、制度ごとに対象が決まっているため、窓口で確かめてください。

注意 数字を見るときの三つの問い

「いつの数字か」「誰が出したものか」「自分の工事の種類と規模に合うか」。この三つに答えられない数字は、判断材料にしないのが安全です。

08許可を取ったあとも続く手続き――変更届と決算の届出

許可を取ったら終わり、ではありません。許可を受けたあとに、商号や営業所、役員などに変わったことがあれば、変更の届出を決められた期間内にしなければなりません。国土交通省関東地方整備局の案内にも、許可取得後の手続きとして変更届と廃業届が整理され、提出しないと罰則の定めがあると記されています。

許可のあとにも続く届出。変更届と事業年度ごとの届出
許可のあとにも続く届出

事業年度が終わるごとの届出もあります。決算変更届は、建設業法第11条第2項で、毎事業年度経過後4か月以内に提出することと案内されています。会社を作る設立のときに事業年度の終わりの月を決めますが、その月は許可のあとの届出の時期にも影響します。決算月を決めるときは、繁忙期と重なっていないかも見ておくとよいでしょう。

手続き 時期の目安 確認すること
許可の更新 五年ごと 有効期間の満了前に余裕をもって
変更届 変更の内容ごとに期間が決まる 手引きの一覧表で期間を見る
決算変更届 事業年度の経過後4か月以内 決算月と繁忙期の重なり

電気工事など、建設業の許可とは別の法律の登録や届出が要る工事もあります。許可を持っていることと、すべての手続きが済んでいることは同じではありません。

09まとめ――建設会社の作り方は、工事の中身・営業所・人・個人か法人かの順に

建設会社の作り方を、順番に並べ直します。まず、請け負う工事の中身と金額を書き出し、軽微な工事の範囲に収まるかを確かめます。収まらないなら、営業所をどの都道府県に置くかで大臣許可か知事許可かを決め、経営の体制と営業所技術者という人の要件が満たせるかを点検します。そのうえで、個人のままか、会社を作る設立をするかを選びます。

工事・営業所・人・個人か法人か。現行の手引きで確かめる
工事・営業所・人・個人か法人か

個人から法人にする場合は、許可の承継という仕組みがあり、あらかじめ認可を受けることが前提です。設立の日取りを決める前に、窓口へ相談してください。この記事は2026年10月23日時点の条文と公式の案内で確かめたものです。制度は変わるので、最新の手引きを必ず見てください。

許可が必要な仕事は、建設のほかにもあります。不動産・運送・警備の入口も、同じように「許可や届出の名前」から調べられます。事業の選択肢を比べるときに、見比べてみてください。

不動産会社の作り方|宅建業の免許の入口を見る

運送会社の作り方|許可と届出の入口を見る

警備会社の作り方|公安委員会の認定の入口を見る

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建設の仕事で独立するとき、最初に決めるのは会社の名前でも資金でもなく、請け負う工事の中身です。そこが決まれば、許可が要るかどうか、誰が要件を満たせるかが見えてきます。迷ったら、書類を作る前に営業所の予定地を管轄する窓口へ、工事の内容と金額を持って相談しに行ってください。

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