品番 A-01 / 会社 作り方 簡単
会社の作り方は本当に簡単?会社を作る設立の「簡単」と「難しい」を部品ごとに点検する

この記事を読んでほしい人
「会社の作り方は簡単」という言葉を見かけて、実際はどうなのかを知りたい人に向けた記事です。これから会社を作ることを考えはじめた人が、どこが簡単で、どこで手が止まりやすいのかを、全体の地図として眺められるように書きました。
- 会社の種類
- 定款
- 設立の登記
- 設立後の義務
- 資本金
01「簡単」と言われる会社の作り方は、どの部分が簡単なのか
会社を作るのは簡単だ、という説明はよく目にします。たしかに、いまは書類の作成を助けるサービスがあり、申請もインターネットでできるため、以前に比べて手続きそのものの手間は減りました。ただ、「簡単」という言葉が指している範囲は、記事によってかなり違います。この記事では、会社の作り方を三つの場面に分けて、簡単な部分と難しい部分を見分けていきます。

三つの場面とは、決める・申請する・続けるです。決めるのは、会社の名前、事業の目的、本店の所在地、役員、資本金といった中身の部品です。申請するのは、会社の基本ルールである定款(ていかん)を整え、設立の登記を出すことです。続けるのは、会社が成立したあとの帳簿づけや届出、更新の手続きにあたります。
会社は、法律の上で一人の人のように扱われる存在です。会社法は第3条で、会社は法人とすると定めています。法人とは、権利や義務の主体になれるもののことで、個人とは別に契約を結び、財産を持ち、責任を負います。この「もう一人」をつくるのが、会社を作るということです。
会社は、法人とする。
— 会社法 第3条(e-Gov 法令検索、2026年10月23日確認)

このあと、メリットとデメリット、何から始めるか、自分でどこまでできるか、誰でも作れるのか、そして「1円」「無料」「とりあえず」という言葉の前提を、順に見ていきます。会社の設立で迷いやすい点を、部品ごとに点検するつもりで読み進めてください。
02会社を作るメリット:個人との違いが出る部分を知っておく
会社を作るメリットとして挙がるのは、たいてい、信用、責任の範囲、お金の持ち主の三つです。それぞれ、個人で仕事をしているときとどう変わるのかを見ておくと、会社の作り方を考える目的がはっきりします。

ひとつめは契約と財産です。会社を作ると、契約の相手も、財産の持ち主も、個人ではなく会社になります。二つめは責任の範囲です。J-Net21(中小機構)は、株式会社の出資者について、出資した金額を超えて損失を負うことがないという考え方を説明しています。ただし、これは出資者としての立場の話で、経営者として負う責任とは別に考える必要があります。
出資者は間接有限責任であり、出資金額を超えて損失を負うことがありません。
三つめは信用です。J-Net21は、個人事業と法人を比べる案内の中で、社会的信用は法人のほうが優れていると説明しています。これは一般的な傾向であって、個別の取引で必ずそうなるという保証ではありません。信用は、登記されていること、会社名で契約できること、継続して運営していることなどが重なって生まれていきます。
メリットは、あくまで「個人との違い」から生まれます。会社を作れば何でも有利になるわけではなく、違いが生む手間も同時に増えます。個人との違いを部品ごとに比べた記事で、契約・財産・責任・お金の持ち主の違いをくわしく見られます。
会社を作ると何が変わる?個人で動くときとの違い
03会社を作るデメリット:設立のあとに増える手間と決まりごと
デメリットとしてまず意識したいのは、会社には成立したあとにも続ける作業が増えることです。簡単に会社を作ったつもりが、その後の管理に追われて想定外の負担を感じる、という話は珍しくありません。何が増えるのかを、設立の前に把握しておけば、準備の仕方が変わります。

会社法は、株式会社が適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならないと定めています。会計帳簿とは、お金の出入りや財産の状況を記録する帳簿のことです。個人のお財布の感覚で記録を残すのではなく、会社の取引として整理する必要があります。
株式会社は、法務省令で定めるところにより、適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない。
— 会社法 第432条第1項(e-Gov 法令検索、2026年10月23日確認)
税務署への届出にも期限があります。国税庁は、法人設立の届出について、法人設立の日(設立登記の日)以後2月以内の提出を案内しています。ここで挙げたのは一例で、ほかの届出や、年金・雇用に関する手続きも別々に期限があります。設立後に必要な届出のくわしい内容は、設立後の手続きを専門に扱うサイトの担当です。
| 増えるもの | 内容 | 確かめる先 |
|---|---|---|
| 帳簿 | お金の出入りを会社として記録する | 会社法・税理士 |
| 届出 | 税や社会保険などの手続き | 税務署・年金事務所など |
| 登記の変更 | 役員や本店が変わったときの手続き | 法務局 |
| 費用 | 維持にかかるお金 | 契約先・専門家 |
もう一つ、デメリットとして考えておきたいのは、やめるときの手間です。会社は、作るのと同様に、やめるにも決まった手続きがあります。簡単に作れることと、簡単にやめられることは別の問題です。設立の前に、続ける覚悟と手間の見積もりを持っておくと、後悔が減ります。
04会社の作り方は何から始める?最初に決める部品と順番
何から始めればよいか迷うのは、決める部品がいっぺんに目に入るからです。会社の作り方に正解の一本道はありませんが、関連する条件ごとに順番を考えると、迷いが減ります。まず決めるのは、会社名、事業の目的、本店の所在地です。この三つは、会社の基本ルールである定款に書き込む中身にもなります。

法務省は、株式会社の設立手続(発起設立)の案内で、定款の記載事項に三つの種類があることを説明しています。必ず書かなければならないもの、書かないと効力が生じないもの、書かなくてもよいが書けるものの三つです。何を書くかを決める作業が、設立の準備の中心です。
定款の記載事項には、絶対的記載事項、相対的記載事項及び任意的記載事項の3種類があります
— 法務省「株式会社の設立手続(発起設立)について」(2026年10月23日確認)
- 会社を作る理由と事業を書き出す何をする会社なのか、許可が必要な事業かを確かめる。
- 会社名と本店を決める名前の決まりと、同じ住所での重なりを確認する。
- 事業の目的と役員を決めるいまやることと、近いうちにやることを書く。
- 資本金と出資する人を決めるお金と役割を並べて考える。
ここでは手順の日数や必要書類の一覧には立ち入りません。設立の流れや必要書類は、それぞれを専門に扱うサイトの担当だからです。全体の見取り図として、最初に考える部品と確かめる順番を知りたい人は、次の記事が役に立ちます。会社を作るのに必要なことを、必須・条件つき・用途で選ぶものに分けた記事もあります。
会社の作り方は何から始める?最初に考える6つの部品
会社を作るのに必要なことを点検する
05会社を自分で作る:できる部分と、専門家に頼む部分を分ける
会社の作り方を調べる人の多くが気にするのが、自分で全部できるのか、という点です。結論は、自分でできる部分は確かにありますが、誰に何を任せられるかには法律上の線があります。自分で進めるかどうかは、全体を一つの塊として決めるのではなく、部品ごとに決めるほうが現実的です。

法務局は、登記の申請を自分ですることを検討している人に向けた案内の中で、担当者が申請書を作成することはない、と説明しています。つまり、窓口で書類づくりを手伝ってもらうことはできず、申請書は自分で用意するのが前提です。ここで、手間と時間の見積もりが必要になります。
担当者が申請書を作成することはありません。
— 法務局「登記申請を御自身ですることを検討されている方からよくある質問」(2026年10月23日確認)
また、専門家には職域があります。登記の申請代理は司法書士、許認可の書類作成は行政書士、税務の相談は税理士、商標の出願代理は弁理士の業務です。当サイトは、これらの代理や代行を行いません。自分で進める部分と、専門家に相談したり任せたりする部分を、一覧にして整理すると、頼み方が明確になります。

全部をお任せにする前に、残る作業を確かめることもおすすめです。会社を作る手続きを専門家に頼んでも、会社名や事業の中身を決める作業は残ります。簡単に作れるかどうかは、自分の時間の使い方と、決める力でも変わります。くわしくは、簡単かどうかの線引きを扱った記事で確かめられます。
会社の作り方は簡単か?自分でできる部分と専門家に頼む部分の線引き
06誰でも会社を作れる?年齢・職業・お金の条件を先に確かめる
「誰でも会社を作れる」という言葉は、半分は正しく、半分は注意が要ります。会社を作る人の立場には、出資する人、経営を担う役員、現場で働く人など、いくつかの役割があり、それぞれ確かめる条件が違うからです。自分がどの役割を担うのかを決めてから、条件を確認します。

たとえば、年齢の条件があります。日本司法書士会連合会は、18歳になった高校生の起業を例に、会社を設立すると年齢に関係なく様々な義務を負うと説明しています。年齢や学生という立場だけで、できる・できないを決めるのではなく、本人が担う役割と責任を具体的に確かめます。
会社を設立した場合、年齢に関係なく様々な義務を負います。
日本司法書士会連合会「起業について|成年年齢引下げ」(2026年10月23日確認)
職業による条件もあります。公務員には、国家公務員法や地方公務員法による兼業の制限があり、会社の役員になることや自分で営利企業を営むことに、承認や許可が必要になる場合があります。条文の読み方は、公務員の会社づくりを扱った記事に任せます。ここでは、職業によって確認が必要な人がいる、という点だけ押さえておきます。
法律・規則で決まっていること
- 年齢が成年かどうかで、必要な同意が変わる
- 公務員は、兼業の制限を条文で確かめる
- 取締役になれない事由は会社法に定められている
- 許認可が必要な業種には別の要件がある
好みや戦略で決めること
- 会社でどの役割を担うか
- 誰と会社を作るか
- 事業を始める時期
- どこまで自分で進めるか
条件を一枚の確認表にしておけば、相談の場面でも話が早く進みます。年齢・職業・役割・お金・事業の許認可を、それぞれ「確認済み」「相談中」「未確認」に分けて書き出してみてください。誰でも作れるのかという問いは、自分の条件を確かめた結果として答えが出ます。
誰でも会社を作れる?先に確かめたい年齢・職業・お金の条件
07「1円」と「無料」――安く作れるという言葉の前提を知る
「1円で会社を作れる」と聞くと、ほぼお金をかけずに会社を持てるように思えます。J-Net21は、株式会社と合同会社について、資本金1円、社長1人で設立できる点を共通点として挙げています。ただし、これは資本金の最低額に決まりがないという話で、設立の手続きや事業を続けるための費用が1円で済むという意味ではありません。資本金の決め方は、株式会社の資本金を専門に扱うサイトの担当です。

株式会社と合同会社は、資本金1円、社長1人で設立でき、出資者は出資額までしか責任を負わない点で共通します。
「無料」にも同じ注意が必要です。無料なのは、ロゴ、名刺のデータ、簡素なホームページなど、道具の使用料にあたる部分に限られることが多く、法律で費用が決まっている部品は、無料の道具を探しても無料にはなりません。無料で作れる部品と、費用を見込む部品を分けた記事で、部品ごとの線引きを確かめられます。設立にかかる費用の内訳や金額は、費用を専門に扱うサイトの担当です。
会社の作り方は無料でどこまでできる?無料で作れる部品と、無料にできない部品
注意 「安く作れる」の読み方
安さを示す言葉の前後に、どんな条件が書かれているかを読みます。資本金の額、手続きの費用、事業を続ける費用は別々の話です。数字は制度の改正で変わるため、最新の内容は公式の案内で確かめてください。
08とりあえず会社を作る?先に考えておきたい二つのこと
「とりあえず会社を作っておきたい」という相談は少なくありません。法務省の案内には、会社・法人はそのほとんどが設立の登記をして法人格を取得すると書かれています。登記をすれば会社は成立しますが、成立したあとにも、先に見たように帳簿、届出、登記の変更といった作業が続きます。

会社・法人は、そのほとんどが設立の登記をして法人格を取得します。
— 法務省「登記-商業・法人登記-」(2026年10月23日確認)
とりあえず作る前に考えておきたいのは、二つです。ひとつは、なぜ会社にするのか、という理由です。個人で続けるより会社のほうがよいと言える材料があるか、取引先の求めや事業の広がりなど、具体的に書けるかを確かめます。もうひとつは、続ける手間を引き受けられるか、という点です。事業が動かない時期でも、会社である限り続く作業があります。

個人で動く場合との違いは、前の章で触れたとおり、契約や財産の持ち主が変わることです。会社を作るのは、あくまで手段で、目的ではありません。何をしたいのかが決まってからでも、会社を作る機会は遅くありません。急がずに、部品ごとの点検を済ませてから設立に進むのが、結局は手間の少ない作り方です。
09まとめ:会社の作り方の「簡単」を、部品ごとの点検表にする
会社の作り方は、手続きの一部が簡単になったというのが実態に近いところです。決めることは残り、設立のあとの義務も続きます。簡単かどうかは、会社を部品に分けて、決める・申請する・続けるの三つの場面で見ると、自分の状況に合わせて判断できます。

| 場面 | 比較的進めやすい部分 | 時間がかかりやすい部分 |
|---|---|---|
| 決める | ロゴや名刺など外装の部品 | 会社名・目的・役員・資本金 |
| 申請する | 電子的な申請の入口 | 定款の整え方・書類の確認 |
| 続ける | 記録を習慣にすること | 届出・帳簿・登記の変更 |
メリットと信用は、個人との違いから生まれます。デメリットは、設立後に続く手間として現れます。自分でできる範囲と専門家に頼む範囲を分け、誰でも作れるのかを条件ごとに確かめ、「1円」や「無料」の前提を読み、とりあえず作る前に理由を言葉にしておく。ここまでを一枚にまとめておけば、会社を作る準備はかなり整います。制度は変わるため、2026年10月時点の内容として、最新の情報は公式のページで確かめてください。
全体の地図を手に入れたら、次は個々の部品へ進みます。関係の近いカテゴリーとして、個人が会社を持つときの名義や兼業の話、会社名を決める部品の話があります。気になる部品から順に点検すると、簡単な部分と難しい部分の見分けがつきます。
J-Net21の起業支援のページには、起業の相談窓口をはじめ、準備に役立つ情報がまとまっています。自分だけで抱え込まず、確認が必要な部分は窓口で相談することも、会社の作り方の一部です。
この図面を閉じる前に
簡単に見える会社の作り方も、中身を分けると、決めること、申請すること、続けることの三つが見えてきます。今日のところは、自分の計画を三つの場面に書き出し、どこが空欄なのかを確かめるだけで十分です。空欄がわかれば、次に読む記事や相談する先が決まります。そこから、設立への一歩が現実の予定になります。
この図面は、会社づくりの役に立ちましたか?
ありがとうございます。記録しました。
