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図番 B-14-121 / 規則

就業規則の作り方|常時10人以上の義務とモデル就業規則の使い方

就業規則の作り方|常時10人以上の義務とモデル就業規則の使い方

この記事を読んでほしい人

会社を作る際に人を雇う予定の方へ。設立後に必要となる就業規則の作り方を、人数の確認、本文の準備、意見聴取、届出、周知という部品に分けて整理します。

この記事で作るもの働く人の範囲と会社の条件を反映し、読める場所まで決めた就業規則
使う部品

  • 人数と適用範囲
  • 会社の労働条件
  • 代表者の意見
  • 周知する場所

01常時10人以上かを、会社全体ではなく事業場ごとに確認する

就業規則は、働く時間や賃金、職場で守る決まりなどを文書にしたものです。会社の経営理念や目標とは役割が違います。会社を作る人が就業規則の作り方を調べるときは、最初に誰をどの場所で雇うのかを整理します。会社を設立したことだけで、すべての会社に同じ作成義務が生じるわけではありません。

正社員だけで人数を数えない。働く場所と人の範囲を先に確認
正社員だけで人数を数えない

労働基準法89条では、常時10人以上の労働者を使用する場合に就業規則の作成と届出を義務付けています。この人数は会社全体の合計だけで判断せず、事務所、店舗、工場などの事業場ごとに確認します。事業場とは、仕事を行う場所や組織をひとまとまりとして捉える単位です。

東京都の手引きは、場所や機能が独立した営業所や店舗をそれぞれの事業場として捉えると説明しています。単に住所が違うから必ず別、部署名が違うから別とは決めません。複数の拠点を持つ会社を作る場合、どの単位で人数を数えるかが分からなければ、所轄の労働基準監督署へ確認します。

人数には正社員だけでなく、パートタイム労働者や契約社員なども含まれます。勤務時間が短い人を除外したり、その日に出勤していた人数だけを数えたりしないようにします。「常時」の判断に迷う働き方があるなら、雇用状況を一覧にして相談してください。

先に書き出す情報 確認する理由
働く場所と組織 どこを一つの事業場として扱うかを確認する
雇用している人 正社員以外も含めて人数を把握する
勤務形態と採用予定 常時の人数と今後の増員を確認する
既存の規則の有無 新規作成か、変更が必要かを分ける

10人未満なら労働基準法が適用されない、ということではありません。義務の有無と、働く条件を明確にする必要性を分けます。設立直後は少人数でも、採用予定に合わせて準備しておけば、人数が増えてから慌てて規則を探す状況を避けられます。

02必ず書く内容と、制度を設けるなら書く内容を分ける

就業規則の作り方では、使いやすそうなひな形を選ぶ前に、記載が必要な項目を押さえます。労働基準法89条は、始業・終業時刻、休憩、休日・休暇、賃金の決定や計算・支払い、退職に関することなどを定めています。退職の項目には解雇の事由も含まれます。

項目を埋める前に、自社にある制度を確認する。法令上の記載事項を落とさない
項目を埋める前に、自社にある制度を確認する

交替勤務を行う場合の交替に関する事項、賃金の締切りや支払時期、昇給に関する事項なども確認が必要です。「勤務時間」「給料」と短い見出しがあるだけで、必要な内容がそろっているとは限りません。会社を作る前に考えた働き方を、具体的な条件へ書き直していきます。

一方、退職手当や表彰・制裁などは、制度を設ける場合に記載すべき事項です。退職手当の項目が法律やモデルに載っているから、会社を設立したら必ずその制度を新設する、という意味ではありません。ただし、制度を実際に設けるなら、対象や扱いを曖昧なままにしないでください。

たとえば退職手当を設ける場合は、適用される人の範囲、決定・計算・支払いの方法や時期を定めます。食費や作業用品などを労働者に負担してもらう決まりがある場合も、記載事項として確認します。制度名だけを残して、実際の運用を担当者の口頭説明に任せないことが大切です。

法律・規則で決まっていること

  • 法令が求める事項を記載し、内容も法令に適合させる
  • 作成・変更に必要な意見聴取、届出、周知を確認する

好みや戦略で決めること

  • 法令の範囲内で、自社に合う働き方や追加の制度を考える
  • 読みやすい章立てや、従業員が探しやすい案内を工夫する

設立時に自由に決められることでも、いったん労働条件として定めれば、後から好みだけで変えてよいわけではありません。就業規則の作り方をデザインや社内スローガンの作り方と同じ感覚で進めず、人を雇う約束に関わる文書として確認します。

03モデル就業規則は、名称だけでなく条件も自社に合わせる

厚生労働省は、規程例と解説をまとめたモデル就業規則を公開しています。2026年10月12日に確認した掲載版は令和7年12月版です。会社を作る際に参考にできますが、モデルはそのまま提出すればどの会社にも合う完成品ではありません。

モデルの数字は、そのまま自社の条件とは限らない。規程例と解説を一緒に読む
モデルの数字は、そのまま自社の条件とは限らない

モデルの活用上の注意は、各事業場で労働時間や賃金などを十分に検討するよう求めています。就業規則の作り方では、会社名を差し替える作業より先に、始業・終業、休日、賃金の締切日や支払日などの実態を確認します。設立準備のメモと、実際に採用時に説明する条件の食い違いも見つけておきます。

空欄だけを埋めれば済むとも限りません。モデルにあらかじめ書かれた数字や、「無給/通常の賃金を支払うこと」といった選択用の文言も、例を分かりやすく説明するためのものです。記入済みだから法律で固定されていると考えず、解説と法令を確かめて自社の条件を決めます。

規程例、解説、自社の内容を分けて確認する図
図01 モデルを読むときに分ける三つの欄

モデルの章を削るときも、使わなさそうという印象だけで判断しないようにします。法令上必要な内容や、別の条文から参照される項目が残っていないかを確認してください。会社を作る人だけでは判断できない制度は、未確認のまま完成扱いにせず、確認点として残します。

設立後の労務管理を担当する人にも、実際の仕事で使える条件かを確認してもらいます。就業規則の作り方を文章の修正だけで終わらせず、休暇の申出先や勤務時間の管理など、決めた内容を運用できる体制と合わせて整えましょう。

04正社員だけでなく、パートや有期雇用の適用範囲も決める

就業規則の作り方では、誰に適用する文書なのかをはっきりさせます。厚生労働省のモデルは、主として通常の労働者への適用を想定しています。会社を作る際にパートや契約期間を定めた人を雇うなら、モデルの各条項がその人たちにも合うかを検討する必要があります。

誰に、どの規則を適用するかを明確にする。雇用形態の違いを空白にしない
誰に、どの規則を適用するかを明確にする

パートという名称だけで、すべての条項を一律に適用しないと決めることは避けます。働く時間、賃金の計算、契約の期間など、実際の条件を確認します。設立時に同じ仕事をする人でも条件が違う場合は、どの条項が共通で、どこを別に定めるかを整理してください。

必要に応じて別の就業規則を作る場合も、二つの文書の関係を明確にします。一方では休暇を定め、もう一方では何も書いていないときに、どちらを見ればよいか分からない状態にしないようにします。文書のタイトルを変えただけで、適用範囲の整理が済むわけではありません。

モデルは、パートタイム労働者や有期雇用労働者に関する規則の作成・変更では、その人たちの過半数を代表すると認められる者の意見を聴くよう努めることも説明しています。これは、次の節で扱う事業場の労働者代表への意見聴取と、対象を確認しながら整理する必要があります。

設立後に雇用形態が増えたときも、以前の規則がそのまま全員に使えるかを見直します。就業規則の作り方を一度の文書作成にせず、新しい働き方を採用する前に、対象者と適用条項を点検する習慣にしてください。

雇用時の労働条件の明示も、就業規則が存在するだけで済むとは考えません。採用する人に適用する条件を確認し、必要な明示を行います。会社を作るときの規則と個別の約束が食い違わないよう、採用を担当する人とも情報を共有しましょう。

05意見を聴く労働者代表は、会社が都合よく指名しない

就業規則を作成したり変更したりする際は、労働者側の意見を聴く手続が必要です。事業場の労働者の過半数で組織する労働組合がある場合はその組合、ない場合は労働者の過半数を代表する人が対象です。会社を作る人が自分で代表者欄に署名すればよい、という意味ではありません。

規則への意見を聴く代表者を、適切な方法で選ぶ。社長の指名と労働者の選出を混同しない
規則への意見を聴く代表者を、適切な方法で選ぶ

過半数を代表する人を選ぶときは、就業規則の作成や変更について意見を聴くための選出だと明らかにします。そのうえで、投票や挙手などの方法で選びます。親しい従業員に頼んだ、管理しやすい人を社長が指定したというだけでは、必要な選出になりません。

厚生労働省のQ&Aは、代表者が労働基準法上の管理監督者でないことも必要だと説明しています。これは肩書だけで一律に決まるものではないため、役職名の一覧だけを見て済ませないでください。代表者の要件や選出に迷う場合は、労働基準監督署などへ確認します。

設立直後で全員が近い距離で働いていても、選出の目的と方法を曖昧にしないことが大切です。就業規則の作り方の記録には、どの内容について意見を求めるのか、どの方法で代表を選んだかを残しておくと、担当交代の際にも説明しやすくなります。

意見を聴く際は、署名用の紙だけを渡すのではなく、規則の案と、分かりにくい点を確認できる機会を用意します。会社を作る側の説明と、働く側の理解が違っていたら、そのまま提出準備へ進む前に内容を確かめます。意見聴取は、形式的な署名集めのための作業ではありません。

代表者から意見を聴くことと、すべての労働者がすべての条件に同意したことは同じではありません。設立後に規則を変更する場合も、意見を聴けば労働条件を自由に下げられるとは考えないでください。就業規則の作り方と、個別の変更が認められるかの判断を分けます。

06意見書を添えて届け出るところまで、作成作業に含める

届出が必要な事業場では、就業規則の本文を作った後、労働者側の意見を記した書面を添付して届け出ます。労働基準法90条は、この意見書の添付を求めています。就業規則の作り方の予定に、文書を仕上げる日だけでなく、意見聴取と届出の確認も入れておきましょう。

本文と意見書をそろえ、対象の事業場の届出を確認する。作成したファイルだけで完了にしない
本文と意見書をそろえ、対象の事業場の届出を確認する

意見書は、会社側が都合のよい感想を書いておく紙ではありません。実際に聴いた意見を記した書面として、規則の本文と対応させます。修正前の案について意見を聴いたまま、内容の違う版を提出しないよう、どの版を確認したかを管理してください。

届出先は、その事業場を管轄する労働基準監督署長です。会社を作るときの登記の窓口と混同しないようにします。設立に関する書類を別の役所へ提出していても、就業規則の届出まで自動的に済むわけではありません。

電子申請を利用する方法もありますが、規則を作成するツールでPDFを出力しただけでは届出完了になりません。どの手段で提出し、受付や必要な対応を誰が確認するかを決めます。詳しい入力や添付の手順は、現在の公式案内に沿って進めてください。

就業規則の作成、意見聴取と届出、周知を区別する表
図02 完了を分けて確認する三つの作業

設立後に規則を変更した場合も、必要な意見聴取と届出を確認します。また、届出をしたことだけで、どのような内容でも有効になるわけではありません。法令への適合や労働条件の変更に関する判断は別に必要です。不明な点は所轄の窓口や社会保険労務士などへ相談しましょう。

07従業員がいつでも読める状態にして、置き場所を伝える

就業規則の作り方で忘れやすいのが、働く人に内容を知らせ、読めるようにする作業です。これを周知といいます。作成したファイルを社長のパソコンへ保存しただけ、労働基準監督署へ届け出ただけでは、従業員への周知まで終わったことにはなりません。

担当者だけが持つ文書から、全員が読める規則へ。閲覧の権限と場所を確かめる
担当者だけが持つ文書から、全員が読める規則へ

労働基準法106条は、見やすい場所への掲示や備付け、書面の交付などによる周知を求めています。広島労働局の案内も、各労働者に配付したり各職場に掲示したりする方法を挙げています。会社を作る際に文書の保存先を決めるときは、従業員側から見られるかを確認してください。

電子ファイルで扱う場合は、常時画面で確認できるようにするなど、必要な状態を整えます。管理者しか開けないフォルダーや、現場で使えないアカウントの中に置かないようにします。設立直後の小さな会社でも、誰がどの端末から見られるかを確かめておきます。

新しく入社した人にも、規則のある場所と自分に適用される範囲を案内します。就業規則の作り方を知っている担当者が一人いても、ほかの人が探せなければ運用につながりません。休暇や勤務時間について確認したいとき、どの文書を読めばよいかが分かる状態にしてください。

変更した際は、新しい版を保存するだけでなく、変更内容と適用する日を分かるように案内します。古い版と新しい版が同じ場所へ並ぶ場合は、現在使うものを区別します。ただし旧版の記録は、現在の規則と混同しない形で保管する方法を決めておきましょう。

閲覧場所を案内した後は、実際に従業員の権限で開けるかも確認します。事務所の担当者には見えていても、別の店舗や自宅で働く人にはアクセスできない場合があります。規則の作り方と保管方法を別々の担当が決める場合ほど、利用する側の環境まで点検してください。

人を雇う準備と一緒に、会社の部品を確認する

08まとめ:作成支援を使い、運用と変更の記録まで整える

就業規則の作り方は、人数と適用範囲を確かめ、必要な項目を自社の条件に合わせて書き、意見聴取、届出、周知へつなげる流れで考えます。会社を作る際の採用予定と照らし、準備する人だけでなく、運用を続ける担当も決めてください。

作成・提出・周知を分けて管理し、変更時に見直す。完成版を保管して次の担当へ引き継ぐ
作成・提出・周知を分けて管理し、変更時に見直す

厚生労働省の就業規則作成支援ツールは、モデルの解説を参考に入力し、PDFを出力するために使えます。ただし、ユーザー登録をせずに作成したデータは保存できないと案内されています。また、複製ではなく上書き保存となるため、変更前の版を必要な形で別途保管することも考えます。

引継ぎ用の記録には、現在の規則、適用日、過去の変更点、相談先を整理します。これは法律で指定された一覧様式という意味ではなく、社内で管理を続けるための工夫です。担当者が変わっても、どの条件をなぜ定めたかを確認できるようにしておきます。

設立後に人員や働き方が変わったら、規則も実態と合っているかを確認します。ツールが作った文書だから、届出済みだからという理由だけで放置しないでください。就業規則の作り方で迷った箇所を記録し、作成方法は支援窓口や社会保険労務士、法令上の制度は労働基準監督署などに確かめましょう。

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まず、働く場所ごとの人数と雇用形態、既に決めている勤務時間や賃金を書き出してみてください。モデルの文章と照らし、未確定の条件を確認しながら、従業員が使える就業規則へ整えていきましょう。

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