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飲食店の会社の作り方|開業の流れ・資格・営業許可の入口と、会社を作る前の確かめ方

この記事を読んでほしい人
飲食店を開きたくて、会社にするか個人事業で始めるか、保健所の許可や資格は何が要るのか、順番がまだつかめていない人に向けた記事です。会社を作る準備の途中で、飲食店ならではの確認事項を先に知っておきたい人にも読めます。
- P-01 会社名
- P-03 本店の所在地
- P-02 事業の目的
- P-09 ドメイン・メール
01飲食店の開業の流れ:会社の成立と、店の営業開始は別の手続き
飲食店の会社の作り方を調べるとき、まず押さえたいのは、手続きが二本立てだということです。会社を作るだけでは、飲食店の作り方の半分にしかなりません。一本目は、会社を設立する手続きです。株式会社は、会社法第49条により、本店の所在地で設立の登記をすることで成立します。二本目は、店を営業するための手続きです。食品衛生法にもとづいて、店の所在地を管轄する保健所に営業許可を申請します。

株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する。
会社法 第49条(e-Gov 法令検索、2026年10月23日確認)
会社が成立しても、それだけで店が開けるわけではありません。逆に、営業許可を受けるための設備工事が先に進んでいても、会社の設立が済んでいなければ、会社名義では申請できません。この二つの手続きの順番と日程のずれが、飲食店を会社で始めるときの一番の悩みどころです。会社を作る時期を決める作り方の基準は、店の許可の日程から逆算することです。

この図は、あくまで考え方の目安です。実際には、物件を借りる契約や、保健所への工事前の相談が、会社の設立前後と重なることがあります。『開業の流れ』と検索すると多くのページが出てきますが、公的な窓口の案内が一番正確なので、店の所在地の保健所で確認してください。
個別の作り方、つまり会社の名称と店の名前の分け方、図面の事前相談、衛生管理の準備などは、次の記事に整理しています。
02営業許可の入口:食品衛生法の許可は、都道府県知事(保健所)に申請する
飲食店を開くには、食品衛生法にもとづく営業許可が必要です。第55条は、公衆衛生に与える影響が著しい営業で政令で定めるものを営もうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならないと定めています。許可の窓口は、店の所在地を管轄する保健所です。飲食店の営業許可は、会社の作り方とは別の、店ごとの手続きになります。

前条に規定する営業を営もうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならない。
— 食品衛生法 第55条第1項(e-Gov 法令検索、2026年10月23日確認)
許可には、施設の基準が付いています。第54条は、都道府県が、厚生労働省令で定める基準を参酌して、条例で営業施設の基準を定めると規定しています。つまり、施設の細かい基準は、都道府県や保健所設置市の条例で決まるため、全国で完全に同じではありません。厨房の広さや手洗い設備の数などは、店の所在地の窓口で確かめます。
法人が申請する場合の確認も、法律に出てきます。第55条第2項は、一定の違反で刑に処せられた人などの場合には許可を与えないことができるとしています。その中には、法人であって、その業務を行う役員のうちに該当する者がある場合も含まれます。会社名義で申請するときは、申請者本人だけでなく、役員にも確認が及ぶという点は押さえておいてください。
東京都の案内では、法人の場合は営業許可申請書に記載された法人番号等によって、その法人の存立を確認するとされています。会社の設立登記が済んで、法人番号が決まったあとに、会社名義の申請を出す流れです。こうした確認方法は自治体によって違うため、手引きと窓口の案内を優先してください。
営業許可の申請書類の作成や提出の代理は、行政書士の業務です。当サイトは、書類の作成や申請の代行は行いません。この記事は、許可の有無・窓口・主な要件の名前までの案内です。
03資格の話:飲食店を開くには「食品衛生責任者」が必要になる
「飲食店を開くには資格」が要るのか、という疑問はとても多く寄せられます。結論の一部は、食品衛生責任者を置くことです。東京都北区の案内では、食品衛生法の規定により、食品営業施設の営業者は施設ごとに、自ら食品衛生責任者になるか、従事者のうちから食品衛生責任者を選任しなければならないとされています。

食品衛生責任者になれる人は、自治体の案内で示されています。北区の案内には、栄養士、管理栄養士、調理師、製菓衛生師など一定の資格を持つ人のほか、知事や保健所設置市の市長が実施する講習会、または知事が指定した講習会を修了した人が挙がっています。横浜市の案内でも、市長の指定した講習会の課程を修了した人が示されています。調理の資格を持っていなくても、講習を受ける道が用意されているということです。
| 区分 | 役割 | 確かめる先 |
|---|---|---|
| 営業者 | 営業許可を受ける人(会社が申請するなら会社) | 保健所の営業許可の案内 |
| 食品衛生責任者 | 施設ごとに置く衛生管理の責任者 | 自治体の食品衛生責任者の案内 |
| 調理をする人 | 調理の資格は、責任者になれる資格として挙がる | 保健所に確認 |
| 防火の担当者 | 消防署の案内で必要かどうかを確認 | 消防署に確認 |
講習会の日程や、受講の申し込み方法は、自治体ごとに異なります。北区の案内では、食品衛生責任者を変更したときは、新しい責任者の資格を証明するものを持って、保健所に変更届を出すとされています。会社を作る側として責任者を決めるときは、退職や異動で替わる場合の手続きまで頭に入れておいてください。
資格の種類、受講の手続き、許可の申請との順番は、別の記事で整理しています。
飲食店の営業許可の入口|食品衛生責任者と施設の基準の名前
04保健所のほかに確かめる窓口:消防署と、お酒を夜遅くまで出す場合の警察署
営業許可は保健所の手続きですが、飲食店ではほかの窓口も関わります。ひとつは消防署です。東京消防庁の案内では、飲食や物品販売などの店舗を新たに開業する場合、消防署にも届出が必要な書類があるとされ、最初に提出するのは防火対象物工事等計画届出書だと紹介されています。内装工事を始める前に、消防署への相談も済ませておくと安心です。

もうひとつは、お酒を出す店の場合の警察署です。風営法の第33条は、酒類提供飲食店営業を深夜において営もうとする者は、営業所ごとに、その営業所の所在地を管轄する公安委員会に届出書を提出しなければならないと定めています。『深夜』にあたる時間帯や、届出に添える書類は、条文と警察署の案内で確かめてください。
酒類提供飲食店営業を深夜において営もうとする者は、営業所ごとに、当該営業所の所在地を管轄する公安委員会に、
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律 第33条第1項(e-Gov 法令検索、2026年10月23日確認)

接客の仕方や店の営業の内容によっては、届出ではなく許可が必要な営業区分になる場合があります。自分の店がどれにあたるかは、営業の中身を具体的に書き出して、警察署の生活安全の窓口に相談するのが確実です。インターネットの解説は、届出と許可を混ぜて書いているものもあるので、注意してください。
これらは、いずれも店の所在地によって窓口も書式も違います。物件を決める前に、店の所在地を管轄する窓口を確認しておくと、あとから想定外の条件が出る心配を減らせます。
05飲食店を法人化するデメリット:増える手間と、避けられない決まり
「飲食店 法人化 デメリット」と調べる人の多くは、個人事業で始めるか、最初から会社を作るかで迷っています。会社を作る作り方を選ぶ前に、増える手間を知っておくのは大切なことです。ここでは、判断そのものは別の専門サイトの担当として、会社にすると増える決まりごとに絞って整理します。個人事業から法人への切り替えの損得は、税理士など専門家の領域です。

まず挙げられるのは、社会保険です。厚生年金保険法の第6条は、法人の事業所であって、常時従業員を使用するものを適用事業所とすると定めています。個人事業の場合は、同じ条の第1項第1号に挙がる業種で常時5人以上を使う事業所が対象で、それ以外の事業所は、同条第3項により厚生労働大臣の認可を受けて適用事業所になる扱いです。自分の店がどちらにあたるかは年金事務所で確認できます。法人は、第2号により、従業員を常時使っていれば対象になります。保険料の負担が最初から生じる点は、資金計画に入れておく必要があります。
国、地方公共団体又は法人の事業所又は事務所であつて、常時従業員を使用するもの
— 厚生年金保険法 第6条第1項第2号(e-Gov 法令検索、2026年10月23日確認)
- 設立の登記など、会社を作る手続きに手間と時間がかかる
- 会社のお金と個人のお金を分け、帳簿もそれぞれ別につける
- 決算や税務の手続きを毎年行う必要がある
- 社会保険の手続きが会社の義務になる
- 会社をやめるときにも、解散の手続きがいる
中小企業基盤整備機構のJ-Net21は、個人事業と法人のどちらがよいかについて、社会的信用は法人のほうが優れていると説明しています。取引先や金融機関との関係では、法人であることが強みになる場面もあります。デメリットだけを見て決めるのではなく、自分の店の規模や、人を雇う予定、融資の計画に当てはめて比べてください。
営業許可との関係でも、名義の問題があります。会社を作るなら、許可の名義も会社にそろえる作り方が自然です。個人名義で許可を取ってから会社を作ると、営業者の名義が変わるときの扱いが、保健所によって異なる場合があります。会社で始めると決めているなら、設立のスケジュールと許可申請の時期を、先に保健所へ相談してください。会社を作る日が決まってから許可の準備を始めるのでは、遅くなります。
06「やめたほうがいい」「失敗した」と言われる理由の読み方
「飲食店開業 やめたほうがいい」「飲食店開業 失敗」という検索語は、不安を持つ人が多いことを示しています。体験談はとても参考になりますが、書き手の立場や時期によって、同じ出来事の受け止め方がまったく違います。体験談を読むときは、原因が書かれているかに注目してください。失敗しない作り方の正解を書いたページはなく、自分の店に当てはまる部分だけを拾います。『お客さまが来なかった』では、何が悪かったのか判断できません。

数字を見るときの例を挙げます。日本政策金融公庫総合研究所の「2025年度新規開業実態調査」の概要では、開業費用の平均値は975万円で、長期的にみて少額化の傾向にあるとされています。ただし、これは業種全体を対象にした調査の平均値で、飲食店だけの数字ではありません。飲食店は内外装や厨房の設備に費用がかかりやすい業種といわれますが、具体的な金額は、見積もりで確かめるのが確実です。
開業費用の平均値は975万円で、長期的にみて少額化の傾向にある
同じ調査の概要では、開業の総合的な満足度について、「かなり満足」が31.8%、「やや満足」が43.1%で、合わせて74.8%が開業に満足していると示されています。うまくいかなかった人の声だけでも、うまくいった人の声だけでも、全体像はつかめません。両方の数字を見て、自分の計画に当てはめるのが基本です。

お金の見積もり、つまり設立費用や開業資金の内訳は、別の専門サイトの担当なので、ここでは触れません。ただ、飲食店は許可を受けるための工事が先に必要になるため、許可が下りるまでの期間も、運転資金の計画に入れておくことが大切です。
07小さい店でも同じこと:衛生管理の計画を作り、記録を残す
「小さい飲食店開業」を考える人は、小規模なら基準もゆるいのではと考えがちです。小さな店の作り方は、広さを小さくする話であって、基準を省く話ではありません。しかし、営業許可の施設基準も、衛生管理の考え方も、小さな店だから省略できるものではありません。厚生労働省の案内では、飲食店営業や喫茶店営業を行う者は、小規模な営業者等に含まれ、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理を求められるとされています。

HACCPとは、食品の安全を守るために、危害が起こり得る工程を洗い出し、管理する方法のことです。小規模な営業者は、業界団体が作成して厚生労働省が内容を確認した手引書を参考にしながら、店の衛生管理の計画を作り、それを従業員に伝え、実施状況を記録し、定期的に見直す流れで取り組みます。
- 危害の要因を知る手引書で、飲食店で何が危ないのかを理解する
- 計画を作るひな形を使って、店の衛生管理計画を用意する
- 周知する決めた内容を働く人に伝える
- 記録する手引書の記録様式で、実施した内容を残す
- 見直す記録を振り返り、必要なら計画を直す
東京都の営業許可の案内では、申請または施設検査のときに衛生管理計画を確認すると示されています。つまり、許可を受ける段階で、計画ができていることが前提です。店の設備や工事のことだけを考えて、計画づくりを営業開始のあとに回すと、検査で慌てることになります。
会社を作って始める飲食店では、役員と従業員、アルバイトまで含めて、衛生管理のルールを共有する体制づくりも仕事になります。誰が計画を管理し、誰が記録をつけるかを、設立の準備と同時期に決めておくと、店の運営が滞りません。
08まとめ:会社の手続きと店の許可を並べ、窓口で確かめてから進める
ここまでを振り返ります。飲食店の会社の作り方は、会社を設立する手続きと、店を営業するための許可の手続きを、別々の二本として並べて考えるところから始まります。許可は食品衛生法にもとづき保健所に、飲食店には食品衛生責任者を置くこと、必要に応じて消防署や警察署の窓口も確かめること。法人化には社会保険などの決まりが増えること。失敗談は原因まで読むこと。小さな店でも衛生管理の計画と記録は必要なこと。以上が骨組みです。

法律・規則で決まっていること
- 会社の設立登記(会社法)
- 営業許可の取得(食品衛生法)
- 食品衛生責任者の選任(自治体の案内)
- 深夜の酒類提供の届出など(風営法)
好みや戦略で決めること
- 店のコンセプトと名前
- 個人事業か会社か
- 物件と内装のデザイン
- メニューと価格
左側は、守らなければならない決まりごとで、右側は、自分の考えで決める部分です。許可の条件に合わない内装を先に作ってしまうと、あとから直すことになります。好みの部分に力を入れる前に、決まりごとの側を窓口で確かめてください。
申請書類の作成や提出の代理は、行政書士の業務です。この記事は、許可の有無、窓口、主な要件の名前までの案内で、申請の代行はしていません。条文や基準は変わることがあり、この記事の内容は2026年10月23日時点の公式の案内にもとづいています。実際に進めるときは、店の所在地の保健所、消防署、警察署の最新の案内で確かめてください。
ほかの業種でも、会社を作ったあとに許認可が必要になるものがあります。業種ごとの入口を並べて見ると、飲食店との違いがよくわかります。
この図面を閉じる前に
飲食店は、会社の手続きと店の許可が並んで進む、段取りの仕事です。順番を一枚の予定表に書き出し、窓口の案内を一つずつ確かめながら進めてください。店の名前や味を考える楽しい作業は、決まりごとの確認を済ませたあとに、思い切りやれば十分間に合います。
この図面は、会社づくりの役に立ちましたか?
ありがとうございます。記録しました。
