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会社の作り方工房図番 KTK ・ はじめての会社の組み立て説明書

品番 C-28 / 会社 作り方 レーベル

レーベルの会社の作り方|歌い手・VTuberの事務所も会社を作る設立の前に権利と活動名を整える

レーベルの会社の作り方|歌い手・VTuberの事務所も会社を作る設立の前に権利と活動名を整える

この記事を読んでほしい人

自分や仲間の音楽を自主レーベルとして出したい人、歌い手やVTuberとして活動していて事務所や会社を作ることを考え始めた人に向けた記事です。契約や権利に詳しくなくても読めるよう、用語は使う前に言い換えています。

この記事で作るものレーベル・歌い手・VTuberの会社を作る前の権利と名前の地図
使う部品

  • レーベル
  • 音源の権利
  • 活動名
  • 商標

01レーベルとは何か――自主レーベルでまず分けておく三つの役割

「レーベルとは」と調べると、音楽を発売するときの名前やブランド、あるいは音源を作って世に出す会社そのものを指す説明が並びます。自主レーベルの作り方を考えるなら、名前の意味よりも、レーベルが担う役割を分けて見るほうが実用的です。大きくは、音楽を制作する、発売・配信する、権利を管理するの三つです。

レーベルは、作る・出す・守るの束。自主レーベルでも役割は同じ
レーベルは、作る・出す・守るの束

一人で曲を作って自分で配信するなら、三つの役割はすべて自分です。仲間と出すなら、誰が制作費を出し、誰が発売の窓口になり、権利を誰が持つのかを決める必要があります。会社を作る設立の準備は、この三つの役割に、会社という名前を与える作業だとも言えます。

レーベルが担う制作・発売配信・権利の管理の三つの役割のカード
図01 レーベルが担う三つの役割

レーベルの作り方で迷ったら、この三枚のカードのうち、自分が今いちばん手薄なものから書き出してください。制作は得意でも権利の管理が空白、という人が多いので、会社を作る設立の前に、権利の欄を先に埋めておくと安心です。

文化庁の契約マニュアルは、謝金、制作費、賞金などが支払われていても、主催者や依頼者が著作者になるわけではない、と説明しています。お金を出した人が自動的に権利を持つわけではないという点は、レーベルを運営する側にとっても、頼まれて曲を作る側にとっても重要です。誰が何の権利を持つかは、契約で決めて書面に残します。

自主レーベルの運営を個人事業主として始める人もいますし、会社を作る設立から始める人もいます。個人で始めるか会社にするかについては、後の見出しで開業届の話とあわせて説明します。

02レーベルを立ち上げるメリットと、先に見ておく音源の権利

「レーベル 立ち上げ メリット」は、よく調べられている言葉です。会社やレーベルの名前で音源を出すメリットは、権利の持ち主を一つの名前にまとめて契約しやすくなる点、配信や発売の手続きの窓口を一本化できる点、活動の信用を積み上げやすい点などです。ただし、メリットは契約と運営を整えたあとに生まれるもので、名前を作っただけでは生まれません。

音源を作った人に、固有の権利がある。曲の権利とは別に考える
音源を作った人に、固有の権利がある

音楽には、権利が重なっています。曲そのものの権利(作詞・作曲)、歌ったり演奏したりした人の権利(実演家の権利)、録音された音源を作った人の権利(レコード製作者の権利)です。後の二つを著作隣接権(ちょさくりんせつけん)といいます。著作権法は、レコード製作者を「レコードに固定されている音を最初に固定した者」と定めています。

レコード製作者は、そのレコードを複製する権利を専有する。

— 著作権法 第96条(e-Gov 法令検索、2026年10月23日確認)

つまり、自分たちで録音した音源は、録音を企画し費用を負担した側がレコード製作者となる整理が基本で、その音源を複製する権利は、その人が専有します。レーベルを会社にする大きな意味の一つは、このレコード製作者の権利の持ち主を、会社にしておけることです。実演家の権利(たとえば第91条の、実演を録音し又は録画する権利)は、歌った本人に残る点も、あわせて確認しておきましょう。

法律・規則で決まっていること

  • 曲・実演・音源の権利は、それぞれ別に発生する
  • 著作者人格権は、譲渡できない
  • 録音した人(製作者)に、音源の複製の権利がある

好みや戦略で決めること

  • レーベルをどんな名前にするか
  • 誰が製作者になるか(個人か会社か)
  • メンバー間の分配の割合
  • 発売の範囲と時期

原盤の権利をめぐる契約や、制作を依頼したときの権利の分け方、レーベルの作り方の全体の流れは、個別の記事にまとめました。

音楽レーベルの作り方|会社にするときの事業目的と権利の整理を読む

03CDや配信にする前に、楽曲の管理がどうなっているかを確かめる

カバー曲を発売したいとき、他人の曲を収録するときは、曲の権利を管理する人に許諾を得ます。日本音楽著作権協会(JASRAC)は、録音物や映像ソフトなどを製作するときの手続きを案内しています。市販の音源を使う場合は、別途、著作隣接権(音源製作者やアーティストの権利)の許諾を得る必要がある、という点も明記しています。

既存の曲を使うなら、管理団体を確かめる。権利者に直接か、団体経由か
既存の曲を使うなら、管理団体を確かめる

別途著作隣接権(音源製作者やアーティストの権利)の許諾を得る必要があります。

ここでも、曲と音源は別だという原則が出てきます。同じ曲でも、自分で歌って録音すれば音源の権利は自分たちのものですが、既存の音源を使えば、その音源の権利者の許諾が別に要ります。レーベルを運営する立場では、収録する曲それぞれについて、誰に確認すればよいのかを一覧にしておくと、発売の準備が円滑に進みます。

収録するもの 確かめる権利 確かめる先の例
自作曲を自分で録音 ほぼ自分たちの権利 共作者がいれば全員
他人の曲を自分で録音 曲の権利 管理団体または権利者
他人の音源を使う 曲+音源の権利 管理団体+音源の権利者
サンプル素材 素材の利用規約 配布元

なお、管理団体の対象になっていない曲は、権利者と直接話す必要があります。個人の創作者が団体に預けていないこともあるため、「管理団体の検索で出てこない=自由に使える」とは限りません。確認が取れない曲は、収録しないという判断も大切です。

04配信するときの手続きと、自社で確認すること

音楽配信サービスに作品を出す場合、配信サービス側が管理団体と契約を結んでいることがあります。JASRACは、Apple Musicなどの音楽配信サービスについて、サービスの運営者から許諾契約の手続きと使用料の支払いを受けていると案内しています。この場合、曲の管理団体への手続きは、サービス運営者が行う部分があります。

配信先の手続きと、自社の確認は別。利用する権利が誰のものかを整理
配信先の手続きと、自社の確認は別

だからといって、レーベル側の確認が不要になるわけではありません。自分たちが出す音源の権利を持っているか、収録曲の権利者を把握しているか、参加したアーティストの許可があるか、といった点は、レーベルが自分で確認する事項です。配信の代行業者に任せる場合も、提出する情報が正しいかの責任は、レーベル側に残ります。

配信の前に自社で確かめることと避けたいことの点検表
図02 配信の前に自社で確かめること

点検表の左側が埋まってから配信に進むのが、レーベルの作り方の基本の順番です。配信後に権利の食い違いが分かると、作品の取り下げや収益の保留といった影響が出ることがあります。公開の前に時間を取るほうが、結果的には早く進みます。

他人の権利管理を受ける事業、つまり権利者から権利の管理を預かって使用料を集めるような事業を行う場合は、さらに別の制度の確認が要ります。文化庁は、登録が必要な場合について案内しています。レーベルが自社の音源を出す範囲では通常は関係しませんが、事業の幅を広げるときの確認先として覚えておくと役立ちます。

05歌い手・VTuberの活動名と会社の名前は、別のものとして考える

「歌い手 会社 作り方」「VTuber 事務所 設立 方法」と調べる人は、活動を続けるうちに、個人の名前のままでは契約や管理が難しくなってきた段階にいることが多いでしょう。ここで最初に整理したいのは、活動名(配信や投稿で使う名前)、会社名(登記する正式な名前)、契約の名義(契約書に書く名前)の三つが、別のものだという点です。

活動名・会社名・契約名義は別。名前ごとに決めることが違う
活動名・会社名・契約名義は別

活動名は、ファンにとっての名前で、会社の名前と同じにする必要はありません。会社名は商号として登記され、同じ住所で同じ商号は登記できないなどの会社法の決まりがあります。契約の名義は、活動名で契約するのか、個人の本名で契約するのか、会社で契約するのかによって、責任の所在が変わります。この三つを混ぜずに、書き出して整理してください。

活動名は、商標とも関わります。商標法には、他人の氏名や著名な芸名、筆名などを含む商標は、その他人の承諾を得ているものを除き、登録できないとする定めがあります。つまり、他人の活動名に似た名前を商標として押さえることには制限がありますし、自分の活動名が広く知られている場合は、他人に勝手に登録されないよう守られる面もあります。

他人の肖像若しくは他人の氏名(商標の使用をする商品又は役務の分野において需要者の間に広く認識されている氏名に限る。)若しくは名称若しくは著名な雅号、芸名若しくは筆名若しくはこれらの著名な略称を含む商標(その他人の承諾を得ているものを除く。)

ただし、この規定の当てはまり方は、名前が著名かどうか、どの分野で使うかによって判断が変わります。自分の活動名を守りたいときは、早めに専門家に相談するのが確実です。歌い手・VTuberが会社を作るときの整理を、個別の記事にまとめました。

歌い手・VTuberが会社を作るとき|活動名・商標・事業目的の考え方を読む

06活動名・レーベル名は、J-PlatPatで先に確かめる

レーベルの名前や、VTuber・歌い手の活動名、ロゴは、使い始める前に商標を検索する習慣をつけましょう。特許庁は、商標を検索するページで、特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)の使い方を案内しています。似た商標が、音楽・動画・グッズなどの分野で、すでに他の人に登録されていないかを確かめます。

名前を決める前に、商標を検索する。検索は安全の保証ではない
名前を決める前に、商標を検索する

特許庁のページには、情報の反映までにタイムラグがあることも書かれています。出願されたばかりの商標は、検索に出てこないことがあります。ですから、検索して何も見つからなかったとしても、「この名前なら大丈夫」とは言い切れません。検索は、明らかに危ない名前を早めに外すための作業です。

  1. 候補の名前を、表記を変えて何通りか検索する
  2. 音楽、動画配信、グッズなど、使う分野で絞って確認する
  3. ロゴがあるときは、図形の分類からも検索する
  4. 検索した日と検索語を記録しておく
  5. 気になる結果が出たら、弁理士などの専門家に相談する

商標の出願の代理は弁理士の業務です。当サイトは出願の代行・代理をしません。また、商標登録をしていなくても、名前を使うこと自体が直ちにできなくなるわけではありませんが、他人の権利と衝突した場合の影響は大きくなります。会社を作る設立の準備の段階で、検索の記録を残しておくことをおすすめします。

会社のロゴの作り方(使う場所と商標の確かめ方)へ

07開業届で個人事業主として始めるか、会社を作るか

「自主レーベル 個人事業主」「VTuber 開業届」といった言葉も、よく検索されています。個人事業の開業は、会社と違って登記が要らず、手続きが軽いのが特徴です。J-Net21は、従業員を雇わずに個人事業を始めるときに必要な手続きは3つだと案内しています。まずは個人事業主として活動し、規模が大きくなったら会社を作る設立を考える、という順番も十分にあり得ます。

個人で始めるか、会社を作るか。活動の広がりと契約の相手で決める
個人で始めるか、会社を作るか

一方で、複数のメンバーで権利を共有する、他社から契約を受ける、スタッフを雇うといった場面が増えると、個人名義の限界が見えてきます。名義を個人から会社に切り替えるには、契約の相手方の同意が必要になる場合があるため、早めに会社の名前で契約を結び直しておくと、後が楽になります。個人から会社への切り替えや、税金の比べ方は、別の専門サイトの担当です。

VTuber事務所の作り方としては、所属タレントとの契約をどう結ぶかが中心になります。活動名の利用、キャラクターの絵やモデルの権利、収益の分け方、契約が終わったあとの扱いを、会社を作る設立の準備の段階で文書にしておくと、関係者の安心につながります。歌い手の事務所でも、歌ってみた動画の楽曲や音源の扱いを、同じように整理します。

場面 個人で続けるとき 会社にするとき
契約の名義 個人の名前 会社の名前
権利の持ち主 個人に集中 会社にまとめられる
複数メンバー 個人の契約が増える 会社で一本化しやすい
手続きの軽さ 軽い 登記などが必要

VTuber事務所の立ち上げ費用やレーベルの運営費用についても、この記事では具体的な金額を示しません。必要な機材、スタッフ、広告、契約の整備など、構成は人によって違うため、自分の計画に合わせた見積もりが必要です。数字をどう読むか、何を自分で確かめるかを知るほうが、金額そのものを知るより役に立ちます。

YouTubeなどの動画投稿サービスでの音楽利用については、JASRACが、動画の投稿者は一定の範囲内であれば、管理楽曲を含む動画を手続きなくアップロードできると案内しています。ただし、その範囲や条件はサービスごとに決まっているため、歌い手として活動する人も、事務所を運営する人も、最新の案内を確認してください。

08まとめ:レーベル・歌い手・VTuberの会社の作り方は、権利と名前を分けて設立する

レーベルや歌い手・VTuberの会社を作る流れを、部品表として整理します。まず、制作・発売・権利の三つの役割を分け、曲・実演・音源の権利を別々に把握します。次に、活動名・会社名・契約の名義を分け、商標を検索して記録を残します。最後に、個人のままか会社を作る設立かを、契約の相手と活動の広がりから決めます。

権利・名前・名義を分けて、会社の部品表へ。確かめた順に書き込む
権利・名前・名義を分けて、会社の部品表へ
決めること 法律・規則で決まる 好みで決める
権利 曲・実演・音源は別に発生する 誰が持つか・分配の割合
名前 商標は登録で権利が生まれる 活動名・レーベル名の案
会社 商号と登記のルール 個人か会社かの選び方

契約や権利の解釈に迷う場合は、弁護士などの専門家に相談してください。商標の出願は弁理士の業務、登記の申請は司法書士の業務で、当サイトは代理・代行をしません。この記事の内容は2026年10月時点のものです。制度や運用は変わるため、最新の公式の案内で確認してください。

レーベルの作り方と、歌い手・VTuberの事務所の作り方は、権利の整理という共通の土台の上に成り立っています。ほかの業種の作り方も、あわせて眺めておくと、事業の広がりを考えやすくなります。

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