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会社の作り方工房図番 KTK ・ はじめての会社の組み立て説明書

品番 C-21 / 会社 作り方 不動産

不動産会社の作り方|未経験でも確かめられる、宅建業の免許と会社を作る設立の順番と費用の見方

不動産会社の作り方|未経験でも確かめられる、宅建業の免許と会社を作る設立の順番と費用の見方

この記事を読んでほしい人

不動産の仕事に興味はあるものの、会社を作るのが先なのか、免許が先なのか、そもそも自分に開けるのかが分からない人に向けた記事です。経験がまだない人や、資金の見積もりで足が止まっている人にも読める順に並べました。

この記事で作るもの不動産会社の作り方の全体像と、免許・設立・資金の確認順を書いたメモ
使う部品

  • 事業の中身
  • 会社の目的
  • 本店・事務所
  • 宅建士
  • 保証金

01不動産会社の作り方は、「何をして収入を得るか」を3つに分けるところから

不動産会社の作り方を調べはじめると、まず戸惑うのが「不動産業」という言葉の広さです。自分の持つビルを人に貸す、他人の物件を売買の相手に引き合わせる、物件の掃除や修繕を引き受ける。どれも不動産に関わりますが、会社を作る設立の準備も、必要な許認可も同じではありません。最初の仕事は、自分がどの行為で収入を得たいのかを紙に書き出すことです。

不動産の仕事は3つに分けて考える。免許が要るかは行為で決まる
不動産の仕事は3つに分けて考える

手がかりになるのが、宅地建物取引業法の定義です。同法は、宅地や建物の売買・交換、そして売買・交換・貸借の代理や媒介(間に立って成立させること)を、仕事として行うものを「宅地建物取引業」と呼んでいます。ここで目を引くのは、「貸借」が代理と媒介のほうにだけ付いている点です。つまり、自分の物件を自分で貸すだけなら、この定義の外に置かれます。

宅地若しくは建物(建物の一部を含む。以下同じ。)の売買若しくは交換又は宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の代理若しくは媒介をする行為で業として行うものをいう。

— 宅地建物取引業法 第2条第2号(e-Gov 法令検索、2026年10月23日確認)

この定義に当てはまる行為を仕事として行うなら、免許が要ります。反対に、物件の管理や清掃のように別の仕事として整理できるものは、免許の話とは別の確認になります。ただし、境目の判断は物件の数や取引の相手によっても変わるため、迷う場合は所管の窓口に具体的な内容を伝えて確かめてください。この記事は2026年10月時点の条文と公式の案内をもとにしています。

不動産の仕事を売る貸す仲介の三つに切り分ける図
図01 不動産の仕事の3つの切り分け

02不動産会社を未経験から作る――実務の経験より先に確かめる3点

「不動産は未経験でも会社を作れるのか」という疑問に、一言で答えるのは難しい問題です。免許そのものの条文を読むと、免許を受けるための基準に「不動産の実務の経験が何年必要」という書き方は見当たりません。一方で、事務所ごとに置く専任の宅地建物取引士(宅建士)については、資格のほうで条件が定められています。経験の有無より、人・場所・会社の三つがそろうかどうかが現実の分かれ目になります。

未経験でも先に確かめる3つの点。人・場所・会社の欠格事由
未経験でも先に確かめる3つの点

宅建士として登録するには、試験に合格したうえで、国土交通省令で定める期間以上の実務の経験があること、または国土交通大臣がそれと同等以上と認めることが条文に書かれています。未経験の人は、実務の経験のかわりに登録講習などの方法があるとされるため、細かな条件は都道府県の案内で確認してください。つまり未経験で免許を取る道はあっても、資格の側で「実務」に当たる部分を埋める手間は別にかかります。

三つ目は、免許を受ける会社自身とその役員に欠格事由(免許を受けられない事情)がないことです。会社を作る前に、役員になる全員が自分の経歴を点検しておくと、設立のあとで慌てずに済みます。くわしく順に確かめたい人は、次の記事で未経験の人がつまずきやすい点を取り上げています。

不動産会社の作り方|宅建業の免許を取る前に会社で決めること

過去の体験談では「未経験でも開業できた」という話と「やめておけばよかった」という話が並びますが、どちらも前提(資金・人脈・扱う取引の種類)が語られていないことが多いものです。体験談は結論ではなく、前提を比べる材料として読むのが安全です。未経験の人にとっての不動産会社の作り方は、他人の成功談をなぞることではなく、自分の前提を書き出すことから始まります。

03宅建業の免許は、事務所をどこに置くかで窓口と有効期間が決まる

会社を作る設立の準備と並行して、いつ免許の申請に進むのかを逆算しましょう。免許の窓口は、事務所を二以上の都道府県に置くのか、一つの都道府県だけに置くのかで分かれます。前者は国土交通大臣、後者は事務所のある都道府県の知事です。「どこで物件を扱うか」ではなく、「事務所をどこに置くか」で決まる点に注意してください。

事務所の置き方で免許の窓口が決まる。二以上の都道府県か一つか
事務所の置き方で免許の窓口が決まる

前項の免許の有効期間は、五年とする。

— 宅地建物取引業法 第3条第2項(e-Gov 法令検索、2026年10月23日確認)

宅建業の免許には有効期間が五年あり、続けるなら更新を受けなければなりません。免許を受けないまま営業したり、営業するという表示や広告をしたりすることは、法律で禁じられています。第12条に違反した場合の罰則も条文に置かれており、無免許のまま「準備のつもりで」看板を掲げるといった行動は避けるのが賢明です。

免許申請の作り方、つまり申請書の書き方や添付書類の一覧は、そのまま写すような形で書き写せる性質のものではなく、窓口の最新の手引きに沿って整える部分です。申請書類の作成や提出の代理は行政書士の業務にあたり、当サイトが代わりに行うものではありません。免許の区分と窓口の考え方は、次の記事で図を使って整理しています。このカテゴリーの作り方の中心となる部分です。

宅建業の免許の入口|宅建士の設置・事務所・営業保証金の名前

04会社の目的・本店・事務所――設立の書類に先に書いておくこと

不動産会社の作り方で見落としやすいのが、免許の申請と登記がつながっている点です。事業の目的は、設立時の定款(会社の基本ルールを書いた文書)に書き、登記簿にも載ります。東京都の免許申請の手引きは、申請の際に履歴事項全部証明書(登記簿の写し)の目的欄に宅建業を営む旨が記載されていることを求める趣旨を示しています。目的に宅建業の記載がないまま設立すると、あとで変更の登記が必要になる場合があります。

設立の書類で免許の準備を先取りする。目的欄と本店と事務所
設立の書類で免許の準備を先取りする

法律・規則で決まっていること

  • 宅建業を営むには免許が必要(宅地建物取引業法 第3条)
  • 会社の目的は登記する事項で、免許の確認資料にも使われる
  • 事務所ごとに専任の宅建士を置く(同法 第31条の3)

好みや戦略で決めること

  • 社名・ロゴ・ホームページの雰囲気
  • 本店を自宅にするか、借りた部屋にするか
  • 最初に扱う取引(売買・賃貸など)の順番
  • 設立の日をいつにするか

本店の住所には、もうひとつ注意があります。登記に使える住所と、免許上の「事務所」として認められる場所は同じとは限りません。事務所は独立性や継続して業務ができる設備などを確認される場所であり、住所の文字列だけでは判断できません。自宅を本店にする場合も、貸主や管理規約、使い方を先に調べておくと安心です。

社名を決める場面では、同じ名前の商標がないかも見ておきます。特許庁の J-PlatPat で検索できますが、「この名前なら大丈夫」とは言い切れないため、検索結果は判断材料のひとつとして使ってください。

05専任の宅建士と、役員の欠格事由――人の部品を先にそろえる

設立の手続きに入る前、会社の外でそろえておく部品が「人」です。宅建業者は、事務所ごとに、成年者である専任の宅建士を置かなければなりません。必要な人数は国土交通省令で定められていて、事務所で業務に従事する人の数に対する宅建士の割合が五分の一以上になる数です。少人数なら一人で足りることが多いものの、従業員が増えればその分を増やす必要があります。

事務所ごとに専任の宅建士を置く。役員の欠格事由も点検
事務所ごとに専任の宅建士を置く

成年者である専任の宅地建物取引士(宅地建物取引士証の交付を受けた者)を置くこと。

— 国土交通省 近畿地方整備局「宅地建物取引業の範囲・免許権者・免許の要件等」(2026年10月23日確認)

社長自身が宅建士で、主に自分が業務に従事する事務所なら、その人が専任の宅建士とみなされる規定もあります。ただし、「専任」とは名前だけ貸すのではなく、その事務所で勤務の実態があることを意味します。ほかの会社で働きながら名義だけ置くといった形は成り立ちません。

欠格事由のほうは、法人の場合、役員や政令で定める使用人のなかに一人でも該当者がいると、会社そのものが免許を受けられなくなります。条文には、破産手続開始の決定を受けて復権していない人、拘禁刑以上の刑を受けて刑の執行を終えてから五年を経過していない人などが並びます。これは仕事に就く人の「経歴の点検」であって、年齢や経験の多さで決まるものではありません。

免許の前に点検する人の部品の良い例と避ける例
図02 免許の前に点検する人の部品

06不動産会社を始めるときのお金――免許と供託の数字は前提をそろえて読む

不動産会社を立ち上げる費用は、設立の費用と免許の費用と事業の運転資金が混ざって語られがちです。費用の内訳は別の専門サイトの担当領域なので、ここでは宅建業に特有の「保証」の仕組みだけを押さえます。法律の仕組みを知っておくだけでも、見積もりの数字を前提ごとに分けて読めるようになります。

営業保証金か保証協会かで金額が変わる。前提を揃えて比較する
営業保証金か保証協会かで金額が変わる

宅建業者は、取引の相手を守るために営業保証金を供託所に供託する決まりです。額は施行令で、主たる事務所について1,000万円、そのほかの事務所は一か所につき500万円と定められています。ただし、宅地建物取引業保証協会の社員になれば、営業保証金を供託する必要がなくなります。その場合は弁済業務保証金分担金を納めます。その額は主たる事務所について60万円、そのほかの事務所は一か所につき30万円です。

法第二十五条第二項に規定する営業保証金の額は、主たる事務所につき千万円、その他の事務所につき事務所ごとに五百万円の割合による金額の合計額とする。

協会への入会には別に入会金や年会費がかかる場合があり、その金額は協会ごとに案内が異なります。ネット上で「開業に150万円」「1,000万円」のように違う数字が並ぶのは、保証協会を使うか供託するかなど、前提が違うからです。比較するときは、「何事務所分か」「保証協会に入る前提か」「免許申請の手数料や登録免許税を含むか」の三点を揃えましょう。

金額は制度の改正で変わるため、最終的には申請先の都道府県の手引きで確認してください。

07不動産のフランチャイズは便利か――看板を借りても免許は借りられない

未経験の人が最初に気になるのが、不動産のフランチャイズ(本部の看板やノウハウを使って営業する契約)です。本部の集客や研修の力を借りられる点が魅力ですが、会社の作り方の観点では、免許の扱いを切り離して考える必要があります。条文が免許を求めているのは、宅地建物取引業を営もうとする者です。本部と加盟契約を結んでいても、実際に取引を営む加盟側の会社が免許を受ける必要があります。

看板と免許は別の話。加盟してもその会社が免許を受ける
看板と免許は別の話

加盟のときに確かめたいことは、法律の話ではなく契約の中身です。加盟金や月々の費用、解約の条件、扱える地域や取引の種類、免許の申請に本部がどこまで関わるのか。これらは法律で決まっていないので、契約書の内容がすべてです。契約書を受け取ったら、専門家に読んでもらうなど、署名の前に別の目で見ることをおすすめします。

確認すること 法律で決まるか 確かめる先
無免許での営業・広告 決まっている(宅建業法 第12条) 国土交通省・都道府県の案内
専任の宅建士の設置 決まっている(同法 第31条の3) 免許申請の手引き
加盟金・手数料・解約の条件 決まっていない(契約で決める) 本部の契約書と専門家の意見
扱える取引や地域 決まっていない(契約で決める) 本部の契約書

「本部が全部やってくれるから免許は不要」という説明があったら、いったん立ち止まって、実際に誰が免許を受けるのかを窓口に確かめてください。

08不動産屋の開業で失敗と呼ばれるもの――数字や体験談の読み方

「不動産屋 開業 失敗」という検索語があるのは、資金や集客で苦労した話を知りたい人が多いからでしょう。ここで具体的な割合や金額を並べることはしません。出所の確かな統計を、原文で確かめられていないからです。数字のない記事は物足りなく感じるかもしれませんが、出所の分からない数字を載せるより、読み方を示すほうが役に立ちます。

失敗談は前提を確かめて読む。数字の出どころを見る
失敗談は前提を確かめて読む

失敗談を読むときの手がかりは三つあります。一つ目は、語り手が免許の区分(大臣か知事か)や、扱う取引(売買か賃貸か)を明らかにしているかどうか。二つ目は、語られている資金が営業保証金を供託した場合のものか、保証協会に入った場合のものか。三つ目は、書かれた時期が制度の改正の前か後かです。条件が違う話をそのまま自分に当てはめると、判断を誤ります。

免許を受けたあとにも手続きがあります。新規に免許を受けたあとの流れは、都道府県の手引きに「新規免許を受けた後の手続」としてまとめられています。営業保証金を供託して届け出ること(この届出の後でないと営業を開始できない、と手引きにあります)や、標識の掲示など、会社を作った直後に気が回りにくい作業が並びます。設立から営業開始までの期間に、運転資金が尽きないようにしておくことも大切です。

09まとめ――不動産会社の作り方は、仕事・人・場所・保証の順に確かめる

不動産会社の作り方を一枚の地図にすると、確かめる順番は次のとおりです。最初に、自分の仕事が宅建業に当たるかを条文の定義で確かめます。次に、専任の宅建士と役員の欠格事由という「人」を確かめ、続いて本店と事務所という「場所」を決めます。そのうえで会社を作る設立の書類に目的を書き込み、最後に営業保証金か保証協会かという「保証」を選びます。

仕事・人・場所・保証の順に確かめる。手続きは窓口の最新の案内で
仕事・人・場所・保証の順に確かめる

免許申請のオンライン化は国土交通省が案内を出していますが、どの窓口でどの方法が使えるかは時期と地域で変わります。最新の案内は、申請先の都道府県か国土交通省のページで確認してください。この記事の内容は2026年10月23日時点で、条文と公式の案内を確かめたものです。

会社を作る人の行き先は、不動産だけではありません。許認可が要る別の仕事も、同じ考え方で入口を確かめられます。建設・運送・警備のカテゴリーも並べておきますので、事業の選択肢を比べる材料にしてください。

建設会社の作り方|建設業許可の入口を見る

運送会社の作り方|許可と届出の入口を見る

警備会社の作り方|公安委員会の認定の入口を見る

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不動産会社の作り方は、一度に全部を決めようとすると息切れします。まず自分の仕事を一行で書き、専任の宅建士になる人を決めるところから始めてください。免許の細かな要件は窓口が最新の手引きで案内しています。迷ったら、書類を作る前に所管の窓口へ相談に行きましょう。

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