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貿易会社の作り方まとめ|個人で始める前に会社を作る設立と許可・承認の入口

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輸入や輸出の仕事を自分の名前で始めたいけれど、個人のままでよいのか、会社を作るべきなのか、許可は要るのかが分からない人に向けた記事です。貿易の経験がまだなくても読めるように、用語は使う前に言い換えています。
- 事業の目的
- 輸入
- 輸出
- 許可と承認
01個人で貿易を始めるか、会社にするか――最初に分かれる道
「貿易 起業 個人」と検索する人の多くは、まず自分ひとりで品物を仕入れて売ることを考えています。貿易の仕事は、輸入した品物を国内で売る、国内の品物を海外へ売る、売り手と買い手の間に入る、といった形があり、どれも資本金の大きさより、何を扱うかで難しさが決まります。個人事業の開業届を出して始める道と、会社を作る設立の道は、どちらも選べます。

弥生株式会社の解説は、貿易業は法人を設立して登記を行うだけで開始でき、原則として営業許可や免許は要らないが、取り扱う品目によっては別に手続きが要ると整理しています。この「原則として要らない」と「品目によっては要る」の二つを同時に頭に置くことが、貿易会社の作り方の出発点です。
個人のままか会社にするかは、取引先から求められる信用、責任の範囲、税金のかかり方などで考えます。ここでは深入りせず、個人事業から会社への切り替えの話は別の専門サイトの担当であることだけ記しておきます。このカテゴリーでは、どちらを選んでも必ずぶつかる「何を、どこから、どこへ」の確かめ方を扱います。

たとえば、最初の一回だけ試しに輸入してみたい人と、継続して仕入れ先を持ちたい人とでは、向く形が違います。試しの取引なら個人のまま、継続して取引先を増やすなら会社、という分け方もありますが、これも品目と相手先の求めによります。迷うときは、取引先や仕入れ先に「個人名義でも取引できるか」を最初に尋ねてみるのが、実際的な確かめ方です。貿易会社の作り方は、書類よりも先に、相手の条件を知るところから始まります。
表の最後の行が示すとおり、どちらの道でも考える順番は同じです。先に品目を決めると、許可や承認が必要かどうかが見えてきます。名義を後から変えるのは手間がかかるので、最初に「この品物なら会社で扱う」と決めておくと、設立の時期も逆算できます。
02会社を作る前に書く「事業の目的」――貿易らしさを定款に写す
会社を作る設立の手続きでは、定款(会社の基本ルールを書いた文書)を作ります。会社法第27条は、株式会社の定款に書く事項のひとつとして「目的」を挙げています。貿易会社であれば、「商品の輸出入及び販売」「前号に付帯する一切の業務」のように、何をする会社なのかをここに書くことになります。

株式会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。
会社法 第27条(e-Gov 法令検索、2026年10月23日確認)
目的の書き方は、狭すぎても広すぎても困ります。輸入だけを書いて始めたのに輸出も手がけたくなれば、あとで目的を直す手続きが必要です。逆に、やる予定のない事業をずらりと並べると、取引先や銀行に何の会社なのか伝わりにくくなります。扱う品目の大分類、取引の形、将来足しそうな仕事の三つを書き出して、広さを決めるのが、無理のない作り方です。
目的に書くことと、許可を受けていることは別です。「食品の輸入」と書けば食品を輸入できる、というものではありません。逆に、書いていない事業は、会社の目的の範囲を超えることになります。書き方の具体例と、輸出入の入口の確かめ方は、個別の記事にまとめました。
なお、貿易とあわせて「通関」(輸出入の申告の手続き)を自社で手がけたいと考える人もいます。他人の依頼を受けて通関の手続きを業として行うには、通関業法による財務大臣の許可が別に要ります。自社の荷物の申告と、他人の荷物を預かる通関業とは別のものなので、事業の目的に書く前に区別しておきましょう。
ひとこと 目的と同じくらい大事な、会社名の見せ方
取引先は海外にもいます。英文の社名や住所をどう見せるかは、設立の前に一度考えておくと、名刺や契約書の作り直しを減らせます。
03設立登記と、貿易の許可は別の手続き――法律で決まる部分と好みの部分
ここまでの話を、ルールとして決まっていることと、自分で選べることに分けて整理します。会社を作る設立は法務局への登記で完了しますが、そこで認められるのは「会社という法人が生まれること」であって、特定の品物を輸出入してよいという保証ではありません。

法律・規則で決まっていること
- 会社の設立は、定款の作成と設立登記で成り立つ
- 品目によって、輸出入に許可・承認・届出が要ることがある
- 外為法・関税法など、貿易に関わる法令に従う
- 輸出入の事実は、税関で確認される
好みや戦略で決めること
- 扱う品目を何にするか
- 輸入販売・輸出・仲介のどれから始めるか
- 会社名や英文表記をどうするか
- 取引先を国内で探すか、海外から探すか
J-Net21は、事業には誰にでも許可なく始められるものと、開業前に必ず資格や許可を必要とするものがある、と整理しています。貿易業は前者に近い入口を持ちながら、品目によって後者になる、少し変わった業種です。貿易を始める前に、取り扱う品目を税関と所管官庁の情報で確かめる習慣をつけると、後戻りが少なくなります。

この順番は、設立後に事業を始める場合にも同じです。会社ができてから品目を変えると、許可の取り直しや目的の変更が重なります。設立の前に半日かけて品目を確かめることは、会社を作る作業の中で、最も費用対効果の高い準備のひとつです。
矢印の途中で「確認」を挟むのが要点です。確認の結果、許可が必要と分かれば、取得の時期まで含めて設立の計画を立てます。許可の要否が分からないまま設立の日を先に決めてしまうと、事業の開始がずれ込むことがあります。
04輸入で先に見るのは、税関の「他法令」の一覧
輸入の入口で最初に開きたいのは、税関のカスタムスアンサーです。税関は、輸入する貨物について、関税関係の法令以外にも、それぞれの国内法令によって輸入の規制が行われている場合があると案内しています。つまり、関税を払えば誰でも何でも輸入できるわけではなく、品目ごとに所管の役所が別にあります。

これらの貨物については、それぞれの国内法令によって輸入の規制が行われています。
— 税関 カスタムスアンサー 1801(税関、2026年10月23日確認)
たとえば食品を輸入して売るなら、厚生労働省の輸入食品の窓口(検疫所)への届出が関わります。薬や化粧品、植物や動物、電気製品などにも、それぞれ別の窓口があります。品名で一覧を引き、該当する法令の名前を控えておくと、取引先との契約書に「輸入できなかったときの扱い」を書くときにも使えます。
- 仕入れる品物の正式な名称と材質を、仕入れ先の資料で確かめる
- 税関の一覧で、関係しそうな法令の名前を拾う
- 所管の官庁に、輸入の前提条件を問い合わせる
- 輸入できなかった場合の費用の負担を、契約で決めておく
食品、お酒、中古品などは、輸入と、その後の販売で窓口が別になることもあります。輸入が通っても国内で売るための許可が別に必要になる品目があるため、入口を二段に分けて確かめるのが、手堅い作り方です。
05輸出で最初に知る法律は、外為法の許可の仕組み
輸出の側で最初に出てくる法律が、外国為替及び外国貿易法、通称外為法です。国際的な平和と安全を保つために、特定の品物を特定の地域へ輸出するときは、国の許可が必要になる仕組みを定めています。

国際的な平和及び安全の維持を妨げることとなると認められるものとして政令で定める特定の地域を仕向地とする特定の種類の貨物の輸出をしようとする者は、政令で定めるところにより、経済産業大臣の許可を受けなければならない。
外国為替及び外国貿易法 第48条第1項(e-Gov 法令検索、2026年10月23日確認)
条文は難しく見えますが、要は「何を」「どこへ」の組み合わせで、許可が必要になる場合があるということです。第48条は、そのほかの場合も経済産業大臣が許可を義務付けることがあると定めています。輸出するのが日用品だけなら関係しないことが多い一方、機械、電子部品、精密機器、素材などは、性能や仕様を確かめる必要が出ます。
また、外為法は貨物の輸出だけでなく、技術の提供についても許可の仕組みを持っています。図面やプログラムを海外の相手へ渡す仕事は、貨物を運ばなくても確認の対象になることがあります。貿易会社の事業の目的に「技術の提供」を入れる予定があるなら、早めに確認が必要です。
輸出の許可の考え方は、品目ごとに調べる必要があります。仕組みの全体像と、メーカーの資料の読み方は、個別の記事でまとめました。
06品目で変わる許可と承認――まず近畿経済産業局の案内を読む
経済産業省の地方組織である近畿経済産業局は、安全保障貿易管理の案内ページで、外為法などに基づき経済産業大臣の許可が必要になる輸出や役務(サービス)の提供について説明しています。全国の事業者向けの考え方は共通なので、地元の経産局の案内を読んでおくと、自分のケースに近い説明が見つかります。

外為法等に基づき、経済産業大臣の許可を受けることが必要になります。
— 近畿経済産業局 安全保障貿易管理(経済産業省、2026年10月23日確認)
ここで押さえたいのは、確認の対象が「品物の名前」だけではないことです。同じ名前の製品でも、性能の数値や仕様、納める相手、使い道で扱いが変わります。確認の方法として、リストの規制に当たるかを調べる該非判定(がいひはんてい)と、リストに当たらなくても相手や用途を確かめる考え方があります。

輸出者には、メーカーの資料を鵜呑みにせず、自分の責任で今回の製品と照らし合わせる姿勢が求められます。仕入れた製品を輸出する場合も、メーカーが出している該非の資料を取り寄せ、型番と仕様が一致しているかを確かめるところから、貿易会社の作り方が現実になってきます。
輸入にも、輸入割当や承認という制度があります。水産物などは、割当を取ったうえで承認を受けて初めて輸入できます。品物ごとに窓口と書類の名前が違うので、まとめて覚えるより、扱う品目を決めてから調べるほうが近道です。詳細は次の記事にまとめました。
貿易会社が扱う品目で変わる許可と承認|外為法・安全保障貿易管理の入口を読む
07「貿易 儲かる」「個人貿易商 年収」の数字は、条件を確かめて読む
検索結果には「貿易会社 儲かる」「個人貿易商 年収」といった言葉も並びます。この記事では、収入の金額や割合を示すことはしません。貿易は、扱う品目、仕入れの方法、為替の動き、輸送の費用、取引先の数などで結果が大きく変わり、一つの数字を一般論として語れる仕事ではないからです。

体験談や数字を見るときは、確かめる順番を決めておくと冷静に読めます。まず、売上なのか利益なのか。次に、どの品目で、どの期間の話か。さらに、本人の仕入れ先や顧客が最初からあったのか、ゼロから探したのか。為替の影響を受けた年なのか。ここまで書いていない数字は、自分の計画の根拠にはなりません。
- 売上なのか、経費を引いた後の利益なのかを確かめる
- どの品目・どの国との取引かを確かめる
- 期間と年を確かめる(為替や運賃は年で変わる)
- 仕入れ先・販売先を誰が用意したかを確かめる
- 個人の話か、会社の話かを確かめる
J-Net21は、個人事業と法人のどちらがよいかを比べる中で、社会的信用は法人の方が優れていると整理しています。取引先から信用を求められやすい貿易の分野では、会社を作る意味が出てくる場面もあります。ただし、会社にしたから利益が増えるわけではありません。自分の計画の数字は、仕入れ価格、運賃、関税などの見積もりから、自分で作り直すことが大切です。
金額や所得の目安は、条件が違えば当てはまりません。税金の計算や融資の相談は、税理士や金融機関の窓口で、自分の数字を見せて確かめてください。
08まとめ:貿易会社の作り方は、品目から逆算して設立の日を決める
貿易会社を作る流れを、部品表として並べ直します。個人で始めるか会社にするかを決め、扱う品目を決め、輸入か輸出かを分けて確かめ、事業の目的に書き、設立登記へ進みます。登記そのものは貿易以外の会社と変わりませんが、その手前の確認が、貿易の会社の作り方の中心です。

| 確かめること | 調べる先 | このサイトの記事 |
|---|---|---|
| 事業の目的の書き方 | 会社法・定款 | 貿易会社の作り方 |
| 輸入する品目の規制 | 税関・厚生労働省など | 貿易会社の作り方 |
| 輸出の許可・承認 | 経済産業省・各経産局 | 許可と承認 |
確かめた結果、許可が必要と分かった品目は、設立の時期と申請の時期を一緒に計画します。申請の書類づくりは、許認可を扱う行政書士の仕事です。迷ったら、所管の官庁の窓口か専門家に、品目と取引の形を具体的に伝えて相談してください。この記事の内容は2026年10月時点のもので、制度は変わります。
最後に、設立の前後で見直す点を挙げます。定款の目的は、輸出と輸入の両方を行うのか、仲介だけなのかで書き分けます。名刺や契約書に載せる英文の社名と住所は、先に決めておくと取引先とのやり取りが滑らかです。そして扱う品目が増えるたびに、このページの流れ図に戻って確認し直します。一度きりの調べものにせず、品目が変わるたびに繰り返す習慣にしておくと、許可の見落としを防げます。
ほかの業種の入口も知っておくと、事業の幅を考えやすくなります。物の売買や運送、建物に関わる仕事は、貿易とは別の許可の仕組みを持っています。
この図面を閉じる前に
扱いたい品物を一つ決めて、税関の一覧と、輸出なら経済産業省の案内を開いてみてください。許可が必要かどうかが見えてから、会社の目的の書き方と設立の日を決めても遅くありません。
この図面は、会社づくりの役に立ちましたか?
ありがとうございます。記録しました。
