品番 C-26 / 会社 作り方 ゲーム
ゲーム会社・SES会社の作り方|会社を作る設立の前に決める資金・作品の権利・契約の線引き

この記事を読んでほしい人
ゲームを作る小さなスタジオや、エンジニアが常駐して働くSESの会社を立ち上げたいけれど、何から決めればよいか分からない人に向けた記事です。許可の要る商売ではない分、権利と契約の整理が会社の土台になります。
- 資金
- 作品の権利
- 音楽・素材
- 契約の線引き
01ゲーム会社の起業資金は、作る形と期間から数える
「ゲーム会社 起業 資金」と調べると、数百万円から数千万円といった幅のある数字が出てきます。ただ、この記事ではそのような金額を目安として紹介しません。開発の期間、人数、対象のハードウェア、外注の量で、必要な額は大きく変わるからです。ゲーム会社の作り方でまず大切なのは、他人の数字に合わせるより、自分の計画を数字に置き換える手順を知ることです。

中小企業基盤整備機構のJ-Net21は、起業に必要な資金を、設備などにかかる資金と、運転資金に分けて考える整理を示しています。ゲームの場合に置き換えると、機材やツールの購入、開発を続けるための人件費や家賃、公開までの費用や広告費などです。会社を作る設立の費用そのものは、別の専門サイトが内訳を扱っています。

この流れ図は、ゲーム会社の作り方の中で、最初に紙に写しておきたい部品です。作る作品を一つに絞って数えると、複数の企画を同時に抱えるより、計画の穴が見つけやすくなります。
ゲーム開発は、収入が入るのが作品の公開後になりやすい仕事です。完成までの数か月、収入がない前提で計画すると、後から資金が足りなくなる場面を減らせます。受託開発を組み合わせて毎月の収入を確保する、という作り方もありますが、受託の仕事が増えると自社作品の時間が減ります。この釣り合いは、数字を書き出してはじめて見えてきます。
資金の借入や助成の申請は、事業計画書の作り方次第で受け止められ方が変わります。計画書の書き方に不安がある人は、地元の商工会議所や創業支援の窓口で相談できます。いずれも、金額の約束はできない世界なので、窓口で確認した最新の条件を基準にしてください。
ここまでの作り方は、あくまで考える順番です。実際の数字は、自分たちの作品の中身で決まります。資金の見積もりは、開発が進んで仕様が変わるたびに更新するもの、と考えておくと、会社を作る設立後の運営でも使い回せます。
02会社が作った作品の権利は誰のもの? 職務著作の入口
ゲームは、シナリオ、絵、音楽、プログラムなど、さまざまな著作物の集まりです。会社の従業員が仕事として作ったものは、会社のものになるのか。この疑問に答えるのが、著作権法第15条の職務著作(しょくむちょさく)という考え方です。

法人等の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が職務上作成するプログラムの著作物の著作者は、その作成の時における契約、勤務規則その他に別段の定めがない限り、その法人等とする。
— 著作権法 第15条第2項(e-Gov 法令検索、2026年10月23日確認)
第1項は、プログラム以外の著作物について、会社が自社の名義で公表するものを対象にしています。第2項のプログラムでは「自己の著作の名義の下に公表するもの」の条件が付きません。どちらも、会社の発意、業務に従事する人、職務上の作成、別段の定めがない、という条件がそろった場合の話です。外注先や個人事業主に頼んだ作品は、この条文では自動的に会社のものにはなりません。
法律・規則で決まっていること
- 職務著作の条件は、法律の文言で決まる
- 著作者人格権は、譲渡できない(第59条)
- 外注した作品の権利は、契約がなければ自動で移らない
好みや戦略で決めること
- 自社作品か受託開発かの選び方
- 作品の利用を許す範囲の決め方
- 外注先との契約書の形式
個人で作ってきた作品や契約を、会社の設立後にどう扱うかも、早めに決めておく項目です。会社を作るタイミングで、これまでの作品の権利を会社に移すのか、個人が持ったまま会社に使わせるのかを整理しておくと、後からの行き違いを減らせます。くわしい整理の方法は、個別の記事にまとめました。
03スタジオ設立の段取り――定款の目的と、最初に置く役割
「ゲーム スタジオ 設立」と調べる人は、少人数のチームで会社を立ち上げる場面を想像していることが多いでしょう。会社を作る設立の流れ自体は、ほかの業種と大きく変わりません。ただ、ゲームの会社として決めておくと楽になる点が三つあります。定款の目的、最初に置く役割、そして作品名の扱いです。

定款の目的には、会社法第27条に基づき、事業の目的を書きます。「ゲームソフトウェアの企画、開発、制作、販売及び配信」「コンテンツの制作の受託」「前各号に付帯関連する一切の業務」のように、自社作品と受託の両方を書いておくと、事業の幅が広がっても目的の変更が起きにくくなります。広げすぎず、これから二、三年に実際にやりそうな範囲に絞るのが目安です。
- 自社で配信する場合と、プラットフォーム経由で売る場合の違いを整理する
- 受託開発の請負と準委任の違いを知っておく
- 音楽や素材を外部から調達するかどうかを決める
- 代表者の個人と会社の契約の線引きを決める
ゲームでは、チームが小さいと、一人が複数の役を兼ねることになります。役割を書き出すと、誰が契約を結び、誰が納品を確認し、誰が公開後の問い合わせを受けるのかが見えてきます。法人の形(株式会社か合同会社か)の選び方は、別の専門サイトの担当ですので、ここでは触れません。
合同会社でゲームの会社を作る人も多く、法人の形は事業の中身と関係なく選べます。大切なのは、形より先に、作品と契約の整理を終えることです。スタジオの作り方は、人を集める前に、仕事の分け方を決めるところから始まります。
04ゲームの音楽や素材は、権利の種類を分けて確かめる
ゲームの権利の確認で、見落とされやすいのが音楽です。JASRACは、ゲームの製作に使う音楽について、市販のCDやダウンロードした音源を使う場合、著作権とは別に、著作隣接権の許諾が必要になると案内しています。著作隣接権とは、演奏した人やレコードを製作した人など、作品を伝える側に認められる権利のことです。

市販のCDやダウンロードした音源を利用する場合、著作権とは別に、著作隣接権(音源製作者やアーティストの権利)の許諾を得る必要があります。
ここでの注意点は、曲の作り手に払う権利と、録音された音を作った人に払う権利が、別々に動くことです。音源には、曲そのものの権利とは別に、録音した人の権利もあります。ゲームに入れる音が、自分たちで録ったものか、外部から借りるものか、素材集のものかによって、許諾を確かめる相手が変わります。

表のうち、自作の曲と録音だけは、作った人が会社に権利を渡す契約を結べば済みます。それ以外は、相手の許諾が必要になる前提で、公開日から逆算して早めに問い合わせるのが、ゲームの作り方の現実的な段取りです。
素材集や無料素材にも、使える範囲があります。商用のゲームに使えるか、再配布できるか、クレジットの表記が要るかは、素材ごとの規約に書かれています。使う素材の出所と規約を一覧にしておくと、プラットフォームへの提出時にも役立ちます。利用条件の読み方に自信がないときは、提出前に専門家へ見せるのが安全です。
05作品名・ロゴの商標は、J-PlatPatで確かめる
遊んでもらうタイトルとロゴは、売り出す前に商標の検索にかけておくと安心です。使うのは特許庁の無料の検索サービスJ-PlatPatで、案内のページに使い方が出ています。自分の作品名と同じ、または響きの近い名前が、すでに他の人に登録されていないかを見ます。

同じページには、新しい出願が検索に載るまで時間差がある、とも説明されています。つまり、何も出てこなくても安全だと言い切れる材料にはなりません。結果は判断の材料の一つにとどめ、不安が残るときは弁理士に見てもらう道があります。
- タイトルの文字を、読み方を変えて何通りか検索する
- ロゴを使うなら、図形の分類からも検索する
- ゲームやアプリの商品・サービスの区分で絞って確認する
- 検索した日と、検索語を記録しておく
- 迷う場合は、商標の専門家である弁理士に相談する
商標の出願の代理は、弁理士の業務です。当サイトでは、出願の手続きの代行や代理はしません。会社を作る前の準備として、最低限の検索を自分で行い、気になる結果が出たら専門家に見てもらう、という進め方が現実的です。
06SESの会社を作る前に、準委任と派遣の線引きを知る
SESは、システムエンジニアリングサービスの略で、技術者が顧客先で働き、その仕事の遂行に対して報酬を受け取る形態の商売を指す呼び名です。契約の形としては、民法の準委任(法律行為でない仕事を任される契約)にあたることが多いとされています。民法第656条は、法律行為でない事務の委託に委任の規定を準用すると定めています。

受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。
民法 第644条(e-Gov 法令検索、2026年10月23日確認)
ここで大切なのは、契約の名前が準委任でも、実態で別の扱いになることがある点です。厚生労働省の「労働者派遣・請負を適正に行うためのガイド」は、労働者派遣事業と請負のどちらに当たるかは、契約形式ではなく、実態で判断されると案内しています。準委任の場合も、考え方の土台は同じです。顧客が技術者に直接細かい指示を出す、勤務時間や場所を管理するなどの実態があると、派遣に近づきます。
派遣事業を行うには、法律に基づく許可が必要です。派遣業そのものの作り方は別の専門サイトの担当ですので、ここでは「SESは派遣とは別の契約として整理され、実態次第で扱いが変わる」と押さえておくだけにします。会社を作る設立の前に、自社が行う仕事がどちらの形になるかを、顧客と共有しておきましょう。

点検表の左側がそろっていても、日々の運用で右側に寄ってしまうことがあります。SESの会社の作り方では、契約書を作る段階だけでなく、現場でのやり取りの実態を定期的に見直す習慣も、同じくらい大切です。会社を作る設立の準備の段階から、顧客との連絡の窓口を決めておくと、実態のずれに気づきやすくなります。
契約書の作り方に迷うときは、情報処理推進機構(IPA)が公開しているモデル契約書が参考になります。くわしい整理は、個別の記事にまとめました。
SESの会社を作る前に|準委任と派遣の線引き、仕事の範囲の決め方
07「SES起業 失敗」の体験談は、何を確かめて読むか
「SES起業 失敗」や「SES 下限割れ 給料」といった言葉も検索されています。ただ、この記事では、失敗の割合や給料の金額を一般論として語りません。体験談の数字は、本人の契約、顧客の数、時期によって変わる、ごく個別の話だからです。

失敗談を読むときは、原因を三つに分けて考えると役立ちます。一つは契約の問題(仕事の範囲や報酬の条件が曖昧だった)、一つは体制の問題(技術者の稼働が途切れた、顧客が一社に偏った)、もう一つは資金繰りの問題(報酬の入金が遅れ、給料の支払いが先になった)です。どれが自分の計画で起こり得るかを、自分の言葉で書き出します。
- 報酬の計算方法と支払日を、契約書で確認する
- 技術者が仕事を外れたときの扱いを決めておく
- 顧客が一社に偏らないよう、複数の取引先を考える
- 人件費の支払いが先に出ていく期間を、資金計画に入れる
IPAの「情報システム・モデル取引・契約書」は、契約のタイミングで双方が仕様やプロジェクト管理の方法、検収の方法などについて共通理解を深めることの大切さを示しています。準委任でも、仕事の範囲と報告の形を最初に言葉にしておくことで、後からのすれ違いを減らせます。
メモ 個人情報や顧客の資料を扱う仕事
顧客のシステムに入る仕事は、情報の扱いも契約の一部です。誰がどの範囲の情報にさわれるのかを、契約と社内のルールで決めておきます。
08まとめ:ゲームもSESも、作品・契約・役割を先に言葉にしてから設立する
ゲーム会社もSESの会社も、原則として設立にあたって特別な許可を受ける必要がない業種として紹介されることが多く、弥生株式会社の解説もそのように整理しています。許可がない分、会社を作る設立の前後で、自分たちで言葉にしておくことが増えます。資金の数え方、作品の権利、音楽や素材の出所、タイトルの商標、契約の形の五つです。

| 決めること | 法律・規則で決まる | 自分たちで決める |
|---|---|---|
| 作品の権利 | 職務著作の条件・著作者人格権 | 契約でどう分けるか |
| 音楽・素材 | 著作権・著作隣接権の許諾 | どの音を使うか |
| 契約の形 | 準委任と派遣は実態で判断 | 仕事の範囲・報告の方法 |
| タイトル | 商標は登録で権利になる | 名前とロゴの案 |
課金の仕組みを入れる場合など、ゲームのサービスの内容によっては、ここで触れていない別の法律が関わることがあります。その場合は所管の官庁や専門家に確認してください。この記事の内容は、2026年10月時点のものです。
あわせて、別の業種の入口も眺めておくと、自社の事業の幅を考えやすくなります。
この図面を閉じる前に
自社で作る作品、受託する仕事、外から借りる素材を、三つの列に分けて書き出してみてください。権利と契約の空白が見えたところが、設立の前に話し合っておく項目です。
この図面は、会社づくりの役に立ちましたか?
ありがとうございます。記録しました。
