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会社の作り方工房図番 KTK ・ はじめての会社の組み立て説明書

図番 C-24-58 / 警備

警備会社の作り方|公安委員会の認定と欠格事由の考え方

警備会社の作り方|公安委員会の認定と欠格事由の考え方

この記事を読んでほしい人

施設警備や交通誘導の現場で働いてきて、いつか自分の警備会社を作りたいと考えている人に向けた記事です。共同で会社を作る仲間や、役員に入ってもらう予定の人と一緒に読むと、話が早く進みます。

この記事で作るもの公安委員会の認定を見すえた、警備会社という器の設計図
使う部品

  • P-02 事業の目的
  • P-03 本店の所在地
  • P-05 役員
  • 警備業の認定

01警備会社の作り方は二階建て――会社の設立と公安委員会の認定

警備会社の作り方を一言でまとめると、二階建ての工事です。一階にあたるのが、ほかの業種と同じ会社の設立(法務局での登記)。二階にあたるのが、警備業を営むための都道府県公安委員会の認定です。会社を作るだけでは二階に上がれず、認定を受け、扱う業務に必要な人員・教育などの体制を整えて営業します。認定だけで、すべての種類の現場を担当できるわけではありません。

一階は会社の設立、二階は公安委員会の認定。登記だけでは警備業は始められない
一階は会社の設立、二階は公安委員会の認定

警視庁の案内も、冒頭で「これから新たに警備業を始めるには『公安委員会の認定』が必要です」と書いています。公安委員会とは、各都道府県の警察を管理する合議制の機関のことです。申請の窓口は、主たる営業所(警備業の営業の中心となる拠点)の所在地を管轄する警察署で、東京都内なら生活安全課が担当しています。

これから新たに警備業を始めるには「公安委員会の認定」が必要です。

— 警視庁「警備業の認定申請」(2026年10月12日確認)

ここで押さえておきたいのは、二階を建てるための材料の多くが、一階を作る段階で決まってしまうことです。会社の役員を誰にするか、本店や営業所をどこに置くか、定款(会社の基本ルールを書いた書類)の目的に何を書くか。これらは会社を作る手続きの中で決める部品ですが、認定の申請内容や確認資料にも関わります。登記上の本店と警備業の主たる営業所が一致しない場合もあるため、同じ住所を機械的に写すのではなく実態を整理します。

この記事では、警備会社の作り方のうち「会社を作る前に知っておくと手戻りが減ること」に絞って説明します。認定の申請書の書き方や添付書類の細部は、所管の警察の手引きと、申請書類の作成を業務とする行政書士の領域です。当サイトはその代行をしていませんので、具体的な書類づくりは窓口や専門家に確かめてください。

02警備業とは何か――警備業法が決める4つの警備業務

そもそも、どんな仕事をすると警備業にあたるのでしょうか。警備業法の第2条は「警備業務」を4つの号に分けて定義し、いずれも「他人の需要に応じて行うもの」としています。つまり、依頼を受けて他人のために警戒・防止の仕事をすることが前提です。会社を作る前に、自分が始めたい仕事がどの号にあたるかを見定めておくと、設立の準備も認定の準備も迷いが少なくなります。

警備業務は1号から4号までの4区分。施設・雑踏と交通誘導・運搬・身辺
警備業務は1号から4号までの4区分
警備業法第2条第1項の1号から4号までの警備業務の比較表
図01 警備業法第2条第1項の4つの警備業務

1号の中でも、センサーなどの機器で感知した情報を離れた場所で受信して対応するものは機械警備業務と呼ばれ(第2条第5項)、別の手続きや責任者が加わります。工事現場の交通誘導は2号、イベント会場の混雑整理も2号、現金輸送は3号、いわゆるボディーガードは4号、という具合に、仕事のイメージと号を結びつけておきましょう。

号の区分は、警備会社の作り方そのものに影響します。後で説明する警備員指導教育責任者は、営業所ごと・区分ごとに選ぶ決まりになっているからです。たとえば1号と2号の両方を請け負う会社を作るなら、両方の区分について選任を考えます。同じ営業所で各区分の資格者証を持つ一人が兼ねられる場合もあり、区分数がそのまま必要人数になるわけではありません。最初は1つの区分から始め、体制が整ってから広げるという作り方もあります。

メモ 「警備」と名の付く仕事がすべて警備業とは限らない

条文は「他人の需要に応じて行う」業務を対象にしています。自分の会社の建物を自分の社員が見回る、といった形がどう扱われるかは事情によるため、判断に迷うときは所管の警察署に相談してください。

03認定の作り方を知る――欠格事由と営業体制の確認

警備業法の仕組みで特徴的なのが、認定という言葉です。第4条は、警備業を営もうとする者は「前条各号のいずれにも該当しないことについて」公安委員会の認定を受けなければならない、と定めています。前条とは、警備業を営んではならない者を並べた第3条のことです。

認定は、欠格事由に当たらないことを確かめる手続き。認定の確認と、営業体制の準備を分ける
認定は、欠格事由に当たらないことを確かめる手続き

警備業を営もうとする者は、前条各号のいずれにも該当しないことについて、都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)の認定を受けなければならない。

第5条第2項では、公安委員会は申請者が第3条各号のいずれにも該当しないと認めたときは、その旨を通知しなければならないとしています。言い換えると、認定は「この人(会社)は、警備業を営んではいけない条件に当たっていない」と確かめてもらう手続きです。認定は、サービスの品質や会社の収益を保証する表示ではありません。会社案内でも、公安委員会が仕事の質まで推薦しているように書かないようにします。

ただし、条件が軽いという意味ではありません。第3条には、警備員指導教育責任者を選任できる見込みがあるかどうか(第9号)といった、体制にかかわる項目も含まれています。人の手当てができていなければ、会社を作っても認定にたどり着けません。

なお、警察庁は警備業を所管する国の機関として、業界の適正な取引や人手不足への対応などの情報を公開しています。制度の大枠は警察庁、申請の実務は各都道府県警察のページ、と見る場所を分けておくと調べやすくなります。

04欠格事由の考え方――会社を作るなら役員全員が点検の対象

警備会社を作る人が設立前に確認したいのが、欠格事由(けっかくじゆう:その条件に当たると認定を受けられない事情)です。第3条は11の号を並べています。ここでは確認すべき項目の概要を示します。条文全文ではなく、例外・期間の数え方や規則で定める範囲を省略しているため、これだけで該当・非該当を判定しないでください。

法人なら、役員一人ひとりの欠格事由を点検する。相談役・顧問なども含まれうる
法人なら、役員一人ひとりの欠格事由を点検する
  • 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者(第1号)
  • 拘禁刑以上の刑、または警備業法違反の罰金刑の執行を終えるなどしてから5年を経過しない者(第2号)
  • 最近5年間に警備業法などに違反する重大な不正行為をした者(第3号)
  • 暴力的不法行為などを行うおそれがある者、暴力団対策法の命令等から3年を経過しない者(第4号・第5号)
  • アルコール・麻薬などの中毒者、心身の障害により業務を適正に行えない者(第6号・第7号)
  • 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者(第8号)
  • 警備員指導教育責任者を選任すると認められない相当な理由がある者(第9号)
  • 役員のうちに第1号から第7号に当たる者がいる法人(第10号)
  • 第4号に当たる者が事業に支配的な影響力を持つ者(第11号)

警備会社の作り方との関係で大事なのが第10号です。法人の場合、会社そのものだけでなく役員の一人ひとりが点検されます。しかも条文は、役員に「相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず」取締役などと同等以上の支配力を持つ者を含むとしています。肩書きを変えれば外せる、という考え方は通用しません。

そのため、警備会社を作るときは、登記に名前が載る取締役を誰にするかを決める前に、候補者それぞれに法人役員に関わる第3条第1号から第7号などを読んでもらいます。役員の欠格事由と、責任者になる人の資格者証の交付要件も同じではありません。言いにくい話ですが、設立のあとで役員を入れ替えるのは手間も費用もかかります。共同で会社を作る仲間とは、早い段階で確認方法を決めておきましょう。病歴などを全員の前で詳しく話す方法ではなく、必要な資料と確認する担当者を整理し、本人から窓口へ個別に相談できるようにします。

注意 概要だけで該当・非該当を決めない

刑の種類や期間の数え方などは、個別の事情で結論が変わります。この記事は項目の名前を示すところまでです。心配な点があれば、申請先の警察署や行政書士・弁護士などの専門家に事前に相談してください。

05会社を作る前にそろえたい「人」の部品――警備員指導教育責任者

警備会社の作り方で、お金よりも先に悩むことが多いのが「人」の部品です。警備業法第22条は、警備業者は警備員の属しない営業所を除く営業所ごと、かつ取り扱う警備業務の区分ごとに、警備員指導教育責任者を選任しなければならないと定めています。この責任者は、警備員の指導と教育の計画を立てて実行する役目で、公安委員会から資格者証の交付を受けている人の中から選びます。

営業所ごと・区分ごとに警備員指導教育責任者を置く。資格者証を持つ人の中から選ぶ
営業所ごと・区分ごとに警備員指導教育責任者を置く

認定の申請書にも、営業所ごと・区分ごとに選任する警備員指導教育責任者の氏名と住所を書く欄があります(第5条第1項第3号)。全国警備業協会のQ&Aは、同じ営業所で複数の区分に対応した資格者証を持つ人なら、その複数区分に選任できると説明しています。別の営業所との兼任は別の論点なので、同じように考えず窓口で確認します。つまり、責任者のめどが立たないまま会社を作っても、二階部分の工事に進めません。

  1. 1始めたい区分を決める
    1号だけか、2号も扱うか。取り扱う区分に対応する資格と選任を確かめる。
  2. 2責任者になれる人を探す
    自分が資格者証を持っているか、持っている人を迎えられるか。
  3. 3役員にするか社員にするか考える
    役員にする場合は、欠格事由の点検の対象にもなる。
  4. 4会社の設立と認定申請の順番を組む
    候補者が実際に役割を担えるか確認して、設立の計画と合わせる。

資格者証・講習・検定という言葉の違いは、同じカテゴリーの「警備業の認定の入口」で整理します。具体的な受講資格や申請方法は、都道府県警察の最新案内で確かめてください。ここでは「人がそろわないと認定は受けられない」という一点を、会社を作る計画の最初に置いておいてください。

小さな会社で一人が複数の役割を担う作り方をするなら、資格の有無だけでなく、指導と教育に割ける時間も検討します。退職などで責任者を欠く場合には対応が必要です。法定の猶予を最初から人員不足の埋め合わせに使わず、交代が必要になったときの相談先と引継ぎ事項を用意しておきます。

06定款の目的・本店・営業所――設立の書類で警備業の作り方を先取りする

会社を作るときに決める部品のうち、警備業と特に関係が深いのが事業の目的(P-02)と本店の所在地(P-03)です。警視庁の案内では、法人が認定を申請するときに定款と登記事項証明書を用意することになっています。つまり、会社の設立が終わっていて、その中身が書類で確認できる状態が前提です。

主たる営業所の場所が、申請先の公安委員会を決める。本店・営業所・事業の目的をそろえる
主たる営業所の場所が、申請先の公安委員会を決める

法律・規則で決まっていること

  • 認定の申請先は主たる営業所の所在地を管轄する公安委員会(警備業法5条)
  • 法人の申請では定款・登記事項証明書が求められる(警視庁の案内)
  • 役員は欠格事由の点検の対象(警備業法3条10号)
  • 他県の営業所や他県での警備業務には届出の確認が必要(警備業法9条、業務の例外あり)

好みや戦略で決めること

  • 目的に警備業をどんな言葉で書くか
  • 警備業のほかに清掃や設備管理なども目的に入れるか
  • 用途・契約条件や営業実態を確認して本店・営業所を選ぶ
  • 最初から複数の営業所を持つかどうか

事業の目的には、警備業を営むことが読み取れる文言を入れておくのが一般的です。具体的な書き方は申請先で確かめるのが確実ですが、目的にない事業を後から加えるには定款の変更と登記が必要になります。清掃や施設管理など、近い仕事をまとめて請け負う予定があるなら、会社を作る段階で目的に並べておくと、作り直しの手間が減ります。

本店と営業所の場所も、作り方を左右します。認定の申請先は「主たる営業所の所在地を管轄する公安委員会」です。登記上の本店と、実際に警備員が出入りする営業所が別の場所になる場合は、どちらを主たる営業所として扱うのかを先に整理しておきましょう。警察庁の解釈運用基準では、営業所は営業の拠点をいい、所属警備員の日常の配置運用や業務の指揮統轄が行われる場所とされています。郵便を受け取れる住所というだけで足りると考えず、誰がどこで現場を管理するかを説明できるようにします。定款の具体的な作り方は「登記・定款」のテーマで扱う内容です。

07窓口への相談の作り方――設立後も続く管理を見通す

警備会社の作り方を相談するときは、主たる営業所を置く予定の場所を伝え、担当窓口を確かめます。東京都では警察署の生活安全課が窓口で、警視庁は事前の電話連絡を勧めています。住所が未定なら、候補地で相談先が変わるかも尋ねておきましょう。

認定の相談は、主たる営業所を管轄する警察署へ。期間と費用は、申請先の最新案内で確認
認定の相談は、主たる営業所を管轄する警察署へ
相談前に整理すること 確認したい点 会社の設立への影響
扱う警備の内容 予定する仕事がどの区分に当たるか 目的と人員計画を合わせる
営業の拠点 本店と主たる営業所をどう整理するか 住所や拠点の選び直しを防ぐ
役員と責任者 対象者・資格・確認資料をどう確かめるか 候補者への依頼内容を明確にする
開始の希望時期 最新の審査期間や申請方法は何か 希望日と確定事項を分ける

費用と日数の参考として、警視庁の2026年10月12日確認時点の案内では、認定申請手数料は23,000円、認定まで概ね40日とされています。この金額は会社の設立費用の総額ではなく、期間も認定を約束するものではないため、申請先の最新案内で確認します。

取引先との打合せでは、会社の設立予定と警備業務を始められる時期を分けて伝えます。希望する開始日を先に固定して、認定や人員の準備が追いつくはずだと見込む作り方は避けたいところです。相談メモには回答の日付と、まだ決まっていない事項を残します。書類を用意しただけ、相談を受けただけの段階を「認定済み」と扱わないでください。

認定の後は、主たる営業所の見やすい場所に標識を掲示し、一定の例外を除きウェブサイトにも掲載する義務があります(警備業法第6条)。第5条第4項の認定有効期間は5年で、営業を続けるなら更新の管理も必要です。標識はホームページ制作担当、更新は事務担当、と担当者を決める場合も、誰かが最終確認する形にします。

認定更新、標識、人員教育を誰が管理するかを設立前に整理する例
図02 営業後まで見越した担当の割り当て例

契約時の書面交付など、営業中に守る規定もあります(第19条、承諾を得た一定の電子提供も可能)。認定は終点ではなく継続管理の入口です。会社案内の作り方も含めて、担当者の変更があっても情報が更新されるよう、保管場所と確認する機会を決めておきましょう。

08まとめ:警備会社を作るときの部品表

警備会社の作り方は、会社の設立という一階と、公安委員会の認定という二階でできています。二階の審査の材料は、役員・営業所・事業の目的といった一階の部品から作られるため、会社を作る前に認定の要件を眺めておくことが、いちばんの近道になります。

警備会社の部品表:区分・責任者・役員・目的・営業所。設立の前に、認定の材料をそろえる
警備会社の部品表:区分・責任者・役員・目的・営業所
警備会社を作る前に確かめておくことと避けたいことの表
図03 警備会社を作る前の点検
部品 確かめる先 この記事での扱い
警備業務の区分 警備業法 第2条 号の名前と中身の要旨
欠格事由 警備業法 第3条 項目の名前まで
警備員指導教育責任者 警備業法 第22条・各都道府県警察 必要になることまで
認定申請の窓口・手数料 主たる営業所を管轄する警察署 申請先の最新案内で確認
申請書類の作成 行政書士など 当サイトは扱わない

J-Net21の「許認可が必要な業種は」のページも、詳細は担当官庁の相談窓口へ相談するよう案内しています。警備業は、許認可が要る業種の代表例の一つです。要件の細部や書類は、所管の警察の手引きで必ず原文を確かめてください。

責任者の資格や警備員の検定など、人にかかわる資格の名前は、同じカテゴリーの別記事にまとめています。設立の手順や必要書類の一覧は、それぞれを専門に扱うサイトの担当です。部品表に戻って、会社名や本店などの残りの部品を組み立てていきましょう。

この図面を閉じる前に

警備会社の作り方を考えるときは、最初に請け負いたい仕事を具体的に書き出してみてください。区分、拠点、役員、責任者の候補が見えると、窓口で確かめたい点も絞れます。会社を作る仲間と相談メモを共有し、設立と認定の準備を結び付けていきましょう。

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