図番 A-07-80 / 知恵袋
会社の作り方でよくある失敗10例|部品ごとの後悔と防ぎ方

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初めて会社を作る準備を進め、決めたことに見落としがないか確かめたい方へ。ここに挙げる10例は、実在企業の体験談や発生頻度の順位ではなく、準備中に起こり得る行き違いを説明するための例です。
- 名前と権利
- 目的と住所
- 担当と記録
- 外向けの情報
01失敗1:会社名を決めてから、同じ住所の登記を調べる
会社の作り方で最初に楽しくなるのが、名前を考える作業です。ところが、候補を決めた勢いで看板や名刺まで発注し、その後で使えない条件に気付くと、周辺の部品まで直すことになります。商号は会社の正式な名称です。愛称や商品名と区別し、設立に使う表記が固まる前の制作物は、案として扱いましょう。

法務局の案内では、既存の会社と商号・本店の所在場所が同一になる内容の登記はできないとされています。同じ名前が全国のどこかにあるだけで、直ちにこの制限を受けるわけではありません。反対に、一般の検索で見つからなかったことだけで、同じ所在場所に同一商号の会社がないと確認できたことにもなりません。
例えば、複数の会社が利用する住所を本店の候補にしているなら、名前と住所を組み合わせて確認します。名前を先に調べても、後で住所を変えたときは、その組合せを再び確かめます。会社を作る準備では、一つの部品を変更すると別の確認も必要になる点に気を付けてください。
本文の「部品表 P-01」などは、トップページの会社の部品表に対応します。この記事内の節の番号とは別です。必要になった部品から見直せます。
確認した正式名は、表記をまとめるメモへ残します。会社の作り方を家族や外注先と共有するときも、候補と確定後の表記を混在させないようにします。名付けの判断材料は「会社名の決め方」の記事で詳しく扱っています。
02失敗2:登記できれば、商標も問題ないと思う
名前の登記について確認したので、その名前を商品や広告で自由に使えると考えるのも、避けたい行き違いです。商標は、商品やサービスを他のものと区別するために使う文字や図形などの目印です。会社の名称として登記できるかという問題と、事業でその目印を使えるかという問題は、確認の対象が異なります。

商標法では、登録した商標と、その対象となる商品・サービスとの関係が重要です。同じ文字があるかだけでなく、似た表示や関連する商品・サービスにも注意が必要です。会社の作り方を調べる段階では、自分がその名前を何の事業で、どのように表示する予定かを先に整理します。検索する言葉を一つ入力しただけで安全を断定しないでください。
INPITが案内するJ-PlatPatでは商標情報を検索できます。会社名だけでなく、ロゴやサービス名を決めるときも確認します。検索で見つからなかったから問題がない、と保証できるものではありません。判断しにくい名称や、事業の中心に据える表示は、調べた内容と使用予定をまとめて弁理士などへ相談します。
| 混同しやすい確認 | それだけでは分からないこと |
|---|---|
| 商号と本店の登記条件 | 商品やサービスでの商標上の問題 |
| 検索で同じ文字が出ない | 似た商標を含めた利用の可否 |
| ドメイン名を登録できた | 名称に関する他の人の権利 |
会社を作るための名前と、外へ見せるブランドを同時に考えるなら、制作の前に確認する時間を置きます。ロゴの作り方も、見た目を完成させてから権利を調べるだけでは、作り直す範囲が大きくなることがあります。
03失敗3・4:事業の目的と本店を、書けるかだけで選ぶ
三つ目の例は、他社の文面を見て、実際の事業を整理しないまま目的を写すことです。定款は会社の基本ルールをまとめたものです。株式会社について会社法27条は、目的や商号、本店の所在地などを定款に記載するよう定めています。欄が埋まっていることだけで、自分が予定する事業に適切な記載になったとは限りません。

会社の作り方の下書きでは、まず誰に何を提供するかを自分の言葉で書きます。許認可が関わる事業なら、営業を始める条件や目的の記載に関する案内を所管窓口で確かめます。定款に目的を書けば、その業種の営業許可も得られるわけではありません。ここでは入口を確認し、具体的な要件は所管の手引きへ進みます。
四つ目の例は、住所の文字列だけで本店を選び、利用条件を後から読むことです。賃貸物件や住所サービスでは、予定する事業に使えるか、法人名義の郵便を受け取れるかなどを契約や利用規約で確かめます。登記上の所在地として記載することと、その場所で希望する活動ができることは同じ問題ではありません。
法律・規則で決まっていること
- 株式会社の定款には会社法27条所定の事項を記載する
- 予定業種の許認可と、場所に適用される条件を確認する
- 住所の利用は契約・規約の内容も確かめる
好みや戦略で決めること
- 目的を検討するための事業メモの形式を選ぶ
- 仕事場の使いやすさや通いやすさを比較する
- 確認前の候補をいくつか残して検討する
会社を作るためのメモには「事業」「所在地」「契約条件」を並べます。住所を変えたら商号の確認や印刷物へ、事業を変えたら目的や許認可へ、影響が及ばないか見直します。作り方を日付の順だけで追わず、部品同士の関係も確かめることが大切です。
04失敗5:仲が良いので、役員の担当を決めない
友人と会社を作るとき、「二人で相談して決める」と話しただけで、日々の担当を決めずに始める例です。役員は会社の経営などを担う立場であり、作業を手伝う人と同じ意味ではありません。誰がお金を出すか、実務を行うか、会社として判断するかを、別の項目として整理します。

J-Net21の共同経営の案内も、出資や報酬、業務の担当・役割などを事前に取り決める重要性を挙げています。ただし、出資割合を特定の比率にすればすべて解決する、といった単純な理解は避けます。決定の種類や会社の仕組みによって扱いが違うため、ここでは割合の正解を示すのでなく、合意が必要な項目を明らかにします。
例えば、取引先への見積りを出す人と、値引きを決める人が異なるなら、その境目を書きます。担当者が不在のとき、連絡だけ代わるのか、条件の変更も判断するのかを共有します。会社の作り方を話し合う場で、仲の良さを疑うように感じる必要はありません。相手に任せたいことを具体的に伝えるための整理です。

取り決めは、話した日と参加した人も含めて残します。設立前の合意を、その後の状況が変わっても当然に使い続けるのではなく、担当や事業を変更するときに見直します。作り方の参考例をそのまま契約書として使わず、法的な整理が必要な点は専門家へ確認してください。
05失敗6・7:ドメインの管理先と登録情報を引き継がない
ドメイン名は、インターネット上で会社のホームページやメールなどに使う名前の一部です。六つ目の例は、知人や制作会社に取得を任せた後、どこで管理しているか分からなくなることです。サイトが表示されているから管理も問題ないと考えず、登録した人、管理する事業者、更新の担当を手元に残します。

JPRSのJPドメイン名に関するFAQでは、登録・更新のサービスは指定事業者が提供し、料金や手続きは事業者ごとに異なると案内しています。会社の作り方のメモには、更新に関する連絡が誰へ届くか、支払方法を変更するとき誰が対応するかも書きます。すべてのドメインに同じ料金や更新方式があると考えないでください。
七つ目の例は、会社名を変えればドメインの登録情報も自動で変わると思うことです。同FAQは、社名変更に伴う登録組織名の変更では、記載事項変更申請を案内しています。登記やサイト上の表示を変えたことだけで、登録管理の側も更新されたとは判断できません。利用している種類と事業者の案内に沿って確認します。
| 会社に残す情報 | 確認する目的 |
|---|---|
| 管理を依頼している事業者 | 問い合わせ先を失わない |
| 登録者と連絡担当 | 会社との関係を確かめる |
| 更新通知の受取先 | 連絡の見落としを減らす |
| 登録情報を変更する方法 | 名称などが変わったときに対応する |
メールも同じドメインを使っている場合は、変更時に仕事の連絡へ影響しないか確認します。パスワードを誰にでも配ることを引継ぎとせず、管理に必要な権限と安全な共有方法を決めます。会社を作る際の作り方には、作成後の管理まで含めておきましょう。
06失敗8:ロゴの納品を受けたので、自由に使えると思う
ロゴ制作を依頼して費用を払い、データも受け取ったので、どこへ載せてもどんな変更をしてもよいと思う例です。制作費の支払やデータの納品だけで、著作権が当然にすべて移るわけではありません。著作権で保護される制作物については、利用を許される範囲や権利の扱いを契約で確認します。

著作権法61条は著作権の全部または一部を譲渡できると定めていますが、同条2項には特定の権利を明記しない場合の扱いがあります。また、作者の人格的な利益を守る著作者人格権は、59条により譲渡できません。「全部買い取った」という会話だけで、あらゆる利用や改変が整理されたと考えないようにします。
会社の作り方としては、依頼時に使う場所を伝えておくことが役立ちます。名刺、ホームページ、商品、看板など、予定している用途と、色や配置を変える可能性を示します。後から用途を広げたいときの相談先も確認します。素材や書体を含む場合は、その部分に別の利用条件がないかも確かめてください。
ロゴの作り方で迷ったら、まず表示する場所を小さく試してみます。データ形式や縮小時の読みやすさの確認は、権利の確認とは別の作業です。見た目と利用条件を両方そろえる考え方は「会社ロゴの作り方」の記事でも扱っています。ロゴが完成することだけを、会社設立の必須条件にする必要はありません。
07失敗9:外見が整ったところで、お金の記録を止める
会社名やロゴ、ホームページがそろうと、会社を作る準備が全部終わったように感じることがあります。しかし、取引が始まれば記録も続きます。株式会社について会社法432条は、適時に正確な会計帳簿を作成することを求めています。会計帳簿は会社の取引を記録するものです。見た目を整えたかどうかとは関係なく取り組む必要があります。

失敗の例は、購入や支払をした人が各自で資料を保管し、後で誰も全体を追えなくなることです。何を、誰のために、いくらで購入したかを分かるようにし、確認に使う資料と結び付けます。個人の買物と会社の支払も分けます。詳しい保存方法や会計処理は、それぞれの取引と適用される制度に応じて確認してください。
会社の作り方の部品表では、お金を用意するP-04と、設立後の記録を混同しないことが大切です。資本金の額を決めることと、日々の支払を把握することは別の課題です。資本金の決め方、費用の内訳、設立後の届出は、それぞれの専門テーマで確認し、ここでは担当と資料の集め方を決めます。
例えば一人で会社を作る場合でも、「後で自分が分かるはず」と記憶に頼らず、取引の記録を残します。複数人なら、資料を渡す先と、足りない情報を問い合わせる担当を共有します。作り方のメモに設立後の確認欄を加えると、制作物の完成で準備を止めることを避けやすくなります。
08失敗10:名刺とホームページの情報が別々に古くなる
連絡用の電話番号を変更したのに、ホームページだけ直して名刺のデータは古いまま、という例です。会社の作り方では、情報を初めて載せる作業に目が向きますが、変わったときに直す場所も把握しておきます。印刷物、サイト、メール署名、会社案内など、実際に使っているものを一覧にします。

国税庁法人番号公表サイトでは、商号または名称、本店または主たる事務所の所在地、法人番号という基本3情報を確認できます。ここにある情報は、電話や問い合わせ先の一覧ではありません。本店の所在地と、荷物を受け取る場所や相談窓口が違う場合は、それぞれの用途が分かるように案内します。
すべての媒体で住所も連絡先も必ず一組だけにする、という意味ではありません。正式な会社情報と、利用者が連絡する先を区別し、どの情報が最新版かを社内で共有します。新しい名刺の作り方を決めるときも、担当者が個別に表記を作り直すより、確認した情報を基に校正すると行き違いを減らせます。
会社を作る際に大量の印刷物を発注するなら、変更されそうな情報がないか先に点検します。どの程度の数量を用意するかは用途に合わせて判断します。見栄えのために未確定の住所や番号を確定情報として載せないこと、変更後に使わない旧データを区別することも、無駄な作り直しを防ぐ準備です。
09まとめ:部品のつなぎ目を確かめ、作り直しを減らす
会社の作り方で見直したいのは、名前や住所などの部品そのものと、変更したときに影響する周辺です。この記事の10例を、自分に必ず起きる問題の一覧として読む必要はありません。現在の準備に当てはまるものを選び、確認できていることと、まだ調べていないことを分けてみてください。

| 見直すまとまり | 次に書くメモ |
|---|---|
| 名前とロゴ | 登記・商標・利用条件で残る確認 |
| 目的・本店・役員 | 事業に合う条件と、判断する担当 |
| ドメインと外向け情報 | 管理先・更新する箇所・連絡担当 |
| 設立後の記録 | 取引資料の集め方と確認する人 |
事業全体の準備に迷ったら、J-Net21の起業支援情報から公的な相談窓口も探せます。個別の権利や登記、会計などの問題は、その内容を扱う専門家や所管窓口へ確認します。一般的な会社の作り方の記事だけで、自分の計画のすべてが確認済みになるわけではありません。
会社を作る準備を進めるほど、決めた項目は増えていきます。一度に全項目を作り直すのではなく、今迷っている部品に、次に聞くことと確認先を添えてください。設立のために決める部分と、好みで調整できる部分が整理されると、必要な確認を残したまま発注してしまう行き違いも減らせます。
会社を作るために必要な部品を確認する
この図面を閉じる前に
自分の準備に近い例を一つ選び、関係する部品と確認先を書いてみましょう。変更した場合に直す場所まで控えておくと、その後の作業にも使えます。
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