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会社の作り方工房図番 KTK ・ はじめての会社の組み立て説明書

図番 A-02-69 / 個人

自分の会社の作り方|ひとりで会社を作る人のための部品表

自分の会社の作り方|ひとりで会社を作る人のための部品表

この記事を読んでほしい人

ひとりで自分の会社を持ちたいものの、人や場所をどう決めればよいかわからない人に向けた記事です。株式会社を中心に、設立の準備で決める部品と日々の管理をつなげます。

この記事で作るものひとりの担当と、外に頼む仕事が見える部品表
使う部品

  • P-05 役員
  • P-03 本店
  • P-07 連絡先
  • 記録の管理

01「ひとり」の中にある出資・経営・実務を分ける

自分の会社の作り方を考えるとき、「ひとりで始める」という言葉を少し細かくします。お金を出す人がひとりなのか、経営を判断する人がひとりなのか、商品を作って売る人もひとりなのかで、準備する内容が変わるためです。相談や作業を外部に頼んでも、出資や経営の立場まで相手に渡すとは限りません。

自分が担う役割を、仕事ごとに書き出す。会社の人数と、必要な仕事は別
自分が担う役割を、仕事ごとに書き出す

J-Net21は、株式会社と合同会社が社長ひとりでも設立できることを案内しています。ただし、会社の種類や構成に応じた条件を満たす必要があり、どの形でも役員ひとりでよいという意味ではありません。両者の詳しい比較は「法人設立」のテーマに譲り、このページでは小さな株式会社を例に、自分の会社を動かす部品を見ます。

自分が担うこと 考えておく内容 部品表への記入例
出資する 会社に出すお金と生活用のお金を分けて考える 出資予定を別欄に記録
経営を判断する 引き受ける仕事と契約の条件を決める 自分が確認して返答
実務を進める 営業、制作、請求、連絡を行う 自分で行う作業と依頼する作業

例えば制作の仕事を受ける会社なら、制作中にも見積りへの返答や請求の確認が発生します。制作時間だけで一日の予定を埋めると、会社としての連絡や記録が後回しになります。会社の作り方を調べる段階で、売上を生む仕事と、その仕事を支える管理の両方を書き出してください。

自分で会社を作ることは、誰にも助けを求めず手続を完了させる競争ではありません。判断は自分が行い、確認や作業を必要に応じて頼む作り方もあります。一人で立ち上げる具体的な手順は「会社 立ち上げ 一人」のテーマで確認し、ここでは人・場所・連絡・記録の担当を決めるところまで整理します。

02役員ひとりの形を選ぶときは、会社の構成も確認する

取締役は、株式会社の経営を担う役員です。会社法第326条は株式会社に一人または二人以上の取締役を置くと定めています。一方、第331条第5項では、取締役会を置く会社の取締役は三人以上必要です。取締役会は取締役で構成される会社の機関であり、人数だけを減らして残せるものではありません。

役員の人数と、会社の仕組みを照合する。肩書きだけを先に決めない
役員の人数と、会社の仕組みを照合する

自分の会社の作り方を相談するときは、ひとりで経営する予定と、希望する会社の仕組みを一緒に伝えます。書式の見本に取締役会という言葉があったから、そのまま使うといった決め方は避けてください。会社の基本ルールを定める定款と、役員の構成を合わせて確認する必要があります。

会社を代表するとは、会社のために外部との契約などを行う立場になることです。会社法第349条は取締役による代表と、その例外などを定めています。名刺で「社長」と名乗ることと、法律上誰が会社を代表するかは同じ確認ではありません。設立の相談では、使いたい肩書きだけでなく、実際に誰が契約するかを伝えましょう。

人数、会社の代表、実務担当、就任条件を分けて考える図
図01 ひとり会社で混ぜない四つの確認

役員になれる条件の確認も必要です。名前だけを借りて家族を役員に加えれば、ひとりの負担が軽くなるとは限りません。役員としての立場と実際の関わりを理解してもらう必要があります。ひとりの作り方を選ぶ理由が相談相手の不足なら、役員を増やす前に、外部の相談先を持つ方法も検討できます。

将来、人を採用したり共同で経営したりする予定があっても、今の構成を曖昧にする理由にはなりません。設立時点の役割を決め、変更が必要になったときに何を確認するかを残します。会社の作り方の部品表には、役員候補の名前だけでなく、予定する役割を書いておきましょう。

03本店は、住所の文字と実際の使い方を合わせて決める

本店は、会社の住所として登記する所在地です。登記は会社の情報を公の記録に載せる制度で、株式会社の本店は会社法第911条の登記事項に含まれます。自分の会社を作る場合も、連絡がつく場所なら何でも同じ、とは考えず、会社の住所として使うことと実際の業務を行うことを分けて確かめます。

住所を使えるかと、仕事ができるかを確認。本店・作業場所・郵便を整理する
住所を使えるかと、仕事ができるかを確認

自宅を候補にするなら、賃貸借契約や管理規約などを確認します。住まいとして使えることから、会社の登記、看板、来客、商品の保管まで全部認められるとは限りません。貸主や管理側へ確認する際は、予定する使い方を具体的に伝えます。自己所有であっても、建物や事業に関わる条件の確認が不要になるわけではありません。

借りる事務所や住所利用のサービスも、利用条件は一律ではありません。設立する会社名で住所を使えるか、郵便物をどう受け取るか、実際に作業や来客対応ができるかを契約前に確かめます。料金の安さだけで選ぶ作り方では、必要な機能が契約に含まれていないことを見落としやすくなります。

場所に関する欄 確認したいこと
会社の住所 会社として使用できる条件と住所表記
仕事をする場所 制作、保管、来客など予定する用途
郵便の受け取り 受領できる郵便の種類と受け取り方法
継続利用 更新、解約、移転が必要になる条件

本店と普段の作業場所が異なるなら、部品表にも別々に記入します。取引先に打合せ場所を案内するとき、登記の住所へ来てもらってよいのかも確認してください。自分には当たり前の場所の使い分けでも、初めて連絡する相手には伝わりません。会社の作り方では、登録する情報と人が行動するための案内をつなげることが大切です。

場所を変えたときに必要な手続の細部は、登記や設立後の手続きのテーマで確認する内容です。ここでは、住所を選ぶ時点で継続して使える見通しを持ち、変更に伴って見直す連絡先や掲載先を控えるところまで準備しましょう。

04自宅を本店にする前に、会社の住所が公表されることを知る

自分の会社の作り方では、住所を決める前に公表範囲を確認しておきたいところです。国税庁法人番号公表サイトでは、名称、本店または主たる事務所の所在地、法人番号という基本三情報を公表しています。法人番号は法人等を識別する番号です。株式会社の本店を自宅にすれば、その所在地が会社の情報として調べられることを踏まえて判断します。

本店の住所は、外部から調べられる情報。私生活との関係も考えて選ぶ
本店の住所は、外部から調べられる情報

家族と暮らしている場合は、仕事で住所を使うことと、公表される会社の住所になることを分けて話します。郵便物が届く程度の想定だったのに、インターネットで検索できることを知らなかった、という食い違いを避けるためです。会社を作る本人だけでなく、同じ場所で暮らす人への説明も準備の一部になります。

公開される住所の話と、自分のホームページに何を載せるかは別の検討です。サイトから住所を消せば公の情報も非公開になる、とは考えないでください。一方、商品やサービスの提供方法によって表示が必要な事項があるため、すべての案内で住所を省略してよいとも一律には言えません。

メモ 会社の住所と、訪問先の案内を区別する

会社の本店を案内していても、そこが常時来客対応できる場所とは限りません。訪問を受け付けるか、予約が必要か、別の打合せ場所を使うかを、実際の運用に合わせて説明します。

自宅を避けたいという希望があるなら、候補の住所利用サービスや事務所の条件を確認します。ただし、別の住所を選ぶだけで許認可、契約、金融機関の確認などがすべて通ると期待してはいけません。会社の作り方のメモには、希望する公私の分け方と事業上必要な場所の機能を、両方残しておきます。

05連絡先は数を増やすより、返せる窓口を用意する

会社を作ると、電話、メール、ホームページなどを一度にそろえたくなります。ただ、窓口が多いほど確認する場所も増えます。自分の会社の作り方では、問い合わせを受けられることだけでなく、受けた内容を確認し、返答できることまで考えて選びましょう。普段使わない窓口を名刺に載せると、連絡の見落としにつながります。

問い合わせを受けて、確認し、返答できる形に。ひとりの対応時間に合わせる
問い合わせを受けて、確認し、返答できる形に

J-Net21のチラシの案内も、会社名や連絡先、営業時間などに漏れがあると、連絡や来店ができない場合があると説明しています。これはすべての会社に同じ連絡手段を義務づける話ではありません。相手に次の行動を取ってもらうために、自分の事業で必要な情報をそろえるという考え方です。

例えば外出中に電話へ出られないことが多いなら、折り返す時間帯や別の受付方法を考えます。メールを使うなら、確認する時間を予定に入れ、迷惑メール扱いになった連絡も確認できるようにします。実際に続けられない即時対応を約束するより、対応できる範囲を示した作り方のほうが、取引先との認識を合わせやすくなります。

連絡先を管理できるかを確認するチェックリスト
図02 窓口を増やす前の確認

会社名、担当者名、電話番号、メールアドレスの基本情報を一か所にまとめ、名刺やホームページを作る際はそこから転記します。作り方を別々に進めると、古い番号や個人用のアドレスが混ざりやすくなります。公開前に自分以外の人へ連絡を試してもらうと、相手が迷う点に気付きやすくなります。

ドメインや電話サービスの具体的な選び方は各部品の記事で扱います。設立の入口では、何を使うかと同時に、誰が契約や更新の情報を管理するかまで決めておきましょう。会社の窓口として使うサービスを、後から探せない状態にしないことが大切です。

06記録を残す仕組みは、ひとりの記憶に頼らず作る

自分の会社なら、決めたことを自分が覚えていれば十分と思いがちです。しかし、取引先への約束や支払いは、後から資料で確認できる必要があります。会社法第432条は株式会社に適時・正確な会計帳簿の作成を求めています。会計帳簿は会社のお金の動きを記録するものです。ひとりの会社にも、会社としての記録を整える仕事があります。

契約・請求・支払の記録を、後で探せる形に。受け取った場所に置きっぱなしにしない
契約・請求・支払の記録を、後で探せる形に

法律・規則で決まっていること

  • 株式会社は適時・正確な会計帳簿を作成する
  • 帳簿や重要資料には法令上の保存義務がある
  • 必要な記録は会社の形態や取引に応じて確認する

好みや戦略で決めること

  • 資料を探しやすい名前で分類する
  • 受け取った資料を確認する時間を決める
  • 紙と電子の置き場所を一覧にする

記録の作り方は、最初から大がかりな仕組みにする必要はありません。契約、売上、仕入れ、支払いなどに分け、どこに保存したかがわかる状態から始めます。ただし、保存方法や期間には税務を含む個別の規定があるため、単に写真を撮っておけば原本を全部捨ててよい、といった自己判断は避けてください。

私用の買い物と会社の取引が混ざった場合も、後から何の支払いだったか説明できるようにします。自分個人と会社は別の主体なので、会社のお金を自由な生活費の財布として扱わないことが基本です。名義とお金の分け方は次の記事で整理し、口座開設の具体的な手順は「設立後の手続き」のテーマで確認します。

設立を支援した専門家から受け取る資料や、サービスの契約情報も管理対象です。自分が不在になったとき、支払いや連絡がどこで止まるかを考えると、残すべき情報を見つけやすくなります。認証情報を誰にでも渡すのではなく、依頼先の権限と自分の確認範囲を分けた作り方にしましょう。

07事業に必要な人や場所は、ひとり会社でも省略できない

ひとりで会社を作ることができても、希望する事業をひとりで営めるとは限りません。事業によっては許認可や個人の資格、一定の人員や場所などの条件があります。J-Net21も、開業前に資格や許可が必要な事業があることを案内しています。会社の作り方と、営業を始めるための条件を別々に確かめてください。

会社の人数と、事業の要件を別々に確認する。資格・配置・場所の条件を見る
会社の人数と、事業の要件を別々に確認する

候補の業種が決まったら、何を扱い、どこで、誰に、どのように提供するかを説明できるようにします。同じ業種名でも実際の仕事内容によって確認先や条件が変わる場合があります。自分が資格を持っているから、会社に必要な手続も終わっているはず、とまとめないようにしましょう。

他の仕事と兼ねられる役割か、その営業所で実際に働く人が必要か、といった確認もあります。名前を借りるだけの担当者を用意して済ませる作り方は避けてください。会社を作る段階で採用や外部への依頼を考えているなら、その方法で要件を満たすかを所管の窓口で確認します。

事務所についても、登記に使える住所であることから、予定する許認可の施設条件まで満たすとは判断できません。場所を借りてから使えないとわかると、計画の組み直しが必要になります。事業の入口で未確認の条件を見つけ、物件や人員を確定する前に相談する作り方を選びましょう。

このサイトの業種別記事では、許認可の有無や所管を調べる入口を示しています。細かな基準は各所管の最新の手引きで確認してください。相談した計画が変わったときは、以前の回答の前提も変わっていないかを見直します。設立のための部品表と、営業の条件のメモを一緒に確認できるようにしておくと便利です。

08まとめ:自分で持つ部品と、相談が必要な部品を並べる

自分の会社の作り方は、ひとりという人数から全部を簡略化することではありません。経営を判断する人、会社の住所、返答できる連絡先、取引を残す記録を決めていきます。自分で担当するものと、外へ依頼するもの、まだ条件を確認していないものを分けると、準備の抜けを見つけやすくなります。

役割・場所・連絡・記録を一枚にまとめる。決めたことと未確認を見分ける
役割・場所・連絡・記録を一枚にまとめる
部品 今回決めること 未確認なら相談すること
役員 経営と契約を担う人 人数と会社の構成
本店 住所と利用方法 契約条件と事業上の要件
連絡 使う窓口と確認する時間 サービスの利用条件
記録 保管場所と確認担当 作成・保存の義務

J-Net21では起業の準備情報や相談窓口を探せます。相談する際は、会社を作るつもりだという話に加え、どんな仕事を、どの場所で、誰が行うかを伝えてください。自分の希望と制度上の確認事項を分けて持っていけば、どの部分を決め直す必要があるかを整理しやすくなります。

部品表ができたら、会社名や目的など他の部品との整合も確認します。設立することだけを到達点にせず、その後も連絡と記録を続けられる作り方を選びましょう。自分の手に余る部分を見つけて相談できることも、ひとりで会社を持つ準備の一つです。

この図面を閉じる前に

まずは役員、本店、連絡先、記録の四つの欄を用意してください。すでに決めた内容を書き、未確認の条件には印を付けます。会社を作る自分が毎日使える部品表にして、必要な相談へつなげていきましょう。

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