図番 C-26-157 / ゲーム
ゲーム会社・IT会社の作り方|作品の権利と契約の形を先に決める

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ゲーム制作やソフトウェア開発で会社を作る方へ。作品ができている場合も、会社として使える権利や取引条件の確認が必要です。制作する技術だけでなく、誰の仕事として何を約束するかという視点から、会社の作り方を考えます。
- 仕事の範囲
- 権利の持ち主
- 素材と外注
- 納品後の対応
01自社作品・受託開発・運用で、約束する仕事が変わる
ゲーム会社やIT会社の作り方を考えるとき、最初に「何を作れるか」だけでなく、「誰に何を提供するか」を言葉にします。自分たちのゲームを販売するのか、他社から依頼された機能を開発するのか、公開されたサービスの運用を担うのかで、準備する約束が違います。

受託開発とは、依頼を受けてシステムやソフトウェアを開発する仕事です。同じプログラムを書く作業でも、自社作品の開発では社内で判断することを、受託開発では依頼者と合意する必要があります。会社を作る際は、企画、開発、販売、問い合わせ対応のうち、どこを担うかを整理しましょう。
IPAは、情報システムの取引を考えるために、第二版とアジャイル開発版のモデル契約を公開しています。モデル契約は、取引に合わせて検討するためのひな型と解説です。会社の設立を認める書類でも、すべてのゲーム事業にそのまま当てはまる決まりでもありません。
たとえば「ゲーム開発一式」とだけ書いた依頼では、登場人物のイラストや音楽を誰が用意するのか、配信の作業まで含むのかが曖昧になります。事業の説明の作り方として、受け取る材料、行う作業、渡すもの、その後の対応を分けると、契約で話し合う項目が見えてきます。
設立する会社が作品を販売する場合も、参加した人や外部の素材の権利を確認します。反対に、他社のために開発する場合は、作ったプログラムを自社の次の案件に使えるかなども契約に関係します。同じ開発会社という呼び名だけでは、会社が持つ権利の範囲は決まりません。
ゲーム会社の作り方を事業計画へ落とすときは、最初に始める仕事と、将来追加したい仕事を区別してください。まだ引き受ける体制がない運用まで会社紹介に約束してしまうと、顧客の期待と実態がずれます。設立前に考える会社の部品として、引き受ける範囲を明らかにしましょう。
02会社が制作した作品でも、権利の持ち主は条件で決まる
著作権は、創作した作品の利用を認めたり、無断での利用を制限したりする権利です。著作権法第17条は、権利を持つために登録などの方式を履行する必要がないと定めています。ゲームの会社を作ることと、作品について著作権が生じることは、同じ手続きではありません。

会社の仕事として作られた作品については、同法第15条の条件も関係します。会社などの発意に基づき、その業務に従事する人が職務上作成することなどが規定されています。単に会社のパソコンで作った、会社が代金を支払った、という一つの事情だけで結論を出すものではありません。
同条は、プログラムの著作物と、それ以外の著作物を分けています。プログラム以外には会社などが自己の著作名義で公表する条件があり、プログラムについての第2項には同じ公表名義の条件はありません。いずれも作成時の契約や勤務規則などに別段の定めがある場合を考慮します。
ゲームは、プログラムだけでなく絵、文章、音楽などが組み合わさるものです。会社の作り方では、全体を一つのファイルとして保存していることと、各部分の権利の持ち主が同じであることを混同しないようにします。誰がどの部分を、どの立場で制作したのかを整理します。

設立する会社の権利として説明する前に、制作時の関係を確かめることが大切です。個別の作品が法律上どのように扱われるかは、この表だけでは判断できません。IT会社を作る準備では、不明な権利関係を専門家へ相談できるよう、制作や契約の記録を集めておきます。
03個人で作った作品や契約を、会社へ自動的に移さない
会社を作る前から、個人でゲームを公開したり、開発の仕事を受けたりしている方もいるでしょう。代表者が同じ人でも、個人と設立した会社は別の主体です。個人で持つ作品の権利や、個人として結んだ契約が、設立しただけで全部会社のものになるとは考えないようにします。

民法第539条の2は、契約の当事者が第三者へ契約上の地位を譲る合意をし、契約の相手方がその譲渡を承諾した場合の移転を定めています。契約上の地位は、その契約の当事者としての立場という意味です。請求書の宛名を変える作業だけで、相手方との契約関係が整理できたとは限りません。
IT会社の作り方では、継続中の開発契約、販売や配信に関する契約、制作ツールや素材の利用契約を分けて確認します。契約相手が変更を認める条件や、必要な手続きは契約によって異なります。使っているサービスの画面で会社名を入力できることだけを根拠にしないでください。
また、契約の引継ぎと、個人の作品を会社が使うための権利の整理は別の話です。本人の作品でも、共同で制作した部分や外部から許可を得て使用した部分があれば、その関係を確認します。個人時代の制作物だから、本人の判断だけですべての権利を渡せるとは限りません。
一覧の作り方として、契約相手、現在の当事者、会社で続けたい内容、変更の条件を記してみましょう。設立前からのメールや発注書などが残っていれば、当時どの立場で約束したかを確認する資料になります。手元の資料が足りない場合は、推測で埋めずに相手へ確かめます。
この記事では、権利を会社へ移すときの税務や価格の決め方までは扱いません。ゲーム会社を作るための確認として、何を個人が持ち、何を会社として利用したいのかを明確にします。設立の計画と既存の契約がつながっているかを、必要に応じて専門家と整理してください。
04外注費と、作品を使う権利の対価を混同しない
キャラクターの絵や文章などを外部の人へ依頼するとき、作品を作ってもらうことと、できた作品をどう使えるかを分けて話し合います。ゲーム会社の作り方では、制作の報酬を支払ったから会社があらゆる権利を取得する、という思い込みを避けることが大切です。

文化庁の契約マニュアルは、利用の許諾と著作権の譲渡を分けています。利用の許諾は、権利者から決めた条件で使用を認めてもらうことです。譲渡は、著作権の全部または一部を移すことです。設立する会社で必要な使い方を満たすにはどちらが適切か、内容を具体的に検討します。
ゲーム内に表示する許可と、その絵を広告や別の商品に使う許可が、常に同じ範囲とは限りません。対応する言語を増やす、別の端末向けに出す、続編に登場させるなど、会社が予定している使い方を伝えます。将来の可能性を理由に曖昧な表現だけを残すと、双方の理解がずれるおそれがあります。
著作権を譲り受ける場合にも、契約の範囲を確認します。文化庁は、二次的な作品を作る権利などを譲渡の対象として明記しない場合の扱いに注意を促しています。また、作品の公表、氏名の表示、改変などに関わる著作者人格権は譲渡できません。著作権を譲り受ければ、どんな変更も自由という説明にはなりません。
外注契約の作り方を考える際は、作品の利用条件だけでなく、制作者の名前の出し方や変更の確認方法も話し合います。会社を作る側の希望を伝えると同時に、制作者が実績として紹介できる範囲なども確認しておくと、公開後の認識の違いを減らせます。
文化庁の例は、個別の契約内容を考える手掛かりです。古いひな型の文面をそのまま採用するのではなく、現在の法令と今回の依頼に合うかを確かめてください。設立後に継続して依頼する予定なら、案件が変わるたびに追加される素材や利用方法も把握できるようにします。
05ゲームの音楽は、曲と録音された音源の権利を分ける
音楽を使うゲーム会社の作り方では、好きな曲を購入して持っていることと、その音源をゲームに組み込めることを分けます。JASRACは、ゲームの製作について、楽曲の管理状況や利用条件を確認する手続きを案内しています。すべての楽曲をJASRACが管理しているわけではありません。

同案内は、作品検索データベースでゲームの利用分野に関する管理状況を確かめるよう示しています。また、ゲーム目的での複製では、事前に権利者へ利用の可否や条件を確認する案内があります。具体的な扱いは、製作や配信の形、管理状況などを示して確かめます。
曲を利用する著作権の確認とは別に、既存の録音音源を利用する場合は、音源製作者や実演家などの権利も関係します。JASRACのページでも、市販のCDやダウンロードした音源を使う際の別の許諾を案内しています。曲について相談したから、録音された演奏も自由に使えるとは考えないでください。
素材集の音源や、自社のために書き下ろしてもらう曲の場合も、今回の利用条件を確認します。「フリー」という説明だけで、会社の商用ゲーム、広告、追加配信などすべてが認められると判断しないことが大切です。これは特定の素材サービスの条件を示すものではなく、個別に確かめるための観点です。

設立する会社の素材管理の作り方として、使った音源の名称、提供元、取得時の条件、許諾に関する記録を結び付けておきます。会社を作るメンバーが個人の端末に保管しているだけでは、後から確認できないことがあります。誰が確認したかも共有できる形にしましょう。
06納品するものと、完成を確認する方法を決める
制作を引き受ける会社を作るときは、成果物の範囲を説明できるようにします。文化庁の創作に関する契約マニュアルは、納入や検査について決める項目を紹介しています。ゲームやITの仕事でも、何が届けば約束した仕事の完成といえるかを、相手と共有することが大切です。

たとえば、実行できるプログラムだけを納めるのか、編集に使う元のデータや説明資料も渡すのかでは、作業も管理も変わります。これらがどの案件でも必ず納品物に含まれるという決まりとして扱わず、今回の契約で何を約束するのかを明らかにします。
確認の対象も具体化します。想定した画面が表示されること、合意した機能が使えることなど、今回の開発で確かめる事項を共有します。企画に書かれていない機能を後から求める場合と、合意した内容に合っていない部分を直す場合を、最初から同じ扱いだと思わないようにしましょう。
文化庁の例には納入後の検査や修正に関する条項がありますが、記載された期限や例示を自社の一律のルールにする必要はありません。設立する会社が対応できる体制と、取引相手の確認に必要な事情に合わせて検討します。契約の作り方を考えるときは、作品の量や複雑さも説明します。
外注した成果物に他人の権利を侵害しないという保証があっても、利用する会社の責任がすべてなくなるわけではないと文化庁は注意を促しています。保証の文言だけに頼らず、出所が不明な画像や音源が含まれていないかなど、制作中に確認できる情報も共有します。
ゲーム会社の作り方では、制作と確認の担当者を分けて考えることも役立ちます。人数が少ない設立時でも、誰が相手から変更を受け、誰が対応範囲を判断するかを決めておくと、口頭の依頼が重なった際の混乱を抑えられます。具体的な契約条項の判断は、必要に応じて専門家へ相談してください。
07公開後の保守や変更対応は、開発と分けて話し合う
IT会社の作り方を考えるとき、納品日までの開発だけでなく、公開後に何を続けるかも整理します。IPAのモデル契約第二版は、受託開発に加えて保守運用などの取引を扱っています。システムを作った事実だけで、すべての問い合わせや将来の変更に無期限で対応する約束が決まるわけではありません。

保守は、システムを維持するための対応を指す言葉として使われますが、その範囲は契約で具体的に確かめる必要があります。不具合への対応、機能の追加、利用環境の変化への対応を、どの条件で引き受けるかを話し合います。言葉の印象だけで双方が同じ範囲を想定していると思わないようにします。
IPAは、契約の段階で仕様やプロジェクトの管理方法、検収方法などについて共通理解を深めることを期待しています。検収は、納められたものが合意した条件を満たすか確認することです。設立する会社でも、開発した側と使う側で、確認や判断の役割を分けておくと相談しやすくなります。
法律・規則で決まっていること
- 他人の作品は権利と利用条件に沿って扱う
- 契約上の義務や適用される法令を守る
好みや戦略で決めること
- 受ける開発と保守の範囲を相手と検討する
- 情報共有の方法や担当の分け方を工夫する
設立時の人数で対応できる時間や範囲を確認し、会社紹介に書く内容と契約の約束を合わせましょう。運用体制の作り方は、後から忙しくなったときだけ考えるものではありません。顧客側から受け取る必要がある情報や、判断を求める担当者も確認しておきます。
IPAの資料には、参照する法規が公表当時の内容であり、利用時に改正を確認するよう注意があります。モデル契約を使えば個別の取引も必ず問題なく進むという意味ではありません。会社を作る計画に合った条項かを、現在の法令と実際の仕事に沿って読みましょう。
08まとめ:制作物・権利・役割を一緒に整理する
ゲーム会社・IT会社の作り方は、制作できる人を集めることだけではありません。自社の仕事、個人時代からの契約、外注した作品、組み込む素材、納品後の対応を整理します。会社を作る前に、作品の一覧と契約の一覧を見比べると、使える根拠が不明な部分を見つけやすくなります。

IPAのアジャイル開発版は、少しずつ開発と改善を進める方式について、依頼者と開発側が理解を共有する重要性を示しています。開発の方式が違えば、適した約束や役割も変わります。一つのひな型や契約の名前だけで、すべての仕事の進め方を決めないようにしましょう。
設立した会社で最初に提供する作品やサービスを選び、権利の確認と仕事の範囲を具体化してみてください。契約や権利の解釈に迷う場合は、個別の内容を弁護士などへ相談します。当サイトが作品の権利を判定したり、契約の有効性を保証したりするものではありません。
小さい会社で最初に決める部品を確認する
この図面を閉じる前に
最初の作品について、制作した人、契約した人、会社が予定する利用方法を一枚に整理してみましょう。開発や外注の相談では、納品するものと公開後の対応まで言葉にして、双方の認識をそろえてください。
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