本文へ移動
会社の作り方工房図番 KTK ・ はじめての会社の組み立て説明書

図番 C-21-140 / 不動産

不動産会社の作り方|宅建業の免許を取る前に会社で決めること

不動産会社の作り方|宅建業の免許を取る前に会社で決めること

この記事を読んでほしい人

不動産会社を作る予定で、会社の設立と宅建業の免許の関係を整理したい方へ。不動産会社の作り方を、仕事・会社の目的・場所・人・営業開始前の準備に分けて考えます。個々の免許要件は、現在の手引きと担当窓口で確認します。

この記事で作るもの不動産会社の仕事と免許の準備をつなぐ部品表
使う部品

  • 仕事内容
  • 目的と事務所
  • 人と免許区分
  • 営業の準備

01「不動産の仕事」を、売る・貸す・仲介するに分ける

不動産会社の作り方を考えるとき、最初に整理したいのは「どのような仕事をする会社か」です。不動産という言葉には、土地や建物を売買する仕事、部屋を貸す仕事、契約を仲介する仕事、物件を管理する仕事などが含まれます。会社を作る際に、これらを一括りにすると必要な確認が見えにくくなります。

何を扱うかだけでなく、取引での立場を決める。自社の取引と他人の取引を分ける
何を扱うかだけでなく、取引での立場を決める

宅地建物取引業は、宅地や建物を自ら売買・交換したり、他人の売買・交換・貸借を代理・媒介したりすることを業として行うものです。媒介は、取引する当事者の間に立って契約の成立を取り持つことで、一般に仲介とも呼ばれます。国土交通省は、この業を営むには免許が必要と案内しています。

ここで大切なのは、会社名に不動産と付くかどうかではなく、実際に行う仕事です。設立した会社が自分で物件を仕入れて売るのか、売りたい人と買いたい人の間に立つのかを分けます。事業として行うかの判断も含め、迷う内容は取引の予定を具体的にして窓口に確認してください。

不動産会社の事業を対象と立場と実態で整理する表
図01 仕事を説明するための分け方

不動産会社の作り方には、店頭での仲介を中心にする方法も、特定の種類の物件を扱う方法もあります。誰にどのようなサービスを提供するかは自社で考える部分ですが、事業の呼び方を工夫しても法令上の対象から外れるわけではありません。

会社を作る前の説明資料には、予定する仕事を一行ずつ並べてみましょう。「不動産に関すること全部」と書くより、売買の当事者になる仕事と、他人の契約に関わる仕事を別の行にすると相談しやすくなります。設立の準備と同時に、この事業の輪郭を整えます。

02自分の物件を貸すことと、他人の物件を管理することを分ける

自社が持つ建物を自ら貸すだけの場合、その貸借行為自体は宅建業の範囲に含まれません。ただし、他人の貸借を仲介する仕事とは違います。不動産会社の作り方を考える際には、「賃貸をする」という一言を、会社が貸主なのか、契約の仲介をするのかに分けて説明してください。

貸主・仲介者・管理を受ける人を区別する。同じ建物でも会社の役割が違う
貸主・仲介者・管理を受ける人を区別する

また、建物を貸すことと、他人から依頼を受けて賃貸住宅を管理することも別です。国土交通省関東地方整備局は、自己所有物件の管理を除く管理戸数が200戸以上の賃貸住宅管理業を営む場合、賃貸住宅管理業登録が義務付けられると案内しています。これは宅建業免許とは別の制度です。

ここでは別の制度があることを押さえるにとどめ、対象となる管理業務や戸数の数え方は所管の案内で確認します。戸数が少なければ不動産に関するすべての規制がなくなる、という意味ではありません。会社を作るときに仲介と管理の両方を予定しているなら、それぞれの実態を伝えます。

設立前の事業計画では、物件を所有する人、借りる人、契約に関わる会社、管理を引き受ける会社を紙の上に書いてみると整理しやすくなります。同じ会社が複数の立場を持つ場合も、誰から何の仕事を受けるのかを明確にしてください。

仕事内容を整理する質問 確認したい違い
会社が所有する物件か 自己の物件と、他人から扱いを依頼された物件
契約の当事者になるか 貸主等になる仕事と、取引を取り持つ仕事
管理を受託するか 物件の所有と、依頼を受けて行う管理
複数の仕事を行うか 一つの免許で全部済むと思い込んでいないか

不動産会社の作り方を調べて見つけた説明が、自社と同じ仕事を前提にしているとは限りません。たとえば物件を保有する会社向けの説明を、仲介事業の会社へそのまま当てはめないようにします。会社を作る目的が違えば、準備の確認項目も変わります。

設立後に仕事を増やす場合にも、この区分を見直します。最初は自社物件を貸すだけだった会社が、他人の物件の仲介を始めるなら、当初の説明のままでよいとは考えないでください。新しい仕事を始める前に、その仕事に必要な制度上の確認を行います。

03会社の目的は、行う仕事が伝わる内容に整える

会社の目的は、その会社がどのような事業を行うかを示すものです。不動産会社の作り方では、日々の仕事内容と、会社の設立に際して定める目的をつなげて考えます。物件の売買、仲介、管理などの計画を整理したうえで、目的の記載を確認しましょう。

事業の内容を、会社の目的にも反映する。曖昧な総称だけで済ませない
事業の内容を、会社の目的にも反映する

東京都の宅建業免許申請の手引では、会社の登記情報の目的欄に宅建業を営む旨を記載するよう案内しています。例として「宅地建物取引業」や「不動産の売買、媒介」が示され、「不動産業」のように曖昧なものは認められないとされています。会社を作るときは、申請する自治体の現在の案内を確認してください。

これは、どの会社も例文をそのままコピーすればよいという意味ではありません。自社が行う仕事に合う内容を検討し、免許申請で必要となる表現を確かめます。設立前に考えていた仕事が途中で変わったら、古い計画だけを基に目的を決めないようにしましょう。

また、会社の目的に宅建業と書いたことだけで、宅建業の免許を取得したことにはなりません。目的の記載は会社の情報を整える準備であり、事務所や人員などの免許要件の確認とは別です。会社の設立手続きが済んだことと、営業を始める条件がそろったことを取り違えないでください。

不動産会社の作り方を相談するときは、目的の候補と、実際に引き受ける仕事の説明を一緒に見せると話が具体的になります。文言だけを見る人と、仕事内容を聞く人が別々の計画を想定していると、後の確認で食い違うおそれがあります。

会社を作るための登記書類の具体的な作成方法は、会社設立の登記を扱う別のテーマです。ここでは、仕事内容が決まる前に大まかな言葉だけで目的を固めず、免許の窓口へ説明できる状態を用意するところまでを押さえておきましょう。

04登記に使える住所と、宅建業の事務所の条件は別に見る

不動産会社の作り方では、会社の住所が決まったから事務所の準備も完了したとは考えないようにします。宅建業の事務所には、継続して業務を行える機能や、事務所としての形態などが求められます。会社の設立に使う所在地と、免許で確認される事務所の条件は同じ話ではありません。

住所を確保するだけで事務所の確認は終わらない。使用できる権利と実際の形態を確かめる
住所を確保するだけで事務所の確認は終わらない

東京都の免許申請案内から参照できる手引では、事務所の独立した形態や、事務所として使用する権原が必要と説明されています。権原とは、借りる契約などによって、その場所を使うことができる根拠です。住所の利用だけを認めるサービスを、実際の事務所の使用と同じに扱わないでください。

会社を作る費用を抑えるため、自宅の一部や他社と同じ建物を候補にすることもあるでしょう。東京都の手引には、住宅の一部や他法人と同じ場所を使う場合について、原則と、相談が必要な条件の例が示されています。「自宅なら必ず不可」「仕切りがあれば必ず可」と単純化せず、平面図などで個別に確認します。

物件の契約前には、宅建業を営む場所として使いたいことを貸主などへ説明します。建物の使い方について契約上の承諾を得ることと、免許の事務所要件を満たすことは、別々に確認します。設立後に予定の場所で営業できないと分かると、事業計画の見直しが必要になることがあります。

事務所の作り方を検討する際は、出入口、他の用途の部屋との関係、仕事をする場所、来客に対応する場所などを説明できるようにします。細かな設備や写真の提出方法は申請先の手引きによります。別の地域で認められた例だけを根拠に、自社の配置を確定しないでください。

会社を作る時点で支店も予定しているなら、本店だけを確認して終えないようにします。本店で直接取引をしない場合でも、支店の宅建業との関係で事務所として扱われることがあります。設立時に予定する拠点を一覧にして、それぞれで何を行うかを窓口へ伝えましょう。

05宅建士の資格と、その事務所で働く体制を確認する

宅地建物取引士は、必要な資格登録を受け、宅地建物取引士証の交付を受けた人です。不動産適正取引推進機構は、試験合格、資格登録、取引士証の交付という区別を説明しています。不動産会社の作り方では、単に「試験に受かった人がいる」という情報で準備を終えないようにします。

試験合格と会社の免許を分ける。資格の状態と勤務する体制を確かめる
試験合格と会社の免許を分ける

宅建業の免許は事業を営む個人や法人が受けるもので、宅建士の資格は人について確認するものです。代表者が宅建士であっても、設立した会社の免許を取得したことにはなりません。逆に、代表者の肩書だけを見て、必要な人員の配置ができるかを判断するものでもありません。

宅建業者には、事務所等の規模や業務内容に応じて、専任の宅建士を置くことが求められます。専任とは、その事務所の業務を専ら担当する勤務状態のことです。資格証の写しをそろえるだけでなく、その人が実際にどこでどのように働くのかを確認します。

宅建士の資格状態と勤務場所と会社の免許手続きを分ける図
図02 人の準備で分けて見る三つのこと

会社を作る段階で採用する予定なら、入社する時期や現在の勤務先との関係も整理します。他の仕事をしている人の兼務が認められるかなどは、具体的な勤務状況を申請先に伝えて確認してください。専任という言葉を、名前だけ登録しておけばよいという意味に受け取らないようにします。

不動産会社の作り方では、人員の計画が事務所の計画にも関わります。設立直後は少人数でも、拠点を増やすなら各拠点で必要な配置を確認します。退職や異動の予定がある場合も、申請時だけの名簿を作るのではなく、営業を続けられる体制として考えましょう。

06事務所を置く都道府県から、免許の区分を確認する

不動産会社の作り方を調べると、国土交通大臣免許と都道府県知事免許という名称が出てきます。近畿地方整備局は、二つ以上の都道府県に事務所を設置して営む場合は大臣免許、一つの都道府県に事務所を設置して営む場合は知事免許と説明しています。

物件の所在地だけで、免許の区分を決めない。事務所の配置を一覧にして相談する
物件の所在地だけで、免許の区分を決めない

ここで見ているのは、事務所を設置する場所です。取り扱う物件の所在地だけを見て、別の県の物件を一件扱うから大臣免許だと決めるものではありません。会社を作る際には、本店や支店などをどこに置き、どこで宅建業を行うのかを整理してください。

免許の名称を会社の規模や優劣の印として扱わないことも大切です。事業を大きく見せるために自由に選ぶという話ではありません。設立する会社の事務所の配置に合う区分を確認します。将来の出店構想と、今回実際に置く事務所を分けて説明しましょう。

法律・規則で決まっていること

  • 業として行う取引に必要な免許と、事務所・人員等の要件を確かめる
  • 事務所の配置に応じた免許区分や、営業開始前に必要な準備を確認する

好みや戦略で決めること

  • 得意とする物件や、提供したいサービスを考える
  • 相談資料や社内の役割表を分かりやすく工夫する

事務所の作り方や拠点の名称を変えた場合も、名前だけで扱いを判断しないでください。「営業所」と呼ぶのか「相談室」と呼ぶのかより、そこで実際にどのような業務を継続して行うかが重要になります。判断が分かれそうな場所は、契約や人員配置を固める前に相談します。

設立後に他の都道府県へ事務所を増やす場合は、免許の区分が変わる可能性も考えます。会社を作るときの区分が、その後どのような拠点配置になっても変わらないわけではありません。事業の変更に合わせて、所管の手続きも見直しましょう。

07取引相手を保護する仕組みも、営業前の準備に入れる

不動産会社の作り方では、会社の設立に使うお金だけでなく、宅建業を始めるための取引相手の保護の仕組みも確認します。営業保証金は、宅建業の取引で生じる債務の弁済を一定の範囲で担保するためのものです。会社の資本金や、事務所を借りる際の保証金とは役割が違います。

営業保証金を、会社の資本金と混同しない。保証協会の制度を使う場合も確認が必要
営業保証金を、会社の資本金と混同しない

東京都の手引では、新規免許を受けた後、営業保証金を供託し、所定の届出をしてから営業を開始することが示されています。供託は、法令に基づいて金銭などを国の供託所へ預ける手続きです。免許に関する通知を受けたから、その日のうちに必要な準備がすべて済むと考えないようにします。

一方、宅地建物取引業保証協会へ加入し、必要な分担金を納める制度もあります。この場合には、自ら営業保証金を供託する必要がなくなると案内されています。会社を作る人は、供託する方法と保証協会の制度を利用する方法を、二重に必ず行う準備だと思い込まないでください。

保証協会に加入する場合も、入会の審査や費用などの確認が必要です。分担金の額だけを見て、加入に関する支出がすべてその金額に収まるとは考えないようにします。設立前に利用したい制度を検討するなら、各協会と免許の担当窓口へ、営業開始までに必要な事項を確かめます。

不動産会社の作り方を資金の面から考えるときも、免許のための準備と、会社の日々の運転に使うお金を分けて把握します。この記事では金額の一覧や資金調達の比較は扱いません。営業開始前の仕組みがあることを知り、自社の計画から抜け落ちないようにすることが目的です。

会社を作る日と最初の取引を始める日が決まっていても、必要な手続きが間に合うと自己判断しないでください。確認が済んでいない項目を残したまま、営業開始できる前提で外部へ案内することを避けます。

08まとめ:仕事・目的・場所・人をそろえ、現行の窓口で確認する

不動産会社の作り方は、免許申請書を先に埋めることから考えるより、どの仕事を行うかを具体化すると整理しやすくなります。会社を作るための目的や所在地を決めるときも、宅建業の事務所や人員の条件と照らし合わせて検討してください。

会社の準備と、営業できる条件を照らし合わせる。古い案内だけで申請先を決めない
会社の準備と、営業できる条件を照らし合わせる

国土交通省関東地方整備局は、申請の際に現行の手引きを確認するよう案内しています。大臣免許については、オンライン申請や提出先の変更も案内されています。昔保存した書式や体験談だけで進めず、申請する時点の窓口と様式を確認しましょう。

設立や許認可に関する書類の作成を専門家へ依頼するときも、何の手続きを頼むかを明確にします。許認可申請書類の作成や代理は内容に応じて行政書士などへ相談します。当サイトが免許申請を代行するものではありません。不動産会社の作り方で整理した仕事・場所・人の情報を、相談の資料として役立ててください。

飲食店で営業許可と人の資格を分けて考える例を見る

会社を作るために整える部品を確認する

この図面を閉じる前に

予定する不動産の仕事を、自社が当事者になる取引、仲介する取引、管理する仕事に分けてみましょう。会社の目的と事務所の候補、働く人の計画をそろえ、免許の担当窓口へ具体的に確認するところから進めてください。

この図面は、会社づくりの役に立ちましたか?

他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください

掲載は検索で見つかった順に関連の近いものを並べたもので、順番は優劣を示しません。各サイトの内容は運営者の責任で公開されているものです。最新の情報は各サイトでご確認ください。

02LIFULL HOME'S Business 独立開業

不動産の独立開業に向けた事前準備と流れを説明

ユーキャン 宅建士の独立
宅建士が独立するときに必要な準備と費用を説明
u-can.co.jp
日経BOOKプラス 宅建業ってなんだろう宅建業の意味をマンガで説明した入門記事

宅建Jobコラム 保証協会

宅建の保証協会の種類と費用、申込書の書き方を解説

サイト全日ラビー 不動産業で独立する方法
内容不動産業で独立するまでの8ステップと注意点を解説
行政書士が解説 宅建業許可申請の流れ

宅建業免許の申請の流れと審査期間を行政書士が解説

名古屋宅建業免許申請代行オフィス

takken-nagoya.com

宅建業免許申請の流れと営業開始までの期間を解説

一緒に読むと組み立てやすい記事